竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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感動の波状攻撃
お前がっ!・・・泣くまでっ!・・・殴るのをやめない!
没入感の高い仮想空間の描き方が、歌声が、これでもかと私の涙腺を刺激してくる。
もう大号泣ですよ、後半のライブシーンで、ええ。
本作のキモでもあるライブシーンのクオリティが全方位にすさまじく、乱暴な言い方をすればストーリーなんか知らなくてもこの歌唱シーンだけでも鳥肌が立つくらい、予告編で感じた期待感は裏切られることは無かった。
反面、そこに至るストーリーがやや説明不足に感じたのは残念な点
主人公とそれを取り巻く登場人物たちの関係性や仮想空間"U"について、主人公達が起こす行動の動機や心情の変化、様々な場面での"書き込み不足"が目立つ。
割とデリケートな内容に触れているからこそ、細部までしっかりと書き込んでもらえたら…と、残念に思う。
美女と野獣
面白い映画で賛否両論だと思う。私は少し否定側。
細田守監督の「インターネット」を題材とする映画として、私の知る限り2作目の今作は、
良し悪しはあれど、良作だったと思います。
○まず良かったと思った点
音楽が映画館で聴くべきものだと感じました。音楽はこの物語中で非常に重要なものであり、その設定がしっかりと納得できる程素晴らしいものでした。映画館ならではの身体の中心が震えるような音だからこその臨場感は流石と言うほかありませんでした。
また演出が素晴らしく、現実部分を通常のアニメで、作中に登場する「U」の世界を3Dで描き分けているのが素晴らしいと感じました。さらに言えば、現実のクジラにはフジツボが付いているのですが、それをスピーカーに見立てた発想は非常に面白いなぁと思いました。
○少しイマイチだと思った点
ストーリーが駆け足で、心理描写が中盤から分かりづらかったことです。とは言っても全体の流れは面白かったです。
サマーウォーズは勧善懲悪の特徴が色濃く出て、非常に分かりやすい映画であるのに対し、今作ではネットの匿名性や誹謗中傷を題材として人間模様が描かれています。この作品は現代の問題を内包しており、誹謗中傷をしているキャラクターを軽々しく責めることが出来ず、考えさせられる内容だと思いました。
ただ、場面が変わるのが少し早く、あくまで私の意見ですが、キャラクター同士の関係の変化に関して取り残されたように感じました。
また、この作品の賛否両論になりそうな部分ですが、現実世界の自分の価値というのが薄弱であると感じました。一応、「現実でも勇気を出せばなんとかなる」という風なストーリーであり、主人公のアバターの価値が高いからこそのストーリーですが、もっと自分を労って欲しいと思うようなことがありました。
○総評
長々と書きましたが、レビューの題名とは違って、私はこの映画を誰かに勧めたくなりました。それはインターネット社会を生きる私たちが考え直さなければならないような内容が、この作品にはあるからです。誰かをコメントで叩くことが多い現代、自分は正義を持って叩いているつもりが、周りがヒートアップしているから自分もそれに乗っかっているだけである事がかなり多いと思います。この映画は、その気付きを与えようとしているのだと感じました。
それと、作中に登場した高知駅がもう完成度が高すぎてビビりました。
匿名社会での、、、
今作は、今までと比べて社会へのメッセージが強かったように見えた。
匿名での叩き合いとか、身勝手な正義とか、抑圧されたアイデンティティとか、
そういうメッセージを伝えたかったのかなぁ?
オリジンになって歌うシーンは、感動した。
ただ、主人公の周りの学友たちが全然感情移入できんかった、、、、
でも、そこがリアルなのかな?
みんな自分の思いがそれぞれあって行動してるんかな
んー、、難しい。
最初のmillennium paradeの曲が良かったな。
個人的にはサマーウォーズの次くらいに好き。
76/100
作品の良し悪しとは?
