劇場公開日 2021年7月16日

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「PTSDを克服するストーリーだけに絞ってたら良かったのに」竜とそばかすの姫 isukeeさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0PTSDを克服するストーリーだけに絞ってたら良かったのに

2022年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

作中に診断の描写なんてないけど
母の死を目の当たりにして絶望し、すずはPTSDは発症したはず
幼少から思春期に至るまで ずっとそれに苦しんできた
Uの世界で歌うことがきっかけとなって治癒に繋がり、
完治の決定打として 素顔を晒す→閉じた心を開く為のプロットが
作品に必要だったのは分かった
けど、そのための伏線を詰め込み過ぎて、その結果、哲学が渋滞してた

マスク美人を嗤う匿名モブ、の描写は有りだったけど
アバターじゃ信用なくて虐待から救い出せないプロットを混ぜてしまった結果、
哲学が多重になり、作品のメッセージがボヤけてしまった印象が強い

・母の死の受容と克服→分かる、物語の根幹
・Uのモブ描写とSNSへの警鐘→これも分かる、すずの心を開くことへの伏線
・竜の救出劇→ これが余計だった、虐待問題を混ぜてしまって 渋滞の原因に

映像はとても美しく、朴訥とした中村佳穂さんの演技も良かったのに、
終局の展開のコレジャナイ感が強くて残念
竜の救出劇は無くして、
異なった素顔を明かす代替プロットがあったらもっとノレたと思う

伊助