「ちょっと待った、美談にしないで」竜とそばかすの姫 まんだりんさんの映画レビュー(感想・評価)
ちょっと待った、美談にしないで
こんな評価にしてごめんなさい。
ただ、これを良しとできませんでした。
美談が過ぎます。
不自然さ
(1)言葉と行動が一致しない周囲の人
・素顔を出すと、全てを失うと言い切る友達
・頼れ、困ったことは言ってと言いながら
全世界に顔バレリスクを考えない幼馴染
・幼い頃から入っている合唱チーム?で親の事情を知りながら歌えという大人たち
(2)ネット社会
・救うために亡くなった人をほぼ貶めるネット民
・正論をかざすネット民、鈴が素顔で歌ったら手のひら返しで顔の見えないみんなの心が光る。
(3)描写
・虐待されていて、外出も厳しい子どもの部屋に綺麗に咲く薔薇と花瓶...?
子ども関係の仕事に携わっているので
最後が、1番キツかったです。
いい話風に終わらせているけれど
子ども1人でDVの解決?
本人が決めたことだからと駅で見送る大人に愕然。戻ってきて笑顔でおかえり?
お父さん...名言風にお見送り。
娘がDVする人の所に行くことを伝えられてないのか、周りの大人が、内緒にしたのか?
お父さんが知っていて行かないのなら
最早言葉がでない。
48時間待てないと察する程の、DV男が
女子高生が見つめるだけで、殴れなくなる。
こんな簡単に?Uだと何度もやり直せる?
殴られて死んだら、やり直せませんが。
鈴の母が他人を見過ごせず助けたように
鈴自身が、手を差し伸べる対比でしょうか
状況を見ていた大人達は他人事の中
家庭内暴力からの救出に
高校生が、たった1人で立ち向ったこと
これが、愛?勇気?成長?
千と千尋の神隠しの千尋の両親のようにどこか他人事な大人を描きたかったのかもしれない。
でも、家庭内暴力の救出時ではないでしょう。
助けを求められない子ども達を助けるのは
助けを必要とせず、身を挺した女子高生!
虐待可哀想、救いがあって良かったね!
他人事だから描ける終わりになっていませんか。
フィックションでアニメだから?
本当に他人事なのは、誰ですか?
理解できない人は見ないでと言うでしょうね。
でも、この作品小さいお子さんも見るはず。
これを見せて
すごいね、お姉さん立ち向かったね
成長したねって?
当事者に見せられますか?
これはフィックションよって?
作り話だからねって?
本当に言葉が出ません。
小学生の時サマーウォーズを見た私は
大人の頼もしさ、かっこよさで泣きました。
だからこそ、子ども達に伝えたい。
大人にも、付き合わせて。
大好きな君たちのことを想って
反対するかもしれない。
それでも、どの決断をしても
付き合わせてくれって。
それは、実親じゃないかもしれない。
でもそれこそ、サマーウォーズのあの言葉達。
みんなで片をつけるよ!
俺たちがついてる。
現実問題を扱ったセンシティブなテーマを扱うなら中途半端に描くべきじゃない。
ちゃんと現状を見て、問題提起、解決を描き切って欲しい。御涙頂戴に使わないで欲しい。
こんな嘘だらけの美談と理想論で
解決した!救われた!いい話だった!
泣ける!感動した!本当にやめてほしい。
そんな言葉でレビューが溢れるのを見て
これこそ、他人事で、この作品に描かれていた
正論をかざす人々の具現化かと思いました。
本当に見ていて、苦しかった。
浅く、不自然なストーリーやオマージュはご愛嬌。映像と音楽で星3か4を想像していましたが
ネットで他人事のように叩く人々を描きつつ
特大過ぎるブーメラン...待ってくれ...
好み等の問題ではなく、本当は問題について他人事で考えていませんよ、と言われたようで...
傷口に塩をぐりぐり塗りつけられた気分でした。
一生懸命作ったクリエイターから見たら、私自身他人事の評価の、大ブーメラン。
それでも、、書きたいと思いました。
本当ごめんなさい。難しいですね。
映像と音楽、素晴らしくて良質なPVを見ているようでした。お花綺麗だったなぁ。
作るの大変だっただろうなぁ。
サマーウォーズや時をかける少女は
プロが脚本を担当されたそうですね。。
監督....辛かったのかなぁ。
ネットも、大人も
もう少し、優しい人達いますよ。。