「卓越したクリエイティブ×謎ストーリー」竜とそばかすの姫 YKKさんの映画レビュー(感想・評価)
卓越したクリエイティブ×謎ストーリー
まず、歌,音楽,映像,キャラデザ,作画は最高です。
それだけで見る価値ありますし、それのためにもう一度観てもいいと思ってます。
・歌/音楽:中村佳穂さんの歌、鬼才常田大希氏(kingunu)の独特な楽曲。非常に映像ともマッチしており良かった。
・映像/作画:3Dをふんだんに使いつつ、所々でLive2Dなど技術をふんだんに使っており最高でした。エンドロール観てもここに本気度を感じます。
・キャラデザ:アナ雪のキャラデザ担当の方。非常に良い。
このクリエイティブは本気さを感じます。
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問題は、ストーリー/脚本。
・オチ:「虐待されてる見ず知らずの子供を救う」。謎い。全く見ず知らずであり、その後恋愛に発展したり先に繋がる展開もなく、子供達の存在はストーリーから浮いてるように感じる。
・無駄に多い登場人物:何かありそうだが、最終的に何も意味をなさない人物多すぎる。有名人アサインするために用意しただけの箱なのではと思ってしまった。(あと幾田りらは何故歌う役でないのか…勿体ない…)
・最終的な虐待を救うという着地点の謎さで、ここも謎になってる
・テーマ:「VR/アバター文化/デジタルツイン/メタバース」がテーマかと思いきや、よくあるネット発のアーティスト(ジャスティンビーバーとか)の話になっており、アバター化して人々の生活がどう変わるのか、VRによって何が変わるのかなど一切出てきてないので、なんでデジタル空間使ってるのかよく分からない。
かと言って、インフルエンサーになってどうしたなどが表現されてる訳でもない。
クリエイターサイドの最新の映像美への挑戦をしたいが、現実世界では出来ない表現があるので、自由度の高いVR空間を選んだという「手段(映像)ありきのテーマ(VR)」なんだろうなと感じた。
サマーウォーズや僕らのウォーゲームで、デジタル空間の新しさに触れた人でも、今の最新のVR/メタバース/デジタルツインなどにはついていけてないんだろうなと感じた。