「鈴が自身のトラウマを乗り越えていく心理描写が良かったです」竜とそばかすの姫 あきのりさんの映画レビュー(感想・評価)
鈴が自身のトラウマを乗り越えていく心理描写が良かったです
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ストーリーの辻褄が?なところは確かにありますが、それ以上に鈴が自らのトラウマを解放し、乗り越えていく心理描写が上手く描かれていて、良い作品だと思いました。
鈴が竜と接する事により、竜の心の傷ををどうにかしてあげたいという鈴の良心が芽生え、鈴の心も動き出したんだと思いました。鈴は人前で歌うのも拒否反応で吐いちゃう位辛い事だったから、例えUの中で歌えたしても、自分の本当の顔を晒して歌うということは、自分の心の傷に否応なしに晒される事となり、とても恐怖な事だと思います。それでも竜への強い思いから自らの顔を晒して、自らの心の傷にも晒されて曝露できたからこそ、鈴自身のトラウマも解放できたんだと思いました。
鈴が一人で竜の父親のところに行って直接異議を訴えた場面は、鈴自身が母親への未練の思いを乗り越え、強い意思を持って行動できる大人に成長した事を表現する為と、虐待は絶対に許さないし、許されないというメッセージを伝える為に、あえて竜の父親と鈴一人で対峙させたのではないかと思いました。
ネットの匿名性は、傷ついた心に触れずに自分を表現できる手軽さはあるけど、匿名性や傷に触れない分、限界があると思いました。
鈴を見守ってる友達や大人達は監督自身で、この作品を通して鈴や竜のような人達を助けたいという監督のメッセージが含まれてる様な気がしました。
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