「もう少しどうにかならないのか。」竜とそばかすの姫 はとげさんの映画レビュー(感想・評価)
もう少しどうにかならないのか。
映像も音楽も声優も良かったのに脚本がとても残念。
予告では分からない脚本の部分でやられた。
推理小説で最後の最後で誰も知らない第三者が
私が真犯人だガハハって言って出てくるようなものだ。
主人公の過去をもう少し深く掘り下げてくれれば、感情移入することができてアンベールした後の歌うシーンの重要さがさらに分かっただろう。
そもそも母親の死に関しても、子供を助けるために濁流の中を助けに行くなど言語道断。何が泳ぎが得意だ。ふざけた話。死にに行ったも同然。ネット民のコメント通りだろう。
Uの世界へのダイブの設定もよくわからない。確かにサマーウォーズの時から電脳世界がどのように広がっているかは詳しくは描かれていないのでフィクションと割り切り、あまりとやかく言う必要もないとは思うのだが、耳につけるだけで全身の生体情報を読み取り感覚を共有するとはいかがなものか。また、川沿いを走っている際に耳に装着したが、Uにダイブしたあとも現実世界で意識が残っているのか?
人型とそうでは無いキャラクターの違いもよく分からない。あんな奇形の方ばかりの世界なのだろうか。
OZの世界でもUの世界でも、まるで電脳世界にいるかのように描かれていたが実は画面上ではただよくあるMMORPGのようなものでキャラクターを動かしているだけで、電脳世界はキャラクターの視線から描いているだけなのだろうか。もしそうならば、今作のあの装置はARデバイスの1つと認識することも出来る。かもしれない。
書いていて思い出したが、アンベール後のライブの際、ベルが現れる前の歌姫が「ベルは普通の女の子。私と同じ…」と呟いていたがあれに関しても何も無かった気がするのだが。私の見落としだろうか。普通の子もUでは、人生をやり直せることを強調したかったのだと受け取っておこう。おばちゃん達がベルの正体を知っていたことに関してもなにも伏線がなかった。なんなのだろうこの雑さは。
とにかく今作はストーリー全体にまとまりが見られなかった。キャラクターに行動させるだけさせてその回収がない。
また、電脳世界での美女と野獣を描く挑戦と言ってもさすがに寄せすぎではないか。見たことあるようなシーンを何回も見た気がする。
Uで世界は変えられるという結末に向けて、美女と野獣やら虐待やらなんやらを盛り込んだら、まとまらなくてあんなものになったんだろう。
細田守オワコンって言われてもおかしくない。
未来のミライもとても嫌いだけどあっちの方がマシかもしれない。
上映前のSAOの予告の方が数倍良かったです。