劇場公開日 2021年7月16日

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「様々なアニメのオマージュと社会テーマに溢れた細田作品の一つの集大成」竜とそばかすの姫 tanmyaさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0様々なアニメのオマージュと社会テーマに溢れた細田作品の一つの集大成

2021年7月17日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

知的

すでにネットの世界は仮想現実ではなくもう一つの現実世界となってしまった。
現実では自分を偽って過ごしているがネットの中ではありのままの自分になれる。リアルな感情が溢れているのは実はネット上でそのような世界で生きている現在はとても息苦しい。しかし細田監督はそこを肯定的に描いている。
主人公は幼い頃に最大のトラウマを抱えてしまう。ここでどれだけ自分に感情を投影できるかがこの映画を見る上での鍵となる。つらい思いをした事がある人。人との付き合いが得意でない人。感受性が強い人。様々な経験を積んだ人ほど響く映画ではないだろうか。そういう意味ではおおかみこどもが根っこの部分は一番近いのではないかと思う。社会問題を作品に込めるのはアニメ制作者としては真っ当な事。それを少々欲張りであるが音楽と恋愛、母性愛とバトルシーンとエンターテインメント満載で万人受けもしうる内容にまとめてきた手腕は正に監督の経験値の集大成だと思う。
人が他人の生命の危機に直面したときにどのような行動をとるべきか。本当の勇気とは何か。なぜ最後は一人でないといけないのか色々と考えさせられる。

tanmya