「「責任」という裏テーマ」竜とそばかすの姫 keytonさんの映画レビュー(感想・評価)
「責任」という裏テーマ
IMAX二回、通常を一回観賞しました。3回観て思ったのが、自分の行動や気持ちに責任を持って向き合う場面がいくつも出てきました。特に、鈴サイドは自分の才能や気持ちに対して真正面に向き合っていました。(鈴の才能・忍の本音・カミシンの情熱・ルカちゃんの恋・恵の環境)
一方、大人たちは自分の行動や言動に対して無責任な部分が現れていました。例えば、鈴が合唱団のおばさんに「幸せになるにはどうすればいいか」について質問した時、全員困惑していました。また、鈴のお母さんも見方を変えると無責任のように見えました。
娘の反対を押し切って助けたのは良いけど、母の死をきっかけに歌えなくなったなら、川じゃなくてもいいんじゃないかなと思いました。あえて氾濫した川で女の子を救出したのは、娘よりも自分の感情を優先したわがままで無責任な大人の気持ちを演出したんだと思いました。
さらに、Uの世界では、噂になっていることを正直に告白したり、ウソがばれて逃げる人たちもいて、今のネット社会を表しているように見えました。Uの利用者は自身の内面をアバターに変換するシステムにより、より自分の個性と向き合える環境と思えました。
そして、最後に鈴は50億人のアカウントとリアルに真正面に向き合い、一体になった瞬間は圧巻でした。
私は「サマーウォーズ」の時に初めて細田監督のアニメを観ました。これまで青春や家族といったテーマで描かれた中で今作を観ると、最後の展開に不完全燃焼な気持ちになりました。
しかし、初めて細田監督のアニメを観た若い世代にバトンを渡す作品としたら最高のアニメだと思います。なので採点はつけられない結果になりました。
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