「すずの目覚めが神々しい!」竜とそばかすの姫 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
すずの目覚めが神々しい!
美しい高知の風景に心が和みました。故郷の駅舎にそっくりでしたので、懐かしさで胸がいっぱいになりました。そして最初から最後まで知らずに泣いている自分がいました。本当に優れた力作です。ヒロインのすずが母親の死による臆病を乗り越え、成長していく姿が一番の見所でした。架空の世界で、すずが歌姫として世界の脚光浴びますが、自らの成長は現実の3次元の世界にしかありません。14歳の苦しむ少年の心を解き放つこと、そしてすずの母親への執着を溶かすために、ネットの世界や現実の世界の友人や親たちがすずを守ります。その健気な縁する人々の愛情があまりにも純粋で綺麗なのです。その愛情が後押しをして、素顔のすずは人を守る人間へと大きく脱皮する姿に涙暇なしです。仮想世界での竜(なんと声は佐藤健)とヒロインの汚れのない愛は、確かに美女と野獣をオマージュしたものでしょう。かの作品を思い出して心が熱くなりました。その愛を現実の世界でもすずは成し遂げます。だから彼女は素敵で美しいのでしょう。あと、声優たちを調べると、サプライズ的に豪華な人たちが出ているので、驚きとしか言えません。いずれにしても、最後には、すずは今一緒に生きている父親との愛情を復活させ、竜は勇気を持って父と対峙することを決意します。その生身の血の通った人間の目覚めが、どれほど偉大で神々しいのかを教えてくれる秀逸な作品です。
「生身の血の通った人間の目覚めが、どれほど偉大で神々しいのか」
これは私も感じました。
まさに仮想空間の最大の弱点ですね。
「生身の人間」が一番逞しくて、瑞々しい。そして何より強い。
三輪さんのレビューの内容が、そのまま監督の目指した方向のひとつのように思います。だとすると、監督の映画の作り方、訴え方に何か足らないところがあったのかもしれませんね。
共感?ありがとうございます よくよく考えれば虐待って分かってても何もしない、出来ないことが多いので、勇気持って(ちょい極端ですけど)行動起こす、無関心についてのお話かと思い始めました
興味深い書き込みだったので参加失礼します。
確かに鈴の母は間違った行動を犯したかもしれませんが、子供を助けようとした善意までも果たして否定しきって良い物なのかと考えます。
称賛、批判。それ以外の形で鈴や鈴の母が傷つかない言葉のかけ方は無かったのだろうか。
ラストのシーンで、ライブで涙を流した1度目以上に、細田監督は脚本的に無理があるのをわかっていながら、あえて周囲の助けがない形で鈴にかつての母と本質的に同じ行動を取らせてるように見えました。
物語の序盤と終盤であえて同じシーンを見せる事で、視聴者側に対する何か挑戦や願いの様なものを私は感じました。
私は少しでも良い方向に何かが変われば良いなと思いましたm(__)m
三輪さん、いつもレビューを読んでいただき、ありがとうございます。
今回の映画は賛否両論がすごいですね。理屈重視と感覚重視の差ですかねぇ? この現象は実に興味深いです。私は感覚重視のせいか、Uの世界が心地よくて2回も観に行っちゃいましたよ。
共感いただきありがとうございます。確かにヒロインの母親は一面愚かに見えます。でも、生きている人が一人一人尊い神の1分であるならば、きっと助けるのだと思います。
私たちはワンネスですもの。
暴力を振るう父親を制止させるのも今の時代あたりまえになりつつありますから、彼女は偉大です。
おっしゃるとおり。濁り曇りの無い気持ちで見れば、なるほど、間違いなく、傑作です。全くおっしゃるとおり。ケチのつけようが無いです。ただ濁った気持ちで見れば、激流のプロでも無いのに川に飛び込んだ母親は、明らかにおかしい。自分の子を大事に思うのはエゴではなく、真の愛で、見ず知らずの子供のために無駄な生命のリスクを冒すのは「思慮」が足りないですし。「無謀」とも言い換えることができます。自衛隊のレンジャー経験者かオリンピックレベルのスイマーなら別ですけども・・・世界の歴史上こんな母親は存在しません。女子高生が他人の家庭環境に踏み込むのも人生経験不足で、明らかに無理です。しかし、心の綺麗な方が見れば、貴方の感想は間違いなく大正論です。独り言です。お気になさらずに。オッサンのたわごとです。
共感?をありがとうございます。 私は三輪さんののような見方は出来ませんでした。というか、そう見るべきなんだと何となく分かるのですが、素直にそう感じられなかったのが残念です。美女と野獣…あの物語は野獣の心の優しさをベルが気付くところから心通わせるのですが、このベルには、竜を追う理由は無いように思われました。なので…その先の行動も納得行かないものでした。