劇場公開日 2021年7月16日

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「自分を見ていてくれる誰かが居るんだなぁというお話」竜とそばかすの姫 あまとうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0自分を見ていてくれる誰かが居るんだなぁというお話

2021年7月21日
iPhoneアプリから投稿

いい作品を見られたなぁ。
監督の書きたいシーンはここなんだろうなという熱量を感じることが出来ました。

すずにとっても、竜にとっても、人並外れた能力は現実世界で受けたストレスやトラウマといった抑圧された感情の発露でした。

この2人がお互いに惹かれあったのはお互いに孤独を抱えていたから。なんて言ってしまえばありがちなストーリーに聞こえるけど、これは孤独を癒す物語ではなく、孤独だと思っていても実は寄り添ってくれる大切な誰かがいるよっということに気付いていくのが主題だと思いました。

それはすずにとってはしのぶくんであり、ヒロちゃんであり、コーラス部の大人たちであり、お父さんだった。

歌を通して抑圧された自身を解放する中で自分の周りに自分を見てくれる相手が居ることを理解していく。
そんな中で、仮初の自分を捨て去っても、自分が誰かに寄り添えるような人間にすずは成った。

基本骨格にあるのは美女と野獣。それを元に恋とは違う愛情でお互いの殻を砕いていくそんなお話でした。

今作、面白かったです。

……しのぶくんあざといくらいカッコよかったな。

あまとう