劇場公開日 2021年7月16日

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「台詞の面白味のなさと多少の粗に慣れてしまえば…」竜とそばかすの姫 島田庵さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 台詞の面白味のなさと多少の粗に慣れてしまえば…

2025年12月6日
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鑑賞方法:VOD

スタートは
「サマーウォーズ」そっくり。
同じ世界観で、別の人物が主人公、という感じ。
それはまあ、いい。

「鈴」が、幼い時に母をなくしてから
それまで夢中だった歌を歌えなくなった、
でもふとしたことからバーチャル世界に入ってみたら、

その世界では歌えた。
それどころか、
めっちゃバズった

という「つかみ」はOK。
その後の展開も、
ご都合主義的な感じはあるものの
そもそもネットのご都合主義な世界だから
まあOK。

歌は、
個性的だとは思うけれど、
そして美しくもあるけれど、
バズるほどのものか、といえば疑問符。

そして、謎の「竜」の正体が、
ミステリなら反則。
でも本格ミステリという訳じゃないから、
これもOK。

だがしかし、
悪役が薄っぺら過ぎるのは
OKとは言えないなぁ。

とはいえ全体的には、
粗はあるものの、
阻害するほどのものではなかったので、

「酷評」するようなものじゃない
と思ったのであります。

ただ、
台詞に面白味がないのは、
もはや細田脚本はそういうもの
という諦めがついたというか慣れたというか。

あと、
サマーウォーズ以降、
クジラはデフォルトなのね。
――理由などない。ただそこにいる。

そして、竜もまた
デフォルトになっていくのでありましょうか。

島田庵
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