「サマーウォーズより高みにあるがサマーウォーズを超えてはいない」竜とそばかすの姫 Takuさんの映画レビュー(感想・評価)
サマーウォーズより高みにあるがサマーウォーズを超えてはいない
現実世界の自然美豊かな映像と仮想現実世界のダイナミズムな映像を行ったり来たりするギャップに翻弄されつつも、その余韻に浸れる良さがあります。
現実世界の主人公の鈴を取り巻く人々(ITに詳しい親友、幼馴染の男の子、一人カヌー部の男の子、学校一の美人、鈴の父、鈴を応援してくれるおばさん達)のキャラクタが素晴らしかったので、こちら(現実世界)に軸足を置いて物語を創り、仮想世界を付け足すサマーウォーズの様に構成すれば、活劇としてもっと魅力的な作品に仕上がったと思われます。
少し高尚に創り過ぎていて、サマーウォーズの良さと言える“単純明快で爽快”という点は欠けています。
即ち、仮想世界の美しさと現実世界の自然美に加え、音楽性にも重きをおいて作ったため、ストーリー性を置き去りにしてしまった点は否めません。
また、「竜とそばかすの姫」の構図は「美女と野獣」を想起させるものです。
それと最後に一言、敢えて「U」の世界 に変える必要は無く、サマーウォーズ同様に「OZ」の世界 のままで良かった気がします。
とは言え、3Dの映像美に、美しい歌、鈴とその周囲の人々との遣り取りは、愉快で、微笑ましく、優しい、一度観ておく価値はあると思います。
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