劇場公開日 2021年7月16日

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「語りすぎないところは好き」竜とそばかすの姫 flying frogさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5語りすぎないところは好き

2021年7月17日
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鑑賞方法:映画館

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図らずも、幼い頃に母親を亡くした少女の音楽を通した成長譚、という映画を2本続けて観ることに。(2週前に観たのは「いとみち」)
肌触りはまったく異なる2本の映画だが、描いているテーマは驚くほど似ている。
まあ好みということなら、「いとみち」の方が圧倒的に好きだけど、この映画も悪くなかった。

共に説明過多を極力控え、さりげないシーンや観客の人生経験で補え、と言わんばかりの演出は好きなのだけど、細田さんは細かなシーンの連続性や世界観の説明は端折って映像美で押し切ろうとする傾向があるので、そこのところはもう少し丁寧に描いてくれれば、とは思う。

ただ、この映画で一番好きなシークエンスは、最初は腹黒少女なのか?と思わせたルカが実は性格美少女で、そのルカと鈴の会話からカミシンが絡んでくる駅のシーンで、このあたりのコミカルだがそれぞれのキャラが伝わる演出はいつもながら上手い、と思う。
細田さん、SFやファンタジーを排した世界観で1本創ってみたら、すごく良いものになりそうな気がする。

鈴(中村佳穂)の歌はさすが。
さすがなのだが、これだけ曲数が多いと、まったく違う曲調の曲も聴いてみたかった。

また、「美女と野獣」をやりたかったのは良いとしても、ちょっとやり過ぎでは?
ベルのキャラクターデザインをディズニーのクリエイターが手掛けているので、ベルの造形がディズニーっぽくなっているのがよけいにやり過ぎ感を増している。

まあ、いろいろ文句を付けたくなるのもいつもの細田さんなら、それでも伝わるモノはちゃんと伝わるのも細田さんの映画、というわけで、なんだかんだ言っても「良い映画だった」という結論なのです(^-^*)

flying frog