「形を変えて今に続く暴力性への自問」生きろ 島田叡 戦中最後の沖縄県知事 sow_miyaさんの映画レビュー(感想・評価)
形を変えて今に続く暴力性への自問
戦中最後の沖縄県知事になった島田を中心に描きながらも、今も続く沖縄と本土の関係や、力を持つ者と持たざる者(軍部と民間、陸軍と海軍、司令官と部下、兵隊とそうでない者等々)の間の覆せない暴力性が丹念な取材と人々へのインタビューによって炙り出され、観るものに迫ってくる。
個人的には、映画の中に登場する「民間人を壕から追い出したり、泣き声をあげる10才の子を射殺したりする軍人たち」のメンタリティが、形を変えて今も我々の中に残ってはいないか自問させられた。
単に戦時下の話として片付けられない広がりを持ったTBS制作らしいドキュメンタリー。
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