竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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評価4以上じゃないとおかしい
3.2の平均評価は、あてにならない
映画評論家じゃないから、評価の視点がずれているかもしれません。が、観て良かった映画。特に情報をいれずに鑑賞。
音楽、映像が素晴らしい。
伝えたいメッセージもあり、上映中に泣きました。
もう一度観たい映画。
想像以上にベルの唄が良かった
物語<映像+音楽
冒頭から細田守監督らしさたっぷり、丁寧で細やかな描写と音楽に引き込まれました。映画館を出た後もララライララライと口ずさんじゃいました〜(笑)
物語としてはそこまで難解ではないと思います。人は見た目も大切だけれども、それだけで全部が決まるわけではないこと、1対多という集団意識の恐ろしさ、様々な形の愛、登場人物のUを通した現実世界での成長、などなど。現実世界とU、別世界の繋がり?共通点の描き方もとても面白かったです。
端々に、甘酸っぱーい!感じの恋愛模様が描かれており、ニヤニヤしながら観ました!
Uの世界になにも魅力を感じない
ストーリーについては賛否両論あって、いろんな方の意見が合ってなるほどな~って思ってました
自分が気になったのはUの世界に魅力を感じなかった点とデバイスの整合性のなさです
冒頭の世界観見せるためのUは、なるほどな~こんな世界で、アバターでなんかしてんのかなって感じで面白そうだったけど
結局、最後まで一列に並んで進んでいるかベルに群がるモブたち、歌を聴く以外にあの世界で何ができるのか意味不明
竜が有名になったという武道大会の描写もなんのもない
Uの世界で攻撃されると実際の痛覚にダメージを受けるんでしょうか、そういう説明ないけど、だとしたらみんなごっこ遊びで痛がったりしてるんでしょうか?逆に本当に痛覚を感じるとしたらそんな危険なシステム国や業界が認証しますかね?耳にイヤホン刺してるだけで、そこまで感覚持っていかれたらいろんな犯罪の元になりませんか?
竜の城はどやって作ったんですかね?自分でコツコツつくっていったのかたまたま見つけたのか、なぜ他から隠ぺいされていたのか?竜とクリオネを守る妖精みたいのが関係してるっぽいけど、よくわからない、美女と野獣のマネ以外でほぼ意味が無いギミック
アバター事に家が持てるとか、こういうことができますとか何の描写もないから竜の城だけ??ってなりました。
演出上仕方ないことかもしれませんが、ベルが尋問受けてたり閉じ込められたりするけど、都合悪くなったらログアウトすればいいだけですよね、ログアウトできない権限とか持てたらビームの何倍もやばい
細田監督はオンラインゲームとかバーチャルの一切やった事なく、なんとなくSNSを具現化したんでしょうか、ウォーゲーム、サマーウォーズのネットの方が魅力的だった気がします。
最初のナレーションにあった「現実ではやり直せなくても、Uの世界ならやりなおせる」 って全然 話の締めともかかってなくて、いつもの細田監督っぽくないなぁと残念に思いました
否定的な意見も多く見られましたが、すずたちの青春コメディのパートは割と好きでした。
サマーウォーズの2021アップデート?
1.映像:素晴らしい
2.音楽:かなり良い
3.脚本:脚本家はこれで満足してるの?
4.美女と野獣:リスペクトしすぎ
5.サマーウォーズ:アップデート?
6.総評
サマーウォーズを見ていなければ星3.5。作品としての完成度は前作のほうが上。
とにかく2時間見せる力は、今作の方が上だが2度3度の鑑賞に耐えるか未知数。
観客に解釈を委ねるのは良いが、少々丸投げ感が高い。
なんかなぁ
途中感じた「美女と野獣」感
告白のシーンが湯浅正明さんを彷彿とさせる
「U」という世界の設定が雑
ディーバになるの早い
ネット世界で全世界設定かと思えば国内で解決
すずと周りの環境をもっと描いてほしい
ディズニーのようなミュージカルアニメーションにしたいのかなと思いきやただ歌うだけで、ストーリーのテンポ悪い
一番引いたのはお父さんが応援するところ名前を呼ばすキミというところ。
歌う場面やネット世界の2D、3D表現は良かった
しのぶくんはかっこいい。
以上
いまいち
ストーリーに入り込むことができなかった。
Uの世界では華やかな場面が多いが現実の世界の描写は最初の30分くらいずっと暗く、つまらないと感じた。
また、無駄な描写が多い。ルカとカヌーの男の子が駅で話すシーンが長いのは何のためか分からない。
他のアバターはみんな動物だったり不思議な生き物なのに、なんですずだけ人間なの?ルカよりも綺麗になる?
