「【”素顔のままで・・” 世の中には、誹謗中傷や愚かしき行為が横溢している。けれど、内気な少女が勇気を振り絞り、”歌”で本来の美しき世界を取り戻す、善性に溢れた物語。少女の心の成長物語でもある。】」竜とそばかすの姫 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”素顔のままで・・” 世の中には、誹謗中傷や愚かしき行為が横溢している。けれど、内気な少女が勇気を振り絞り、”歌”で本来の美しき世界を取り戻す、善性に溢れた物語。少女の心の成長物語でもある。】
ー 今作は、細田守監督が一貫して描いている、人間性の善性の発露を描いた見事な映画である。ー
◆感想
・容易に、「サマーウォーズ」の”OZ”を想起させる仮想世界”U”の極彩色の色彩の素晴らしさ。そこで描かれる、”アバター”達の造形も、楽しい。
仮想世界と対比するように描かれる、現実世界のすずが住む、田舎の美しき緑や川の風景にも癒される。
・現実世界と仮想世界の繋がりの描き方も、面白い。
現実世界では、哀しき過去に捕らわれたまま、人前で歌が上手く歌えない、すず。
彼女が、仮想世界に現れると”Belle”になり、実に美しき声で”アバター”達を魅了する”歌”を歌い上げる美しき歌姫になる。
けれど、”アバター”は、現実世界の人間の本能を解放し、視覚化させたものであるという設定が、今作の特に後半部分を、心に沁みるモノにしている。
・”竜”の真の姿を暴こうとする”自警警察”のような、”U”の秩序を守るというモノ達の愚かしき真の姿。
・”竜”は、何故”U”の世界で怒りを露わにし、暴れまわっているのか。
”竜”の中の痣の意味は何であるか?
ー 現実世界で起こっている、恐ろしき事が透けて見えてくる・・。ー
・現実世界のどこかで哀しみを抱えて生きている”竜”を救うために、すずが仮想世界で選択した事。
そして、人前で歌う事が出来なかった彼女が、何十億もの”アバター”の前で、実に美しき歌声を披露するシーンは、実に沁みた。
”アバター”達の目から、溢れる涙。
ー そして、仮想世界は金色に輝く。ー
・そして、現実世界で苦しんでいる”竜”と幼き男の子を助けるために、すずは心優しき合唱団の叔母さん達と、大切な友に背中を押されて、大都会へ"単身"出かけていく・・。
ー 今作は、少しづつ、少しづつ、”抑圧、哀しみを跳ね除ける強さ”を身に着けた、すずの成長物語でもある。ー
<細田守監督が、”オリジナル脚本”で描いた、人間の善性溢れる美しきアニメーション映画。
仮想世界の極彩色の色彩と、現実世界のすずが住む、田舎の美しき風景にも癒される。
幼き子を救うために、命を落とした母の気骨が、確かにすずに受け継がれていた事が分かる後半シーンが、心に沁みる作品であると思います。>
正直、腑に落ちない点は少なくなかったのですが、監督にとっては、誰かのことを本気で思う時の(咄嗟の)行動や使命感的な心情への共感が、一番表現したいことなのかな、と感じました。
NOBUさんへ
おはようございます。珍しく早起きしたbloodです!
今から、龍そば2回目を見に行きます。音楽と映像が心地良いので、リピート回数が増えそうですw