一度は見てほしい作品であるのは間違いない映画でした
まず初めにキャラクター達は好きです
流石細田監督、サマーウォーズのキャラクタ達みたいに皆生き生きしていて応援したくなります
くすりと笑ってしまうような描写もあり、あぁこの世界(青春)を味わいたいなと思ってしまいます。
次に歌もかっこよく映像美もすごく、キャラクター達の個性豊かで序盤から引き込まれてしまう
またクライマックスで主人公が歌う姿には感動も生まれるぐらい非常に綺麗だった
ストーリーもあらすじだけ書き出して見てみると中々面白い展開だった
とまぁここまでは良かった点
これだけ書くと良い映画のような気がしてくる
悪い点書く前に自分は美女と野獣が初めてみたディズニー作品で大好きな作品、実写版も好き
オマージュの如く美女と野獣の要素をいれてくれて正直嬉しかったが何故美女と野獣は名作なのかがわかってしまう作品となった
また、グレイテスト・ショーマンなどのミュージカル映画も大好きなので見た直後は歌も良く、もうワクワクドキドキでした……が
ストーリーのテンポというか構成がジェットコースター
歌もよくキャラクターもよく世界観に入りかけていた私は都度現実に戻されてしまいました
何故そうなる?なんで?どして?となること間違いなし、また美女野獣的な展開は名シーンや印象に残るとこだけを抜き出したような感じ、いやいや?ベルと野獣はこういうことがあって、あんな仲になりあのシーンになるんだよ?と叫びたくなりそうでした
そんな叫びたくなりそうなシーンがカットされ、美女と野獣の名シーンオマージュを見てやっぱりなんで!?と叫びたくなりました
またそれ以外にもそうはならんやろというシーンもしくは「早い!早いよ!」と叫びたくなる場面が次々と襲ってきました
これはやばい、特に美女と野獣という比較作品があったのが更に駄目なところを強調してくれる
改めて美女と野獣を見てこの映画の駄目だったところ美女と野獣が良かった点を語り合いたくなる
そんな作品でした
(体験版やあらすじなどのカタログだけみて名作だと確信したアドベンチャーゲーム、ネタバレのシーンを見てめっちゃ面白そうと思ったら本筋だけでクソゲーと言いたくなる珍しいゲームをした昔を思い出しました)
長々と書きましたがなにはともあれ、是非一度は見てほしい映画だなーとは思っています
写真も材料も料理も美味しいカタログやコースの写真を見ても最高のコース料理が味わえるなと思ったらこちらの都合お構いなしに次々と料理を出されて「は?」と言いたくなるそんな映画(コース料理)でした
忍の存在意義
全体的にいろんな要素(サマーウォーズ、美女と野獣、時かけetc)がざっくばらんに混ざった感じのストーリー。ところどころ良いシーンもあって駅でのカミシンとルカちゃんのやりとりやお父さんとのラインのシーンなんかは細田守作品ならではのシーンだった。
ひとつ大きく不満だったのは幼なじみの忍の存在
鈴の見守り役みたいなポジションで「なにか困ってない?」といつでもお金貸してあげるよおじさんみたいな事を言ってるくせに全然ストーリーに絡んでこず挙げ句の果てにラストシーンで「これで鈴のことちゃんと同じ目線で見れるようになったわ」と何もしてないくせに謎の上から目線で「お前はもう俺の手助けなしでもやっていけるな」とでも言いたげなクソ上司みたいな発言でもう消えてくれないかとも思った。
前半のストーリーはこいつとの恋愛要素があって学校内でけっこうモテてる設定なのだがどこが良いのかまったくわからんし鈴も幼い頃に「俺が守ってやる」とプロポーズされたと勘違いしたまま好きなってるだけで結局勘違いで好きになってるのでこの辺りは観てて全然ストーリーにのれなかった。
ストーリーの流れはしっちゃかめっちゃかでキャラも現実世界とUの世界で実はこのUは現実ではコイツでしたーみたいなのも無く薄い内容だが細田守らしいコメディさやハッピーエンドへの強引な持っていきかたは嫌いじゃなかった、ただ忍の存在この作品唯一の醜さだ。
自分を見ていてくれる誰かが居るんだなぁというお話
いい作品を見られたなぁ。
監督の書きたいシーンはここなんだろうなという熱量を感じることが出来ました。
すずにとっても、竜にとっても、人並外れた能力は現実世界で受けたストレスやトラウマといった抑圧された感情の発露でした。
この2人がお互いに惹かれあったのはお互いに孤独を抱えていたから。なんて言ってしまえばありがちなストーリーに聞こえるけど、これは孤独を癒す物語ではなく、孤独だと思っていても実は寄り添ってくれる大切な誰かがいるよっということに気付いていくのが主題だと思いました。
それはすずにとってはしのぶくんであり、ヒロちゃんであり、コーラス部の大人たちであり、お父さんだった。
歌を通して抑圧された自身を解放する中で自分の周りに自分を見てくれる相手が居ることを理解していく。
そんな中で、仮初の自分を捨て去っても、自分が誰かに寄り添えるような人間にすずは成った。
基本骨格にあるのは美女と野獣。それを元に恋とは違う愛情でお互いの殻を砕いていくそんなお話でした。
今作、面白かったです。
……しのぶくんあざといくらいカッコよかったな。
2回は観るべき!