クラスメイトがすずの悪口を言う描写も謎。
なぜ竜の正体を知りたがるのかも謎。すずが好きなのは竜なのかしのぶなのか分からなかった。
竜の正体を見つけるのも早すぎる。ビルを見ただけで特定できるのかな。
お父さんからの言葉は泣けたけど、面白かった!とは言えない。
アニメって凄ぇな…
現実は変わらない。
でも、世界なら変えられる。
実に興味深い脚本だった。
まるで精密な腕時計の中身を見てるような構成で、綿密に用意されたマテリアルが流麗に機能していく。
傑作、なのだろうな。コレは。
仮想空間というか、実態のないネットの世界観を物凄く端的に捉えているような気がしてる。
その自由度の高さも、悪意が発生する要因も。
そして、その可能性も。
色々と都合の良い事は起こりはするが、ソレはソレとして不問にしてもよいとは思う。
なんちゅうか…凄く辛辣な脚本だとも思うの。
仮想空間を満喫しようとも、現実からは逃れられなくて…「人生をやり直そう」なんて事は出来やしないし、その類いの謳い文句に、つい期待をしてしまう僕らのなんと虚しい事か。
ベルの容姿にしたってそうだ。
ベルに匹敵する美貌のキャラが誰1人として出てこない。どころか人の形を為してない者までいる。監督はこの虚構の世界に「魂の形骸」を見てたのかとも考える程だ。外見上、人と認識するに難しい生き物で溢れ返ってる世界なのだ。
見事に整備され画一化され統制されてる世界に蠢く、人の形を成さない人に類似した生き物たち。
かなり攻撃的なアプローチに思う。
そんな中、悪として排除されようとしている「竜」
盛大な口撃。無数に投稿される吹き出し。
でも、俺には何故彼が「悪」なのか分からない。
でも、その世界の大多数は彼を「悪」と認識してる。一部の人間が声高に彼を責めてはいる。だが、それだけで実害を被ってる訳でもない。
扇動と同調をこうも単純明快に見せられるとは思わず、溜息が出る程見事だ。
「今、あなたが抱えている怒りや憎しみは、本当にあなたの中から発生しているものですか?」
そんな問い掛けが聞こえてきそうだ。
仮想空間で発生する「正義」
そういうものはあるのだろうなと思っていたけれど、今作を見て疑問にも思う。
そもそも、現実ではないのだ。
その現実ではないものに、現実を持ち込んで意味があるのか?もしくは、現実と紐付ける価値観と信憑性を存在させるべきなのか?
正義なんてものは普遍性があるものではないぞ?
作中でソレを振り翳す輩のなんと傲慢な事か…。
…とはいえ、実際に人は死んでいる。
最早、別世界と思っても良い世界とリンクしている。
させすぎている。
「匿名性があるから人の本性がでる」
どっかの専門家なり評論家が、そう意味付けた。
そして、それを僕らは鵜呑みにしてしまう。
何故?に対する答えに的確だと判断してしまった。
本音が氾濫する世界。
そう思い込んでしまった世界が、現実を侵食してる。
「人が3人集まれば戦争が起きる」
そんな格言を残したのは誰だったろうか?
