竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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サマーウォーズ越えならず
細田守監督と言えば"仮想世界”。
『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム』『サマーウォーズ』でその印象が強い。
そして今作も仮想世界"U”が舞台ということで非常に楽しみにしていました。
結論から言うと、う〜ん…という感じ…
冒頭は『サマーウォーズ』そのもので、それはそれでテンションが上がり良かった。
主人公すず/ベル(中村佳穂さん)の圧倒的な歌声で始まり、一気に観客を取り込んでいった。
ただ、全体的に話の展開が急というか無理矢理な感じがして、特にすずに全く感情移入することができなかった。
内容を詰め込み過ぎて大切な心情の変化・成長の過程が疎かになってしまっていたなと…
"こういうの面白い!”って広げた風呂敷が大き過ぎて、全然畳めていなかった。
前述で触れた冒頭シーンや母が亡くなった時のすずの表情など、これまでの細田作品を彷彿させるような描写への気付き、お馴染みの積乱雲や赤面したキャラクターは見ていて楽しかった。
今作で自分が1番気になったのが"U”の中にいるキャラクターたちの輪郭線。
今までだと異世界を表現するのに、それらは朱色で描かれている。
もちろん今作もそうなのだけれど、これまでと比べて黒に近いように感じた。
これは異世界がまさに"もう一つの現実”になりつつあるという細田監督の示唆ではないかと勝手に思っている。
第三者の声が多く使われているのも現代のSNS背景を映し出しているようで、『サマーウォーズ』からの時代変化を感じられて良かった。
改めて感想を言うと期待には遠く及ばず。
『サマーウォーズ』越えならず…
応援してる、…って事は
SNSを使ってはいるけれども懐疑的な部分も多く持ちながらな自分などには案外ピタッと嵌まって、存外楽しめました。
チープにも映るお城のシーンなんかも最終的には「なるほどねぇ」でしたしね。それでも皆さんが仰る様に、脚本は任せた方が良かったのかなとは感じました。嫌いじゃないのだけれど空々しいシーンが結構あるし(アフレコ問題もあるかな)、「サマー~」に比べると大人がエア過ぎるのも違和感。やりたい事、言いたい事の為にお話を動かすとこうなっちゃうんですよねぇ、最近多い気がします。
それでも、覚悟と思い、人との距離等々、伝え方はともかく共感させて頂きました。
まぁ、好きなシーンは?と聞かれたら、駅でのドタバタラブコメ、と答えますけどね(笑)。
音楽×○○○
綺麗キレイ
細田守監督らしく、キレイな映像が楽しめた。
ライブ中に水面で泳ぐイルカ、クジラもものすっごく鮮やかに映し出されていた。
しかし、現実世界とU世界の話の展開が早すぎて、ついていけないところもあった。
映画の前編・後編の2部構成にするか、テレビアニメ(映像の質によるが…)でやってもよかったのではと思った。
途中から美女と野獣感を感じてしまい、萎えるところもあった。
それにアザ?マントの柄?みたいなところも最後まで腑に落ちなかった。
何を見せられているのだろう。。。
うーーーーん
歌と映像は皆さんの言う通りとても素晴らしかったです。
でも違和感だらけで色んなことが中途半端で疑問ばかり残るし、まず何故そんな父親との関係がギクシャクしてるのかわからないから父親に対して感じの悪い態度をとる主人公を好きになれない。
サマーウォーズ、時をかける少女大好きだったから本当に残念。
そして皆さんのレビュー見て私の好きな2作品は脚本が違ったということに凄く納得してしまった。
この映画にスタンディングオベーション14分?本当に??映像と音楽に対してってことかな?
