「映像と音楽は最高!それ以外は違和感と不自然の集合体」竜とそばかすの姫 hrk17さんの映画レビュー(感想・評価)
映像と音楽は最高!それ以外は違和感と不自然の集合体
観終わって全体的な正直な感想は、う〜ん微妙。でした
映像もとても綺麗、音楽も歌唱力や編集も好きだったんですが、伝えたい題材が全て中途半端な気がします。
snsの陰陽の問いかけはほおりっぱなしな印象で、美女と野獣の愛を描ききる訳でもなく、父親や家族の関係を真っ向から向き合い考える事もなくサラッと流れ、幼馴染との恋も深掘りする事なくふわっとにわか両想いちっくになって終了、すずの内気な性格や思い込みの成長を見るにしてもあまりにネガティヴな為感情移入は出来ず、児童虐待の問題も特に何も解決されてない。
児童虐待についてはエンドロールにちゃんとあの家族が改善された絵でも出るのかと追いましたが何もなくてモヤモヤ。
1番伝えたかった事は何?1番表現したかったものは何?状態なので、人に勧めたいとは思えない。歌を音響の綺麗な施設で聞きに行く(映画館)ぐらいでしょうか。
竜の置かれてる状況も、あの親子3人の写真が出た時点で何となく予想が付き、その上でどう見せてくるのかと期待しながら観たが、児童虐待を題材にしたのに、適当な幕引き。その家族と向き合う事もない。辻褄の合わない各所展開に開いた口が塞がらない。扱う題材に対して軽率過ぎるのでは…
台詞や何だろこれ。の部分として、ベルが竜との共通点も何も見出してない&竜のことを何も知らない段階から、あなたは誰?って初対面で気になる必要が何処にもない。そんなに連呼してどうしたのか。
カヌーの男の子と学内美女のドキドキシーンはやたら長く急にテンポが悪く。
美女と野獣ダンスシーンでは何故か星になって頭上へ突き抜けていかれる。どこ行くねん。
軒並み周りの大人のお飾感。女子高生を虐待親(力のある男)の元へ1人で行かせる謎。
虐待親はすずに怯む理由も、必要も全くないのに尻餅すごすご退散。などなど…
公開前の動画やキャストのコメント動画などを観ていたので、勝手に期待値ばかり高くなってしまったのかもしれません。
2時間で唸らせる作品を纏める。というのは本当に大変で、ハードルの高い要求だとは理解してますが、今回は何度も観に行く事はないです。
本当に、次回作に期待。待ってます。
蛇足ですが、細田守監督って右脳寄り?左脳寄りの物語を客観的に、論理的に構成する人とタッグ組んで脚本書いた方がいいのでは?
勢いと、なんか雰囲気がいい、だけでは「物語り」を楽しみにしてる層には響かない気がします。
いい感じのシーンを盛り込んだだけのハリボテ総集編はyou tubeの15分くらいで十分です。有料で見るものではありません。
近年益々アニメ映画のクオリティが上がってるので尚更…
【コメントを頂いていたので念のため追記】
★1つにしたのは、映画を構成するストーリー、演出、映像、音楽、演技力、共感性、心理描写、メッセージ性、キャラクターや、他にもたくさんあるとは思いますが
その中の音楽、映像のたった2つが良くても他の残念さが余りにも勝っており、辛うじて★1つ付けたぐらいのニュアンスでした。
個人的には音楽を聴くならCDやコンサートやライブなどで聴きたいですし、
映像が綺麗なのはスタッフの頑張りと技術の高さだと思っていますが、綺麗な絵だけで中身が無いのは、綺麗な声でどうでもいい話を聞かされてる様な感じで。2時間も聞かなくても10分くらいでいいと個人的には思ってしまいます。
ましてやお金を払ってまで見たい、聞きたいとは思いませんでした。
捉え方、価値観、は色んな方がいらっしゃるので面白かった!と思ってる人がいるのも楽しめる人なんだな。と思う程度で自分は特に何も思いません。
ただ、自分は映画として★1つ止まりです…悪しからず 笑