「見知らぬ誰かを大切に思う心」竜とそばかすの姫 えりんさんの映画レビュー(感想・評価)
見知らぬ誰かを大切に思う心
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ネットで匿名で、リアルな自分ではない姿で、世界のどこかにいる見知らぬ誰かと出会うことができる。
リアルな世界でリアルに会っている人同士でさえ、お互いに全てを知っているわけじゃない。心を通じ合せている人なんて、本当はごくわずか。
ヒロちゃんの毒舌に納得する。
ネットでは匿名だからこそ、リアルではしないようなことをすることができて、人を傷つけたり、癒やしたりできる。
自分の姿じゃなく、理想の自分にもなれる。
すずちゃんのお母さんは、見知らぬ女の子を助けて死んだ。
すずちゃんも、ほぼ見知らぬ男の子たちを助ける。ずっとお母さんを理解できずに苦しんでいたけど、自分で体験して初めて理解できた。
自分の居場所を感じられないまま生きて行くのは苦しい。
ベルが竜のことが気になったのは、居場所のないリアルな自分と竜が重なったからじゃないのかな。
ネットの仮想世界で、リアルに出会うよりも沢山の人に出会えるからこそ、見知らぬ誰かを大切に思う心を持ってほしい、というふうに感じた。
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