悶絶するほどにダサい90分を耐えた後にやってくる地に足が着いた展開でギリギリセーフ!夥しい協賛が浴びせる打ち水に夏を感じる高知県版バチモン『美女と野獣』
舞台は近未来。高知県いの町在住のすずは父と二人暮らしの高校生。物心ついた頃から歌が大好きな女の子だったが幼い頃に母を亡くしたことで歌うことが出来なくなり、親友のヒロ以外には父親にさえ心を閉ざしていた。現実に何ら希望を抱くことが出来ないすずだったが、ヒロの誘いで全世界で50億人以上が参加しているという仮想世界<U>に、“ベル”として足を踏み入れる。<U>の中でなら歌えることを知ったすずの歌声はヒロのプロデュースで広く知られるようになり瞬く間に世界中に知られる存在となる。そして満を辞して企画されたベルのライブパフォーマンスが全世界のファンが集まった<U>の特設スペースで始まろうとしたその時、会場内に不審な人物“竜”が自警集団ジャスティスに追われて乱入、イベントが中断されてしまう。背中に痛々しい傷を持った“竜”の姿が気になって仕方がないベルは手探りで“竜”の後を追うが・・・。
まず気になったのはサウンドトラックの音に立体感がかけらもないこと。仮想世界が主な舞台なのに空間的な広がりが音で感じられないのは大きなマイナス。<U>のビジュアルも既視感しかないもので、地平が存在しないことで独自感を出したつもりかも知れませんが『スーパーマリオギャラクシー』みたいな箱庭感しかない。だいたい50億というユーザーが跋扈する空間の規模感がちゃんと咀嚼されていないからせいぜい大宮駅周辺くらいのスケール感しか感じられない。トラウマで歌が歌えなくなった主人公の作品としては先に『心が叫びたがってるんだ』がありますが、歌おうとすると嘔吐してしまうほどに深く断ち難いトラウマから抜け出すための通過儀礼が本作にはごっそり欠けているので、何にもない閉鎖的な田舎に歌が壮大なカタルシスをもたらした『心が〜』に対して、こちらでは歌が何にも表現できていないことに絶句しました。あとこれはダメな邦画が陥る悪いクセですが、安物のファンタジーほど生まれつきの才能等都合のいいデフォルト設定に頼ってロケットスタートを切るので作ってる側が期待しているほどのドラマは観客には伝わらない。それは100%演出側のチョンボですが、そういう袋小路に入っていることの原因を自らに求めないからとにかく演出意図を別の形で説明しようとする。その結果ナラティブな台詞だらけになりせっかくの映像もサウンドもただの添え物になる。壮絶な手間をかけて製作されるアニメでそれをやってしまったら元も子もない。だいたいベルがBellじゃなくてBelleになっていることの意味は冒頭のタイトルロールを見た瞬間に観客に解ること、イチイチ説明されるとバカにしてんのか、コラ?と襟首の一つ二つ掴みたくなります。
そんなこんなでざっと90分間は一体私は1600円(ユナイテッドシネマの会員デーだったのでIMAXなのにこの程度のダメージで済みました)も払って何という幼稚なものを見せられてるんだろうと自問するほどに噴飯物の映像とサウンドとセリフを霧雨のように浴びていたのですが、ここから先は一転地に足がついた展開、というか小学生には解らないんじゃないかというような辛辣な展開になってまあ元は取ったかな程度のカタルシスは得られました。しかしそれだって決して褒められたものではなく、そんな偶然あるわけねえだろ?とかシンゴジラかよ!とかツッコミが腹の底から湧いてくるのをギリギリ堪えたから感じられたもの。何だか聖地巡礼を期待しているかのような目配せが押し付けがましいなと思ったらエンドロールに川村元気の名前を見つけてベルの歌声ではなくAdoの歌声が脳内で木霊しました。