異世界と区切りをつけきれなかった制約の無かった世界。人の業の深さを垣間見る。
ベルが「歌姫」と祭り上げられる経過にアイドルの変遷を垣間見たり…。二面性が無いと思いたいのは、その偶像に妄執する者達だけで、ベルが鈴であったように、偶像はただの偶像だ。
本来あるべき内側から目を背けたかったのは、お前らだろうが?でもそれはおそらくならば、アイドルだけの事ではない。人は「見たいものしか見ない」のだ。
理想なのか虚像なのかは知らんが、見たいものを見ようとする。きっとソレは自己防衛の一種でもあると思う。写真週刊誌やワイドショーに踊らされっぱなしでいいのか?いい加減、目覚めろ。
…とまでは言い過ぎか。
ベルが歌う姿には、何故この世界に歌が必要であるのかの本質を見たような気にもなった。
彼女は作った事もないラブソングを作ろうとする。
鼻歌がメロディーになり、やがて歌詞が付随する。
彼女の心が、言葉となって現れる。
どこぞのアイドル達が、金儲けの為にやる行為ではない。群衆に迎合するでもない。売れ筋のメロディーラインを踏襲するでもない。
ああ、こうやって歌は生まれ、アイデンティティを確立していったのだなぁとしみじみ思う。
鈴として歌うシーンは圧巻で…映画を見に来たのに聞き惚れてた。
物語は、原色に彩られた世界と同時に、消耗されていく現実をも描く。
変化し、過ぎていく明確な時間が存在する世界。
そこには目を背けたくなる事柄も、平然と至極当然のように存在する。
仮想空間に逃げ込もうと、現実からは逃げられやしないのだ。そこで生きていく限り、全ての事は自らが行動していかねばならない。
前足がない犬も、しかり。
虐待を受けている兄弟も、しかり。
美しさだけが際立つ世界ではないのだ。
その虐待を受けている兄の言葉も鮮烈だ。
言い訳のしようもない。
ホントにその通りだと思う。難しい問題ではあるが、自己肯定感を満たした所で彼らは救われない。マニュアルに沿ったところで解決はしない。
鈴は、ネットを介しその虐待されている兄弟達の元へ行く。父親を非難するわけでもない。彼らをただ抱きしめていただけだった。
実質的な解決方法を提示したわけでもないのだと思う。何が出来るわけでもない。ただ、あなた達を孤立させはしないと、寄り添う事は出来るのだと思う。
鈴にしたって、兄弟達にしたって、結局のところ現実を打破していくのは自分達なのだから。
ただ、彼女は顔から夥しい血を流しながらも、父と対峙し無言を貫けたのは、ベルとしてではあるが人々から肯定された経験があるからなのだろうと思う。
そして、彼女は母親の死後、トラウトとなり歌えなかった歌を歌う。
現実は変わらなくても、彼女の世界は変わる。
歌えなかった世界から、歌える世界へ。
父親と話せなかった世界から、話せる世界へ。
そんな事を漠然と見ながら、考えれてしまうアニメって凄ぇなあーってのがレビューのタイトル。
「町田くんの世界」って作品でも、同じような感想を持ったな。あっちは実写で切り口も随分と違うけど。
オープニングの派手な演出と歌でツカミはバッチリだし、結局、忍君のアバターは不明だったり…意味深なクリオネは意味深なままだし。
ツボをしっかり押さえた演出だったなぁー。
竜の城がなんで存在できるのか、よく分からなくはあるし、現実の写真をデーターとして反映できてるのも何故だか分からないが。
監督が言う「現代だからこそ、やる意味も意義もある」ってのは十分伝わったような気はする。
夏休みの締めに打って付け
映像と音楽のみ良、シナリオには疑問符
歌が上手い!そして、それが作品の成功を決める内容だっただけに 何か...
歌が上手い!そして、それが作品の成功を決める内容だっただけに 何かが足りない。 DVも描き
被害者の内面もバーチャルで表現 でも弱い なんだろう 緻密さがない これは未来バーチャル SFつまりファンタジーなのだが そうなると その世界の作り込み そして、不変な人間の心模様 これらのリアルさがSFの鍵だと思う 詰め込みすぎたのか 竜の心 鈴の心の傷に吹奏楽の女の子とカヌーの男の子の恋愛が入って 鈴を見守るスター男子 ママさんコーラス これらがストーリーに絡み合っていないように思えた。さらに友人のオタク女子がもっとユニークだとエンタメとして生きてくるのに と好き勝手に書いたけど キャストが絡み合い 生きてくる それがなかなか難しいからこそ そんな映画に出会えた時がとても嬉しいわけだが‥ この監督 名前は前から聞いてたが初めて見ました。 爽やかな世界は嫌いではないです。
これ久しぶりにimaxだったけど なんか小さく感じたなあ こっちが慣れてきてしまったのかな
Wasted money
<細田守監督ファンの皆様すみません。
以下あくまで個人的な感想ですのでご了承ください。>
ここまでもはや怒りを覚えるレベルの作品は個人的に初めてです。
細田守監督作品が度々話題になってるのでどんなもんかと、、
結果観る価値なし。
ネームバリュー強めで勝手にハードルが上がって見事に裏切られた感じです。
今後この監督作品観ることありません。
もうね、訳が分からない。
ストーリーどころか、不必要且つただ不快でしかないシーンが多すぎる!!!