カンヌって映画好き…というか目の肥えた人達の集まりじゃなかったのかな?ってちょっと疑問持つくらいガッカリ感が凄い。
映像も音楽も良かっただけに本当に残念。
ツッコみどころは多いが悪くはない
細かい所を突けばいくらでもボロは出るがアンベールしたすずが歌い上げる後半の山場、ラストのオチは説得力あったよ。
途中、竜の正体はしのぶ君じゃないかと危惧したがそうではなかったのは良かった。ウン十億のアカウントが集まる巨大仮想空間なのに重要人物がみんな仁淀川に集まってるなんてのは白けるからね。まぁ相手が武蔵小杉にいるってのもご都合主義な気はするが、赤の他人が正体というのはネット時代らしいオチで良い。
個人的にはペギー・スーはもっと使い所あったんではないかなぁ、と。ジャスティンとかいう『タイバニ』を腐らせたような連中が敵役というのは物足りない。
中盤のウォーゲームをモチーフにした演出は正直シラけた。あそこ削って竜の物語掘り下げたらもうちょっと結末に説得力を与えられたんではないかなぁと。
悪い点ばかり上げちゃったけどU世界の演出や音響は素晴らしい。カンヌが総立ちというのも偏に後半の歌のシーンのおかげだろう。中村佳穂さんの歌の説得力で細かい問題点は吹き飛ばされた印象。
見どころはなんと行っても歌とCGなのでIMAXとかで見るのをオススメします。
この映画がツイッターでは大絶賛されてることについて解説
私も、観た時の感想はここでレビューを書いてる方々と同じ酷評でした。
その後、ツイッターで検索してもらえるとわかるのですが、概ね大絶賛されています!
歌だけでなく、ストーリーも込みで!
これは一体どういうことだろうと思い、多くの感想を読みまくりました。
で、一つの可能性に気づきました。
それは、
「この映画は、新ジャンルであり、既存映画に対するアンチテーゼなのではないか?」
というものです。
まず、伏線が張られていないことや、伏線を回収していないことについて。
これは、「伏線は絶対必要」「伏線が全て回収されている映画は素晴らしい」という映画の原則に対するアンチテーゼです。
そういう新ジャンルなので、これで正しいのです。
例えば、ホラー映画というジャンルを知らない人がホラー映画を観て、「なんで突然幽霊が出てくるの?」とか「なんで車のキーがかからないの?」という文句を言っていたら、「いや、そういうジャンルだから」というしかないですよね。それと同じです。
この「竜そば」の場合も「なんで突然〇〇が・・・」という文句は、「いや、そういうジャンルだから」というしかありません。
そして、一般の視聴者は、伏線なんて気にしていません! なのでこれほど絶賛されています。
(気にしてるのは映画ファンやクリエイターだけ!^^;)
某作品をパクってるという意見もありますが、これも、既存のリスペクトの範囲を大きく拡張した意欲作という見方ができます。
そういうジャンルなのです。
例えば銀魂でこのくらいのことをしても「銀魂だからOK」と思われるのは、銀魂が「そういうジャンル」だからですよね。
あと大人の言動がおかしいことについては、これも「そういうジャンル」だから。
主人公の「心理描写こそが最優先」で、他の要素はむしろ間引くべき、という考え方です。
例えば、ラピュタのパズーが人間離れした動きをしても、「そんな動き、普通の子供には無理だろ!」と怒る人はそんなにいないですし、
シータが大人びたセリフを言っても「子供がそんなこと言うわけないだろ!」と言う人はいませんよね。だって「その方が面白い」から。
竜そばも同じです。 その先に見せたい演出&面白い演出があればOKなのです。
以上が私なりの「竜そば」の解釈です。 如何でしょう?
私の解釈が正しければ、細田監督は新ジャンルを作った天才です。
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追記)
制作開始時、この脚本を読んだスタッフやプロデューサーが何も突っ込まなかったということはあり得ないと思っています。(皆さんもそう思いますよね)
皆が突っ込んだけど、「伏線伏線うるせーよ! だったら伏線なんていらねー! これが俺の映画だ!」
みたいな感じだったんじゃないかと勝手に妄想しています。
で、試写会してみたら大絶賛で、「ほら見ろ!」ってなってこの上映数に至る感じです。
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評価の★は3つにしました。
私には合わないジャンルでしたが、新ジャンルに対する評価です。
竜は誰なのかを期待しすぎた。
僕は、付箋を張るストーリーが好きです。今回は、お母さんが亡くなり、人前での自分の存在を隠そうとするすずの話。Uという世界はサマーウォーズの進化した版。発想はいいし、起承的にはいい滑り出しだったが、転結に向けて最悪の流れとなった。個々のキャラの強さは良かった。しかし、流れが作れなかった。個人的には、お母さんが犠牲になってまで助けた女の子に何か竜との関係性があっても良かった。現実世界で助けに行く様子は、不自然だった。一番の見せ場、すずが自分の姿で圧倒的歌唱力で人の心を掴む場面で、竜の今を何かをもって助け出せるように仕向けた方が鮮やかに終われたのでは?など不完全燃焼だ。あと、監督が言っていたが、美女と野獣を憧れているのは分かるが、マネしすぎて引いた。映像はもちろんだが、歌唱力は、さすがだったし、豪華声優陣で、一気に引き込まれた。
なんで?が多い映画
なんで竜はあの子じゃなきゃいけなかったの?世界何十億ならもっと厳しい境遇の人はいそう。お母さんに助けられた子の罪の意識なら分かる。そもそもなんでそんなに正体知りたくなったの?ライブ邪魔されてみんなが怒ったから?
