「もう一声何か欲しい感じだったかな」竜とそばかすの姫 トミジュンさんの映画レビュー(感想・評価)
もう一声何か欲しい感じだったかな
昨今の潮流に乗って音楽を有効利用した作品にしたかったのだと思うが
残念ながら弱い感じがした
単体で聴くと悪くない曲だと思うのだが
アピールする力、特に盛り上がりが後一歩足りない気がした
中村佳穂の表現力は決して低くないと思うので
単純に曲の良さが足りなかったかな
肝心の物語の方は悪くない感じだったのだが
何か歯痒さがあるようなそんな感覚で観ていた
ネット世界Uの描写があまりに現実離れしてるので
多分ハマったら抜け出せなくなる世界と思うのだが
そう言った部分は描かれなかったし
無名な人はいいことやってても注目されないところとかも描いて欲しかったな
まぁ、監督は有名になってるからもう気持ちがわからんかも知れんけど
耳のイヤホンみたいなのひとつで仮想現実の世界に行くのは設定だから
別にいいんだけど無理あるよね
細かい事言うとそういう所が多い
ネットから他人の自宅の映像簡単に見れちゃうのってどうなのよ?ってね
まぁ、そうしておかないとあの二人を見つける手掛かりがないので
しょうがなかったのかも知れないが...
あと肝心の竜との出会いのシーン
自分のライブに乱入して暴れてる人をさぁ
普通の女の子でもありネットで話題になってて有名人気分も味わってる女の子が
突然気になる?
自分のやりたい事邪魔されてるんだから惹かれないでしょう?
ってか普通に考えたら、多分いろんな男からアプローチかけられるはずだし
目が行かないんじゃないかな?
ちょっとそうゆう設定の甘さがアニメとはいえ気になった
概ねストーリーとか映像はよかったのだが
ネットについての描写、考察とかだけでも、もっと深い部分を追求できたと思うので
訴えかけるものが全体的に弱い感じがしてしまったな
総評は悪くはない映画だったが推したくなるような映画でもなかった感じです
期待してたので残念
最近映像などの質、ディテールに関してはとても高いのに
設定や物語の質はあと一歩足りない感じの作品をよく見受ける気がします
この作品もそんな感じかな
もっとネットの構造について踏み込んだほうが面白かったんじゃないかと思いました