そして特になにもない不必要な登場人物の多さ。
のくせいちいち長いんです、、。
SNS上の世界で一人の男に勝手に興味持ち、皆で寄ってたかって身包み剥がして、挙句の果てに家にまで行ってただ大好き!と伝える鬼畜なホラー映画です、。。w
それを美女と野獣風にオブラートに包んでお涙誘いの歌でごまかす。
なんとなく伝えようとしていること分かるが、
ほんとに最後まで訳が分からなかった。
僕にはこの監督の作品は向いてない。
お金勿体なかったな。
ベルサイユ宮殿
こういう作品は、映画館の大スクリーンで観ないとダメだろうなと思って鑑賞。
そして正解だった。
自分はアートが観たくて鑑賞しており、ストーリーには全く期待していないので、映画「えんとつ町のプペル」同様、つまらなくても、不自然すぎても気にならなかった。
映画「美女と野獣」のパクリが言われるが、その他にも映画「パプリカ」や、お城の外観は「カリオストロ」や「ラピュタ」や「ハウル」を取り入れており、またジャスティン一派は石ノ森章太郎のアニメキャラのようであり、いろいろと“勝手に総決算”(笑)をした映画なのかなと思って観ていた。
CGそのものについては、マシンパワーがあれば、キャラクターや“紙吹雪”をわんさと散らすことは容易であろうから、この“物量作戦”には自分は感心しなかった。
ただ、これだけスクリーン一面に色々とゴチャゴチャ敷き詰められているのに、決して見づらくないのは、構図や色彩設計が素晴らしいためではないかと思う。
現実世界の背景画の描き込みは、こだわりを感じた。びっしりと隙がなく、美しかった。
「貧すれば鈍する」とばかりに元気のない日本であるが、文化というのは、そういう“しみったれた”世界からは決して発展しない。
文化とは“余裕の産物”であり、ある意味、貴族的なのである。
本作の賛否はともかく、細田監督が“集金力”のある「ルイ14世」であることは確かだ。
エンドロールを観ると外国人の名前もあるが、日本人の名前が圧倒的に多い。「ルイ14世」のもとで、クリエーターがチャンスを得て羽ばたいて、豪華な「ベルサイユ宮殿」を作ったとすれば素晴らしいことだ。
2回目はもっと泣けた
親は利害得失やエゴを越えて我が子を守ろうとする存在だが、鈴の母親はその外側にいた他人の子を助け、しかも自分は死んでしまった。そんな母親の行動を理解出来ず、長い間苦しみ続ける鈴の姿が丁寧に描かれていた。Uで得たもの全てを投げ捨ててでも知らない他人を助けたいと行動したその果てで、鈴はやっと母親の思いを受け入れることが出来たのだなと感じた。家族の物語であると同時に、鈴が解放されるための物語でもあったのかな。映像美と歌声に魅了され、展開に涙が止まらなかった。
力でねじ伏せようとした脚本
音楽、映像、プロモーション、全てが超一級だと思いました。ただ脚本をのぞいて。
CMを見た日から、公開まで指折り数えて待つくらいでした。
秀逸なプロモーションだったと思います。
あの歌声の持ち主は誰なの?と、ベルのようにみんなを夢中にさせて、公開前から既にエンタメとなってました。
そしてドレスのデザインを筆頭に、違う畑のプロを巻き込んで作り上げた世界。
素晴らしかった。発想、技術、経験etc…例え天才でも一人では絶対につくれない世界でした。
個人的にドレスのデザインは特に楽しみにしてたので、映画館で見れて嬉しかったです。
これを叶えるネームバリューと会社の力。夢のような作品だと思います。
そうしたとてつもないパワーを使って、ゴリ押ししようとした脚本。
音楽、映像で圧倒させて、脚本の不完全さを隠そうとしてませんか?
