「マニアックな作品だがアメリカの良さが詰まった作品」ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実 B25(海外出張の為一時休会予定)さんの映画レビュー(感想・評価)
マニアックな作品だがアメリカの良さが詰まった作品
ベトナム戦争時に戦死した1人の戦士の勲章授与までの道のりを描いた作品。
作品の舞台は1999年。国防省で働く主人公のハフマンは30年前に戦死したウィリアム兵士の調査を任される。そこには当時同じ戦場で共にした仲間達が30年間もウィリアムに勲章を与えるべきだと政府に働きかけていた。
当初は今更与えても意味がないと考え、やる気がなかったハフマンだったが、ウィリアムに助けられた仲間、そして家族、恋人等から当時の話を聞いていくうちに心が変わり、授与を成し遂げる為に政府に立ち向かい最後は成し遂げるストーリーである。
ウィリアムは空軍所属の衛生兵であった。戦場は敵に囲まれ圧倒的に不利な状況であり、上官は戦場で負傷した兵士を助けに行くことを止めた。しかしウィリアムは死ぬ事を承知の上で彼は戦場に行き負傷した兵士達を助け何人もの命を救った。その救われた者たちが勲章授与を30年も働きかけてるわけだ。
この作品は主に生存者達の会話で進む。その為少し聞き逃したり理解できないところがあると少し苦しむかもしれない。
個人的にこの作品の好きなところは故人を何十年経っても偲ぶアメリカらしいところだ。
そらに合わせて心に沁みる言葉が何度も発せられる。
最後のハフマンの息子を前にして「意味がなかった事はないだろ」と放ったシーンは特に好きである。
哲学チックな会話シーンも多々ありそういうのが好みな僕は楽しむ事ができた。
ベトナム戦争から50年近く、そしてこの作品の舞台から20年経った今でもこうやって作品化し故人を偲ぶのはアメリカらしくとても美しい作品である。
エンドロールではこの作品のモデルとなった人達のインタビュー映像とウィリアムのような職の兵士には中々評価されていない状況が紹介される。ぜひ最後まで見て欲しいものだ。