だいたいそもそもあからさまに『美女と野獣』をやりたいというのをバカみたいに前面に出していたのに封切りから一週間経ったところでコロッとポスタービジュアルを変えるという優柔不断さにも眩暈がしました。山ほど協賛会社を集めてきてリスクを打ち水のように仮想世界にばら撒いた大作アニメですが正直IMAXで観る価値はこれっぽっちもないので、そこは全部『ブラック・ウィドウ』に譲って欲しかったというのが正直な感想、私は一応満足はしましたが『サマーウォーズ』が大好きな人には怒られるやつだと思います。
映画館で見るべき映画
ストーリー自体には色々難あり。東京行ったけどあれで兄弟を救えたの?(戦う勇気を与えたということかな)仮想世界の技術があんなに進化してるのに日常生活は相変わらずなのね、などなど。
「この映画は映画館で見るべき!」というコメントはよく見聞きしますが、この映画こそ大スクリーンで観て、そして良い音響で聴くべきだと思います。作品の魅力の一つは映像美、そして最大の魅力は主人公の歌声だと思います。美しくて、透明で…言葉が見つからない。とにかく魅力的。ミュージカル風だという批判もあるようですが、美女と野獣へのリスペクトが作品の根底というのを事前に聞いていたので割とすんなり受け入れられた。それより、ミュージカルチックになると「あの歌声がまた聴ける」とテンションが上がりました(笑
未来のミライ、バケモノの子超え
音楽ってイイね
正直、ストーリーはリアリティ面で不満が残る。
創作物なので、あまり「リアルじゃない」とか言い立てるのは好きではないんだけど。
最後の虐待してた親が鈴ちゃんの迫力に押されたのかな?で引き下がったりとかはう〜ん…てなる。
とか、取り敢えず助けたけど、その後どうなるんだろ?
14歳と弟くんはどう生きていくんだろ?とか。
それはそれとして、映像と歌はとても良い!
特に歌はストーリー序盤の鈴ちゃんがベルになって最初に歌えるようになったシーンで何故か涙が出てきた。
鈴ちゃんがトラウマを払拭し始めたからとか、シーンとしての説得力で、と言うよりも単純にその歌声でという印象。
普段あまり音楽聞かないし、音楽で感動する瞬間って経験した覚えはあまり無いんだけど、切なさが募ってくるっていうのかな?そんな感じ。
やっぱり、音楽家って人の心を揺さぶる力があるんだな〜って思えた。
なかなか面白かった
細田さん=青春・思春期なイメージあるのでそこはブレない?感じはありました。青春してるぅ。
もうちょっとUの世界に関わる壮大な話になるかと思いきやそうでもなかった。(そらそうだ)
やらない善よりやる偽善といいますか根本解決には至ってないが動いたことが主人公たちにとっては重要なんだろなぁと。すっきりしない終わり方ではあるんだけどなんでも白黒つけるばかりじゃなくても良いなぁと思わせてはくれました。こういうのも有り
後日談的なのはないので今後どうなったかは想像とか考察して楽しんでねってスタンスかな?
設定はちょっと気になるところがちらほらと。所々はオマージュと言って良い?って感じの演出そしてそこはとなく感じるディズニー感。
ストーリーは初回で見る限りではわかりやすい。(奥深いとかはわかりません)
主人公の親友がなかなか【イイ】性格してる。
劇場で2回目見たい!というほどではない作品でした。
今後配信されたらまた見ようかなーという感じです
ミュージカル好きな人だけ
サマーウォーズの世界のリメイク?
