「細かいことは言うな!映画館で観てこその韓国産ディザスター・パニック!!」白頭山(ペクトゥサン)大噴火 バフィーさんの映画レビュー(感想・評価)
細かいことは言うな!映画館で観てこその韓国産ディザスター・パニック!!
ハリウッド映画に多数出演しているイ・ビョンホンと『新感染 ファイナル・エクスプレス』がアメリカでも人気ということでマ・ドンソクもキャスティングされている。『エターナルズ』でハリウッド本格デビューとなるマ・ドンソンではあるが、アメリカでは既に知名度があるという後ろ盾がある状態からも海外市場を意識したことが感じられる。
マ・ドンソクの場合、近年の重圧な肉体派俳優というイメージが強い人は今作てせのキャラクター構造に少し驚くかもしれないが、もともとマ・ドンソクはアメリカでミュージカル俳優として活動していた時期もあり、今作においてアメリカや英語に執着がある設定が、実は本人の経歴とリンクしているというのもおもしろいところだ。
『愛の不時着』『ノンストップ』なども同様で、北と南は、国としては、いがみ合っているが、人間性という点では、実は代わりがないということを描こうしている。
だったら「北を極端に描けばいいじゃないか」という意見もあるかもしれないが、残念ながら海外において北と南の人を見分けるのは不可能、同じアジア人である私たちであっても無理な話だ。
韓国にとって、自分たちのイメージを守るためには、北のフォローをしなければならないという世界に向けたエンタメ業界においては、不思議な関係性が築かれつつある
今作でもイ・ビョンホンが演じているのは北朝鮮の工作員であり、ハ・ジョンウ演じる韓国軍と、共闘と裏切りのリレーを何回か繰り返しながらも、友情と信頼が築かれていく。
繊細な人間ドラマはあまりなく、ツッコミ所もたくさんあるし、核爆弾の使い方はなかなかぶっ飛んだ発想であったが、今作のアメリカ公開時にはポスターなどにも「ディザスター・ブロックバスター」と堂々と書かれており、完全な娯楽大作である。
つまり細かいことを言った方が負けな作品!!
そう思えば、中だるみもディザスター映画にありがちなことだと割り切れるし、Netflix映画の『スペース・ウィスパーズ』のデクスタースタジオによる破壊描写も見応えも抜群である。
私はこれを配給会社からDVDを貸してもらって観たのだが、スクリーンで観るべき映画だし、テレビで観るような映画ではないということからリアル試写にも行きたかったが、タイミングが合わず行けなかった。
それでも、今作が映画館で観てこその映画だということは、痛いほど伝わってきた。