「綺麗な作画と音楽を楽しむ作品」竜とそばかすの姫 アキ爺さんの映画レビュー(感想・評価)
綺麗な作画と音楽を楽しむ作品
最近色々とアニメを観るようになったので、話題の細田守監督の作品も観てみようかなっと思いまして、「サマーウォーズ」を観てそのまま次の日に「竜とそばかすの姫」を観に行ってきました。やっぱり細田守監督はアニメーターであってストーリーテラーではない印象ですね。画家と噺家の違いと申しますか、あくまで絵を描くのが上手い監督であって、お話作りが上手い監督じゃないのかなっという感じです。
作画は驚くほど綺麗でした。Uの世界といい、ベルが歌ってる姿といい、すずの日常の田舎の風景といい、何処を切り取っても絵になります。流石の一言です。欲を言えばもう少しベルの歌唱シーンが多いと良かったですね。個人的にはそれを目当てに観に行ってるようなもんでしたし。
作画がスゴい分どうしてもストーリーの荒が目立ってしまうんですよね。根本的にUが何なのかイマイチ良くわからなくって。でも、あのイヤホン着けただけで、全身までトレースされてしまう仕組みって怖くないですか?自分だったら絶対やりたくないです。現代の世界人口は約78億人なのに50億人がUのアカウント持ってるって、いくらなんでも設定を盛り過ぎです。その辺の匙加減も微妙なんですよね。
で、いきなり児童虐待に話が振れたのもビックリでしたが、すずが竜を探しに東京に行っちゃったのも暴走し過ぎてて全く共感できず、「ありえないわ~」という気持ちになってしまって。というか周りの大人止めろよ。行った先に子供に暴力振るう人間がいるのわかってたでしょ?しかもあの親父、握力ですずの顔の皮膚剥いだぞ⁉️危ないなぁ。作り手は上手く母親の件と繋げたつもりかもしれないですけど、逆に周りの大人何やっとんねんと思えてしまって。たまたま竜に出会えたりとかご都合主義は仕方ないにせよ、観てる側の共感を置いてけぼりにする行動を主人公にやらせるのは決して上手い脚本とは言えないですよね。
後、何となくですが細田監督は「サマーウォーズ」の時よりネットを嫌いになったのではないでしょうか?ネットのネガティブな面ばかり強調され過ぎてて、ちょっとくどかったというか。ネガティブな意見って心のキズに残りますしね。ネット上で色々と批判されたのがそのまま作品に投影されていた感じです。大きく期待され過ぎてて可哀想といえば可哀想かも。細田監督はあの毒親がネット社会、虐待を受けている子供が自分って感じに思ってそうです。
何はともあれ脚本に難を感じつつも、作画は超一級なのは間違いないです。美術と音楽だけでも十分に映画館で観る価値はあったのかなっと思いました。
こころさん、コメントありがとうございました。
中村佳穂さんの歌声良いですよね🎵Amazon music unlimitedに上がってたので最近は通勤時に聴いています。ララライララライ🎶
アキ爺さん
色々な「?!」その通りかも知れませんね(^^)
(地方から知らない場所に乗り込んで行く女子高生を、大人が沢山居ながら一人向かわせた…せめて東京迄は誰かしら一緒に行くでしょ👀とは私も思いましたが😅)それらを軽々と凌駕してしまった、のが個人的な感想です。
「時をかける少女」「おおかみこどもの雨と雪」に惹かれての鑑賞でしたが、細田守監督の表現される人の秘めた強さと優しさに心を揺さぶられます。この作品もに私にとってはそうでした(^^)