美女と野獣好きな監督の想い?
レディプレイヤーワン?
中身は今まで見た事があるストーリーのツギハギだらけの内容で
クジラと入道雲を出すというこだわり?
誰かちゃんと意見してあげようよ
Uの世界
細田監督のUの世界、自分も入ってみたくなりました。私のアズがどのような姿になるのかも知りたいです。ベルの透き通った歌声も圧倒されました。ストーリー的にはどんどん自信を持つ鈴がとても頼もしかったです。私的には兄弟が最後きちんと幸せになれる所まで描いて欲しかったです。
世界観はサマーウォーズ
前半はなんだか乗れない話だったが中盤から後半はやはり細田守監督作品、感情の載せ方がうまい。歌も前半は多すぎの用に思えたが後半の歌パートははもっと聞かせてと思うほどに。
テーマはサマーウォーズと同じ。バーチャルでは無く現実が大事。今作はよりテーマが分かりやすく、深くなっていた。
結局匿名のネットの中では人間だめになるって話のように思う。
コロナに五輪 モヤモヤした今夏にぴったりの爽快映画
細田守最新作!
高知の田舎のそばかす女子高生、実は50億人がアカウントを持つ仮想空間Uの新人歌姫Belleだった。
そして、Uの秩序を乱す邪悪な存在、竜。
竜は本当に悪なのか?
Belleと共に彼のオリジンを探すひと夏の冒険。
いや〜、面白い!
何がって?1番は皆さんの評価の割れ方ですよ。
「いや、OZやん」「美女と野獣まんまやん」「所々の設定ガバガバやん」
実際私も少し思いました。が、とりあえずそれは置いておいて…
細田守作品は『サマーウォーズ』しか観たことないので大きな声では言えませんが、細田守史上最高傑作との声にも頷ける作品だったと思います。
なんといっても、映像と音楽の美しさはピカイチ。
オープニングのUの説明ライブシーンで完全に心を掴まれ、世界観に吸い込まれました。これはIMAXで観た特権かな?
現実の世界と仮想現実のUの世界の対比。
さまざまなギャップが高揚感を掻き立て、夏にぴったり爽快感MAX。
細田守お家芸も詰まっていて(改めて言いますがサマーウォーズしか観てません)、ワクワクどんどん世界観に引き込まれていく。
うわー、すごかったぁ!と思いながら劇場を後にするその最中、50億アカウントのごとく押し寄せるあらゆる「違和感」の波。
「あそこご都合主義だったな」「あれはおかしい」…etc
でもね、知り合いの方の言葉を借りると「ラストライブのシーンで帳消し」なんですよ。本当に。
感動のフィナーレで壮大な音楽流して涙を煽る。
御涙頂戴のお決まりパターンではあるけど、それでいい。
中村佳穂さんの優しく包み込むような歌声。
理由はわからないけど大号泣してしまった。
サマーウォーズであり、ナウシカであり、美女と野獣であり。
現代のネット最重要問題である誹謗中傷。
OZでは描けなかった、より深い部分のインターネットが描かれていた。
棘もあり、優しさもあるそんなSNSという巨大な生き物。
正義も悪も存在しない。視点によっては誰もが悪にも正義にもなり得る。
アバターにアカウント、みんな仮面の下に本当の顔を隠している。
伝えたい思いはしっかり伝わってきましたよ。
早速この作品のレビューも、賛だろうが否だろうが受け止めてみよう!
