「どこまでも実感が持てない」竜とそばかすの姫 ほにゃららさんの映画レビュー(感想・評価)
どこまでも実感が持てない
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美術やアニメーションのクオリティはとても素晴らしかったと思うが、物語やその背景の設定に実感が持てず、あまり楽しめなかった。
そもそもUというアプリの設定にリアリティが感じられず、ストーリーに入り込む足枷になった。
Uにアスセスしている人間は、現実世界でどういう状態になっているのか?映画の中ではハッキリした描写がなく、最後までモヤモヤ。
その辺りのボンヤリした設定には目をつぶるとしても、アバターをベースにしたUの世界は、サマーウォーズが作られた頃ならともかく、今となっては使い勝手が悪そうで、個人的には全く魅力的に思えなかった。(Uの世界の移動とか、面倒臭そう)
また、ゴチャゴチャ・ゴミゴミとした映像は、にぎやかな都会っぽくてパッと見キレイだし圧倒されるが、特定のアバターに沢山のユーザーが群がる光景は、一歩引くと不気味,
他にも、秩序を守ると称する自警団的の存在とその制裁方法(絶対ユーザーから批判されそう)、利用者の顔バレに対する過剰な抵抗感(始めから身バレして利用してる有名人とかいそう)、竜が現実世界で直面してる問題への主人公やその周りの人(特に大人たち)の対応(当事者である子供にまかせ過ぎ)は、とても納得できなかった。
何より、妻を亡くした夫(父親)の苦悩が、ほとんど描かれていないことに違和感があり、そこに触れぬまま終わるストーリーに、結局は共感できなかった。
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