「現代版美女と野獣は良いミスリード」竜とそばかすの姫 西村麻佑さんの映画レビュー(感想・評価)
現代版美女と野獣は良いミスリード
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現代版美女と野獣だと話題になっていましたが、ディズニーとは違い野獣は異性愛の対象ではありませんでしたね。
すずは単純に孤独な人への助けたい思いから側にいたいと感じていたのでしょう。
そうなると踊りのシーンとかは必要だったのかな?とは思ってしまいますが、いつも虐待を受けていたけいくんにとっては母性愛の暖かさを感じた瞬間だったのでしょうか。
映像も音楽も美しく心奪われました。
Uの世界でのそれぞれの生き方には現代のネット社会がよく表現されていました。
自己表現を自由にする人、現実では心が満たされず完璧を演じる人、匿名性を武器に誹謗中傷する人、名声を得るために他人を蹴落とす人、現実ではひどい扱いを受け発散する手段として他人を傷つける人。
人を傷つけるのは悪なのだけれど、なぜ傷つけてしまうのか「考える」ことが大切ですよね。
数ヶ所結末や詳細が描かれずにモヤモヤしたひとがいるかもしれませんが、自分なりの解釈を「考えたら」いいと思います。
すずが飼ってたふーがの片足がないことに何の意味があるのか、虐待をうけた2人がどうなったのか…
Uの世界でもそれぞれの正体が誰なのか誰もが気になっていましたが、これは人間のもつ知る欲求を満たそうとしている様子がうまく表現されていました。
答えを安易に得ようとするのではなく、考えてみましょう。
子どもを1人で虐待の現場にいかせるなんてというコメントもありました。
どこまでフィクションで許すかの線引きは人によって違うのですが…
現実にあり得るかどうかではなく、その描写になんの意味があるのか、を考えた方がただ批判するよりかは生産的でしょう。
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