なんでお父さんと話さないの?
なんでカシミンは渡辺さん呼びからあの短時間に急にルカちゃん呼びになったの?
細かくほんと色々あるけど映像と音楽に注力し過ぎて主要キャラの関係性の厚みとかストーリーの細かいところを疎かにしていて薄い。
作るほどもういいかなと思わせる監督。
観るか迷ったけれど、すっごく良かった!!
先程観てきました。
低評価が目立ち、そんなにつまらないのかと思いましたが
最初の「U」が観れればいいくらいな気持ちで行きました。結果とても良かったです。
淡い青春、好きな歌、もう一つの世界、現実問題。
最後は確かにご都合主義で終わりましたが「助ける」意味を感じました。
私自身ネットで助けられたり、助けられなかったことがあるので、
映画と気持ちがリンクしました。
主人公鈴の心の成長も上手く描かれていたと思います。
主題歌が気になるなら行ってみた方がいいです。私はダメ元で行きました。
「美女と野獣」に似てるシーンは笑いましたが。
はあ、私もベルみたいになりたいなあ...。
ちなみに細田守監督の作品を観たのは初めてなので参考にならなかったらごめんなさい。
ごめんなさい
ネット世界等へのアンチテーゼとなるか!?
どこかで見たような展開、機能しないキャラたち
作品を作るたびに内容が薄くなっている気がする。
●「美女と野獣」「君の名は」どこかで見たような発想ばかり。オリジナリティを感じない。
●冴えない女子高生がネット世界で歌姫になる・・・という内容を広げればいいのに変なバトルや児童虐待が出て、根本が何に夢中になればいいのわからない。
●イケメン幼馴染、学校の美少女、ボート部の男の子、合唱のおばちゃん、職業不詳の父親、元の歌姫・・・たいして展開に貢献していないのにいきなり決め台詞的なことを言う。どのキャラもうまく機能してなくて何のために存在しているかわからない。
●御都合主義で雰囲気で感動させようとしている。いい大人がヒロインを一人で東京に行かせたり、暴力親父は睨まれただけで腰抜かす。
細田作品には新鮮な発想は期待できない。原作ものとか細田監督以外の発想で作った方が面白いものが出来るかもしれない。
映像の技術は高い
観てよかった。
SNSという顔が見えない世界だからこそ、簡単に流される大衆の意見を表現した皮肉さと、それ以上に人と繋がることができる世界、顔を知らない通しであっても生まれる人の想いは美しいことを描いた素敵な作品でした。仮想空間という完全な二次元の世界を描いたけれど、物語は全てリアル。だからこそ見る人は登場する様々なキャクターに自分を投影して見ることができるとてもリアリティが高い作品。
鯨のシーン、歌唱シーン、どれも臨場感溢れる映像で、見ていてとてもワクワクしたし、心が震えました。これはアニメーション映画だから表現出来ることであって、改めてアニメは良いなと思いました。
個人的なハイライトとしては、鈴が東京に向かうバスの中でのお父さんとのやりとり。「君はそれでも優しい子に育った。その優しさを伝えてあげなさい。」余計なBGMは一切使わず、お父さんの声だけの演出。温かく勇気つけてくれる心に沁みるようなお父さんの声がとても良いなぁと思いましたが、エンドロールで役所広司さんだと知り、納得でした。
震えながらも歌う鈴の姿に自分も本当に勇気がもらえました。観てよかった。家に帰ったら、ゆっくりパンフレットを読みながら余韻に浸ろうと思います。
エンタメ映画を超克した細田作品
『竜とそばかすの姫』は社会性とエンタメ性を両立させた、
細田作品の新しい金字塔です。
前作『ミライの未来』は細田監督の「描きたいもの」を描いている印象こそあれ、
個人的にも、そして世間的にも、エンタメ性がイマイチ…
という評価を受けていた側面があります。
前作の反省を生かすべく、今作『竜とそばかすの姫』は意識的に
エンタメとしての映画、を発信してきたように感じました。
世界中の人が集う仮想空間、主人公が住む田舎の風景。
