「韓国系アメリカ人の存在の証明となる作品」ミナリ エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
韓国系アメリカ人の存在の証明となる作品
アカデミー賞作品賞にノミネートされましたね。
『対抗』という位置付けでしょうか。
舞台は1980年代のアメリカ南部はアーカンソー。カリフォルニアからこの地に引っ越してきた韓国系アメリカ人の家族を描いた。
父親は妻とともに働いて貯めたお金で荒れた土地と古びたトレーラーハウスを購入した。年間3万人という韓国からの移民をあてに、韓国の野菜を育て成功しようとするがままならない。
成功への強い思いが父親を迷わせた。家族を第一と考え堅実な生活を望む母親との距離が広がった。
韓国から呼び寄せたおばあちゃん(お母さんの母親)が救世主になるかと思いきや。
ラストの悲劇は呪縛からの解放でもあった。
おばあちゃんが植えたミナリ(せり)が川辺に生い茂った。そこに眩いばかりの太陽の光が降りそそいだ。やはりおばあちゃんは救世主だった。
これは監督のリー・アイザック・チョンや父親を演じたスティーブン・ユァンの子供の頃のお話し。多くの韓国系アメリカ人にとって存在の証明となる作品だろう。
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gachonさんのコメント
2021年4月26日
主演の男優が「バーニング劇場版」のイメージが強くてちよっと損しましたね。韓国の移民のこともう少し深く描けば大作になったのかも。でもいい作品でした。お祖母ちゃんと子役の男の子うまかったですね。