この脚本は、他の方々が心血注いだ仕事に見合うものになっているんでしょうか?
言葉は悪いですが、監督という権力を使って全てを利用しているように見えました。
そう思うこと自体、関係者の皆様に大変失礼なことだとは思います。しかしどうしても、その印象が拭ませんでした。
また、社会問題を扱いたいのか、色んな立場の人が映画には出てきました。
しかし実際の当事者にきちんと寄り添っているとはあまり思えません。
そういう「演出」として利用しているような雑さでした。
脚本がひどいだけならまだマシと思える無神経さです。
青春の1ページみたいなシーンだけは王道で安心して観れました。
すみません。
色々と言葉汚く書きましたが、言いたいことは脚本はプロに任せて、です。
もし自分で脚本やりたいなら、大衆向けなんか作らないほうがいい。どう考えても細田監督の性質と合わない。
青空のなか、陰鬱で凄惨な物語がはじまる方が合ってます。
陰キャに陽キャの話は作れませんし、倫理観ズレてる人は一般的ないい話を作れません。
本作の精神性の比較、およびミステリー性について
日本における本作の評価が賛否両論であることへ疑問を感じたことを記録したい。
ご存知の通り日本における現在の歴代興行トップは、「鬼滅の刃」無限列車編である。
この作品が観客の胸を打つのは、煉獄杏寿郎の自己犠牲であることは同意いただけることだと思う。母の言葉「弱き人を助けることは強く生まれたものの責務です」を忠実に実行し、自らの生命を犠牲にして他の死人をださなかった。この結果に主人公だけでなく、観客もまた落涙する。
この能力ある者による自己犠牲の責務は、珍しい描写ではない。例えば、ジャンプ漫画であれば、ドラゴンボールの孫悟空はこの精神性を体現するキャラクターである。勝利に固執するベジータに対して、守るために力を発揮する悟空。2人の対比は作品全編を通しての核となっている。西洋においても、ノブレス・オブリージュとして規範化されている概念だ。日本における少年少女向けのアニメは、ほぼこの精神性に基づいているといっても過言ではない。
さて前置きが長くなってしまったが、本作もこの精神性に立脚した作品である。母親が他人の子を助け、すずがUの世界で素顔を晒し、高知から東京まで駆けつける。これら行動の全てが自己犠牲の精神に基づいている。
要するに、日本で育った良心ある大人であれば、納得はできないにしても、言わずもながであることを描いている。それがなんでこうなっちゃうの?というほどの観客の体たらくだ。否定的感想では脚本の説明不足を指摘する声が多いが、本作はしつこいくらいに答えをシーンで表現している。
例えば、竜とベルが向き合ったカットの次が、犬とすずが向き合っているカットであったり、竜を映した後に山月記のタイトルを映したり。
国語の問題に取り上げても良いくらい教科書的に答えを配置している。
分かりやすさ追求の結果、テレビ番組は品質劣化していった。メディアやインターネットが分かりやすい答えをぶら下げ続けることは、人間を幼児退化させるのではないか。地動説から天道説へ回帰するかのように。皮肉にも、以上が本作への複数の感想を読んで私が感じた疑問である。
次に本作のミステリー性について述べたい。
本作は観客へ疑問を抱かせつつ作中で答えが完結しているカットがほとんどだ。しかし、例の人物と対峙する一連のシーンでは答えを見せていない。この点に本作がミステリー要素を持っていると考える。
細田監督が素晴らしいのは、エヴァのようなアンフェアな見せ方ではなく、全編を通じて観れば、何通りかのフェアな答えを用意していることだ。
私が見つけたヒントは、ラストカットで提示される問い、或いは、そもそも高知がモデルであること。
映像、音楽だけでなく、謎を潜ませる脚本を用意するなんて脱帽ものだ!おそらく本作は海外で正当に評価されアカデミー賞にノミネートされるでしょう。その頃には定説も出来上がっていると思う。
全くもって気が早いが、細田監督の10年後の作品に期待したい。
全1493件中、421~440件目を表示