誰もが見ている世界の誰も見ていないおはなし。
サントラ欲しい、、、
評価が分かれる理由
今作のテーマは「インターネット世界のリアル」なのではないかと感じた。応援、批判、信頼といった人と人との関わりがネット上ではどのように行われているのかがよく現れていてとてもおもしろかった。
曲の完成度が素晴らしく、動きのパートと歌のパートがしっかりと分けられているためミュージカル映画の一種として見るには完成度が高いように感じられた。その一方で、要素が多く詰め込まれていたせいか物語としては少しまとまりがなかったように感じた。ネット上での評価があまり高くないのは納得できるが、過去の細田守監督やスタジオ地図の作品と比較しなければ星4には値すると思う。
3D技術が多く使われていたため最近のディズニー映画のような印象を受けた部分も多かったが、Uの世界と現実世界を描き分けるために技術を使い分けていたと考えれば、新しい取り組みとして評価できると思う。
まあまあだった
アプリのUの世界がめちゃくちゃで、運営がなってない。ネット世界の現実で虫とか動物みたいになっている人らはどういうつもりなのだろう。一方で美女がいる世界で、それをよしとするのはどうなのだろう。竜の背中の痣と言っていたが、マントの模様にしか見ない。
ベルの顔の圧がすごくて好みじゃない。目頭切開してそう。自警団みたいな連中の正体は子ども部屋おじさんの引きニートなのだろうと思っていたら明らかにされなかった。歌も好みではなく、主人公の女の子から自然に出て来る感じがしない。児童虐待がとってつけたようで、エンターテイメントの出汁にしていいのか、深刻に悩んでいる人はムカつかないだろうか。竜の正体の少年が主人公に恋をしたらどうするのだろう。
新しい価値観を提示してくれるのかと期待したのだが結局、ネットの世界でも才能があって人気者で称賛されることがよしとされており、現実と大差ない。チャンスが広がっているくらいだ。
お母さん、人助けは立派だが、川に行く時は天気予報くらい見てから行って欲しいし、子供用の救命具がなぜないのだ。しかも子供に着せず、着ている自分が抱く方が安全ではないのか。主人公のすずはお母さんを亡くしてから心を閉ざしているとのことなのだが、それほど暗いわけでもなく、健やかですらあり、お父さんにのみ心を閉ざしているのが何か変。カラオケでたくさんのマイクを突き付けられるのも変な場面で、あんなにたくさんのマイクをカラオケボックスで使うか?
今回も好みではなかったが映像は美しかった。表現や物語に対して心が薄い印象だ。
今作のテーマ
この作品の一番のテーマは『母の死を乗り越えること』だと思います。
「なぜ母は自分をおいてまで見知らぬ子を助けて死んでしまったのか」という問いに答えを見つけられず、母を止めてくれなかった父親への感情も消化できずにいる鈴。大好きだった歌も母の想い出が蘇ってきてしまい歌えない。
そんな時に親友のヒロから勧められた仮想世界U。母への想いを“歌”という形で解放し、人気が爆発する。そして竜と出会い、集団の批難を意に介さない(ように見える)、自分にはない意思の強さに興味を惹かれ、その奥底に苦しみがあることを知り共感する。
鈴は「口では心配そうな振りをしていても、本当に助けにきてはくれない」という恵(竜)の言葉をうけて仮想現実から本当の自分をさらけ出し、一人で現実世界の恵を助けに行くことを決心する。小さい頃から鈴を見守っている忍やヒロ、合唱団、鈴の父は危険を承知しながらもその想いを汲み取って見送る。そして恵の父親との対峙を通して、鈴は母の気持ちに触れ、母の死に向き合えるようになる。
賛否が分かれているのはミステリー要素かと思います。母が子どもを助けに行った理由はもちろん、小さい頃の鈴の歌について具体的に示されないので、なぜ忍や合唱団が‘’BELL‘’であることを理解したかがわからない。また、合唱団と母、そして合唱団と父との信頼関係も終盤になってさりげなく示される。母への気持ち、竜への気持ちも事象ではなく歌によって表現されている。
それに50億のアバターから見つけるのも、それが日本人であることも出来すぎではあるでしょう。ただ、その奇跡も含めて一つの映画作品として楽しむことができました。
最後に恵と父親のその後ですが、私は警察への通報などはしていないと思います。「本当に助けに来てくれる人がいる」ことを示すことが恵にはこれから父と向き合う上で大きな助けになりますし、恵の父親がおびえていたのは恵を守りぬくことを決意した鈴の揺るがない覚悟を感じ取ったからだと思います。
この作品を映画館で観られて本当によかった。
全1520件中、1041~1060件目を表示








