「違和感もあるけど」竜とそばかすの姫 きーとろさんの映画レビュー(感想・評価)
違和感もあるけど
今更ながら観ました。まず、曲が素敵。オープニングでベルが歌う曲はKing Gnuで作詞作曲をしている常田大希さんが率いるもう一つの音楽集団、millennium paradeとして作った「U」という曲。私はKing Gnuが好きなのですが、この曲も格好良かったです。他のベルの曲と比べて力強さを感じる曲で、オープニングにぴったりでした。
ベルのデザインはアナ雪でデザインをされていた方ということで、ディズニー感があります。ストーリーの運びも『美女と野獣』オマージュなのでなんだか不思議な感じ。いやめっちゃ好きですけどね、ベルと野獣の関係性は。映像もとても綺麗でした。Uの世界は視覚的に面白いし、オープニングや、すずが正体を明かして歌う中で周囲のみんなが共鳴していくシーンがとても美しい。
前半は結構楽しめました。ヒロちゃん、カミシン、ルカちゃんなど、学校の子達もみんな個性があって可愛かった。
でも中盤で竜の正体も予想がついてしまったし、終盤は盛り上がりはあるものの、流れが読めてしまって勿体無いと思いました。もう少し驚く展開が欲しかった。
すずが電車内でお母さんの気持ちを理解する描写は良かったです。恵たちに実際に会いに行くのはいいですが、高校生の女の子一人で行かせていいの?とは感じましたし、家を完全に特定できていないのもなんだかモヤモヤ…恵と知が軟禁状態だったらどうしたのかとか考えてしまいます。
すずを殴ろうとした恵の父親が狼狽えたのもよくわからない。それに、その後が描かれないので根本的に解決したのかわからずモヤモヤ。ネットに晒されたことで警察が動いたりするのでしょうか。
それと、初見でベルが竜を気にするのは急には感じましたが、背中のあざが気になったのかなと思いました。U内でついたものではなく、現実で負った傷と捉えて。すずもずっと母のことで心を痛めているので傷をもつもの同士だから通じ合うものを感じた、ということかなと。
違和感のある場面もみられ、酷評されるのもわかりますが、映像や歌などいいところもあり、個人的には普通に楽しめました。