そのギャップを全面に打ち出した本作の予告は、観るものに
『サマーウォーズ』の存在を否応なく意識させるものでした。
エンタメの傑作『サマーウィーズ』という下地を明示的に使用することで、
「原点回帰」を印象付ける狙いがあるようで。
今回はオチでどういうこと?ってならないよ、だから
安心して観に来ていいよ、というメッセージにも感じていたのです。
そんな見立てをしていたからこそ、私は大いに裏切られることになりました。
細田監督は、エンタメへの回帰を果たしながら、それでいてエンタメを超克した作品を
作り上げてきました。
それが社会性との両立です。
本作は物語の大きなファクターにある「深刻な社会問題」を据えています。
これは細田監督作品にとって、著しい転換と言って差し支えないでしょう。
というのも、批判を承知で申し上げますと、
今までの細田作品では作品の「社会性」はそこまで強く
意識して描写されてこなかった側面があると思うのです。
正確に言えば、社会性を作品内に織り込んでいく手法を確立できていない、
という感じがしていました。
象徴的なのが、『バケモノの子』における役所や、本来の父の描写。
行政も家庭も(そして社会も)作品内では大した障壁として描写されません。
バケモノの世界で育った蓮が、長らく離れていた人間界に戻ってくる上での
困難はほとんど描写されず(文字の読解くらい?)
拍子抜けするほど簡単に、現代日本社会に適応し、周りもそれを受容した。
そこに日本が抱える社会的包摂の問題、周縁化された個人の直面する現実を
描く選択をしなかったことは、ご都合主義的だと感じる向きもありました。
私自身、エンタメを追求する細田作品には「社会」の描写に苦心しているように
感じてたのは確かです。
だからこそ、本作で細田監督が真正面から社会問題を描いたことには
大きな変化を感じました。
そして何より称賛したいのが、本作が
エンタメ映画としてもしっかり成立しているというところです。
誰一人、脚本に殺されることがなかった。
ちゃんと面白いです。
社会問題を扱っておきながら、説教臭さを感じさせない、
それどころか爽やかさを感じさせるラスト。
交流を深めた学生たちとそれを見守る地域の方々の大団円。
月並みな表現ですが感動しました。
補足:
前作『ミライの未来』はそう言った意味で、社会問題:子育ての問題と向き合おうと葛藤した(結果、エンタメ性が犠牲になってしまった)過渡期的な作品として今後は位置づけられていくことになるかもしれませんね。
前作からの反動で、エンタメ一辺倒の仕上がりとならないところに凄みがあります。
ただ、予告から『サマーウォーズ』的なエンタメ映画を期待して観に行った方は
その社会性の強さに意表を突かれる作品かもしれません。
友人がこの映画に対して一言「意外と重すぎる」と評していたのが印象的でした。
興行的な成功を見込んでストレスの少ない娯楽を提供する、
という選択肢もあり得たでしょうが、そこで単純に観客に迎合しなかったところに
細田監督の真価を見出すことが出来ると思います。
そんなに悪くないと思うなぁ
正直、待ちに待った「竜とそばかすの姫」だったが公開初日に見る事は出来ず5日目に鑑賞。前日にチケットを買いに行ったら既にパンフレットは売り切れだったので見た人には好評だったのかも?と思いながらネットのレビューを見ると大半は酷評であまり期待しないで観ることに、最初は話の展開も早くて良い感じに思えたけど途中からミュージックビデオ?を見せられてる気分に、主人公すずに都合良く話が進んで行き、人間関係の気持ちの部分で感動とかゾワッと出来なかったのが残念。サマーウォーズ信者なので同じような設定だと期待していたら裏切られた感じになるかもね。ま、映像はそこそこ綺麗だし、細田守監督って鯨が好きなんだなぁと思う作品だった。
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