「憂鬱を吹き飛ばす娯楽映画」科捜研の女 劇場版 らららさんの映画レビュー(感想・評価)
憂鬱を吹き飛ばす娯楽映画
ドラマは時々見る程度で詳しくないですが、ドラマの機械人形のようなマリコさんのキャラとシュールな捜査が好きで観にいきました。
期待を裏切らず最初からマリコさんらしさ全開。
ツッコミどころも盛りだくさん、観客を楽しませようとしてくれていました。飽きることなく完全に娯楽として楽しめます。
マリコさんは、お父さんも元科捜研、そしてバツイチだったのですね。今回父親と元旦那さんのコネを使いまくり。警察の捜査の違法性を暴く「警察協力受難者協会」の人が、敵陣の味方になるのかと思いきや元刑事部長で警察からの天下りって。主人公側が強いコネが使えて天下りの人とつながってる話も珍しい。マリコさん「私たちが冤罪を生んだ時処理してくれた」とかサラッと言ってるのがまた怖かった。
通常なら殺人事件にはされない。自殺か事故で片付けられる件、最初は「この事件犯人は細菌…?」と不思議な感じでしたが。
八王子の大学の研究所もSFの世界。必要性がわからない謎のドームに白服。治験って普通もっと大勢でやるよね…とか、ごく稀な副作用でなく100発100中、異常行動をとる毒性があるなら、治験前にマウスの時点で気づくのでは?とか。インフルエンザ時のタミフルもですが、カタツムリに異常行動させる寄生虫も思い浮かびました。
マリコさんがどこに呼び出されるか撮影所の人はなぜ知ってたんだ!とか、清水寺の辺に住んでるらしいマリコさんがなぜ東福寺に行ったんだ、とかそもそも2人目の被害者もなんで歌舞練場に呼び出されたの?(高層じゃないのに)とか、数々突っ込めるのがとにかく楽しかった。遊び心でわざと突っ込めるようにしてあるんですよね。
真面目に見るよりこの世界観を楽しむものかと。笑えましたがコロナ禍の静かな映画館で声を出して笑いにくいのが難でした。
ふざけた感じなので、歌いあげるエンディング
に違和感あったほど。
昔ながらのベテラン役者さんらが出ていたのも安心して観られました。
憂鬱を吹き飛ばして明るい気持ちにさせてくれました。映画は娯楽、こんな感じがいいと思います。