ワン・モア・ライフ!のレビュー・感想・評価
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序盤の役所(風)手続きが面白い
死を意識することで人生は変わる。そんなテーマを秘めた作品はきっと新旧問わず、世界中に存在するのだろう。その一つ一つをとって国民性を理解した気になるつもりはないものの、本作が大事件や大展開ではなく、むしろ家族や愛する人との関係性に焦点を絞っていく様に、新鮮味というか軽いカルチャーショックを覚えた。その序盤は快活で、死の瞬間にこみ上げるモノローグやそこに広がる情景も際立っている。さらには役所の待合室のような場所で繰り広げられる”手続き”の数々は、背後のエキストラの反応もあって、ワクワクするほど面白い。間違いなく本作でいちばんユニークで独自性のある見せ場だ。ここで巧みに掌握されたペースがその後は穏やかにペースダウンしていくのが残念なところ。フラッシュバックの多用も、物語を紡ぐ上で必要とはいえ、淀みない流れにあえて休符を差し込むリスクを伴う。いいところもたくさんあるのに、少しもったいない気がした。
いかにもイタリアンなコッテリ感と適当さ。薄めて味わえば思い当たる節があるかも
一度死んだ主人公が、天国なり地獄なりの采配でもう一度生きるチャンスを与えられるという話はよくある。本作がちょっと面白いのは、天国の入り口に役所があって、そこで寿命の計算ミスがあったからと、中年男パオロが地上に戻されるのだ。野菜のスムージーをよく飲んでいたことが計算から漏れていたというのだが、その時間がたったの1時間32分(笑)。食事や運動でヘルシーさをアピールする風潮への皮肉も隠し味だ。
困ったことに、素敵な妻がいるパオロの不倫遍歴がひどすぎて、家族が気の毒になる。なかなか共感しづらい主人公だが、社交辞令のように女性を口説くのがイタリアの習慣であるなら、日本人の観客にはこってり風味のエピソードを少し薄めて受け止めるぐらいがちょうどいいのかも。
命ある時間が有限なのは誰でも知っているのに、つい無為に過ごしたり、家族との関わりをおろそかにしたり…などということは誰にでも思い当たるはず。結末を含め適当だなと感じる点もあるが、大らかな気持ちで笑い飛ばし、自らの人生や生き方を穏やかに顧みるぐらいがちょうどいいのかもしれない。
女性が大好きで幸せそう
ミカドゲーム 人生ゲーム
信号無視で事故死した男。 手違いがあったため、1時間32分だけ現世...
娘がかわいい
時間なんて、いつだって無いもの
所謂ダメ親父である主人公パオロが、交通事故により亡くなるが、天の役所(?)の手違いが発覚し、92分のロスタイムを与えられる。
その時間を使い、冷めきっていた家族との暖かな関係を取り戻そうと奮闘するが・・・といった物語。
序盤のノリは、何となくこち亀でありそうな雰囲気でかなり好みw天の役所や、ガラスとハンマーの話はちょっと笑った。
映画の構成としては、回想や妄想シーンが随所に挟み込まれる為、現在とごっちゃになりわかりづらい。。
中盤以降、好みのこち亀ノリ(!?)は少なく、最後の方は良かったけど・・・という感じかな。ってか、ラストのアレはどういうこと?なんもかんも間違いだったってこと?
雲の上の人ですら間違いはおかすものだから・・・ってのがメッセージなのかな。
もうちょっとコメディやお涙頂戴に振り切ってくれた方が個人的には良かったかも。
それと、映画とは関係ないですが、ワタクシもスムージーじゃないけど、健康の為、毎朝朝食にかなり気を使っていたり、毎晩トレーニングやストレッチを続けています。
ですが、正直これがかなりのストレスになってたりします(笑)
仮にコレも人生90分くらいの効果しかなかったとしたら・・・。
もうやめようかな(笑)
憎めないイタリア男へのお仕置きストーリー
【あちらの世界はローテク】
この手の映画作品で使われる、あちらの世界のPCなんかの耐久消費財は、結構、型落ちも型落ちの古いもののような気がするは、僕だけだろうか。
自分の死に向き合うことは、過去に想いを馳せることで、きっとノスタルジックになるからなのかもしれない。
さて、作品は、序盤の亡くなるタイミングを間違えるというミスの場面で、もっとコミカルなものを想像していたのだが、イタリア作品らしからぬ(?)シリアスな感じが続く。
まあ、元来陽気な気がするイタリア人だって、自分の死や過去と向き合うのだから当たり前か。
ただ、ストーリーは、序盤以外は想像の範疇で、これといった意外性もなく、もし、あるとすれば、エンディングなのだが、これも、こうした寓話的なお話のなかでは、ありそうな展開で、心温まる(?)普通の良作品といった感じです。
面白くないわけではないですよ。
今を生きよう。人生楽しもう。
構成と哲学的ことばが良かった
意外と面白かった
設定がいい。主人公パオロを典型的な俗物としたことで、天国の受付から短時間だけこの世に戻るというアイデアが生きている。聖人君子の主人公だったら物語にならなかった。
しかし、それにしても主人公の俗物ぶりがひどい。小心者のくせに見栄っ張りで女好きの浮気症で飽きっぽく、浪費家のくせにケチである。何でも他人のせいにする根性なしで、何かにつけ「愛している」と言えば許してくれると思っている。どうでもいい小さなことにこだわって肝心なことを忘れてしまう。
そんなトンデモ男のパオロなのに、背が高くてハンサムだからなのか、女にモテる。ベッドシーンは省略されているが、きっとあっちの方もなかなかに違いない。もしかしたらこういうタイプが典型的なイタリア男なのかもしれない。そう考えるとかなり笑える。
人間は人生の時間が限られたときに聖人に生まれ変わろうとする、、、かもしれない。少なくともパオロは一生懸命、残された時間をいい夫、いい父親であろうと努力し、妻と子供に残される自分の思い出をなんとか美化したいと望む。しかしよく考えたらそういう行動は聖人ではなくナルシストの行動だ。
最後に交わす妻とのキスはどんどんディープになっていく。パオロの本領発揮だ。結局のところちっとも変わっていないパオロは、俗物根性丸出しのまま再び天国に向かう。よく見ればパオロの周囲の人間たちも俗物ばかりだ。誘惑は無数にある。死ぬときは死ぬのだ。ビバ人生!酒を飲み女を口説いて、ときどき仕事もした。それでいいじゃないか。イタリア人の陽気で無責任な快楽主義も悪くはないと思わせるコメディである。意外と面白かった。
人生ゲーム
スクーターで事故を起こし死んでまった男が、あの世の入口の手続きでゴネて92分間のロスタイムを貰い、最後の時間を家族と過ごすコメディ。
家族に不誠実であったことを悔やみ残された時間を家族と過ごすストーリーなんだけど、7割方が過去のチャラ男人生の武勇伝、残り3割が現在の出来事、そして+αで妄想少々とをMIXしてみせていく展開。
雰囲気は良いしテンポも良くて面白くはあるけれど、同じ様な思い出ばかりでまどろっこしさを感じるし、一番観たいのは残り時間をどうするかな筈なのに、結局それがロスタイムに何かを及ぼす訳でもないというね。
オチもこれはこれで悪くないし、まあわかるけれども、不完全燃焼気味でちょっとモヤモヤした。
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