1秒先の彼女のレビュー・感想・評価
全31件中、1~20件目を表示
こちらの方が
しっかりしてると思った。
「1秒先の彼」の方の彼の仕事っぷりはちょっとしたことだけど見ていて気分の良いものではなかったが、こちらの彼女はしっかりと己の仕事をしていた。
でもなんで1日分得をするようになったかの説明が少し伝わりにくかった。「1秒先の彼」の方が名前の画数が多くて他の人たちより時間を損しているという理由が馬鹿らしくもわかりやすくてよかった。
アマプラで字幕版を観たがスタッフロールで流れる曲にも字幕が入っていて最後まで楽しめた。
果たしてこの感想はネタバレありなのか否か。そもそもネタバレなしのレビューなんてありえるのだろうか。
台湾SF感動ラブストーリー
前半1時間は彼女の不思議な体験で、後半1時間は彼の不思議な体験。
カメラ小僧登場なだけあって、映像の構図が良い。
台湾バスツアー氣分を味わえた。
男のロマン、タイムストップの映像が凄い。
せっかちだと一日減るなら、ゆっくり遅れながら生きたい。
彼女のキュートさと、彼のやせ我慢
昨年「1秒先の彼」が劇場公開されていた時に、たまたま帰省していた娘と観にいった。クドカンらしい脚本で、面白いなぁと思っていたら、実はリメイクだと知り、帰ってすぐにHuluでこっちも鑑賞。
その時は「原作はもっといいじゃん!」と思った記憶がある。
…記憶はあるのだが、最近、Amazonでこのクレジットを見かけた時に、すっかり内容を忘れていることに自分でも驚いた。
改めて新鮮な気持ちで観てみると、「彼女」であるシャオチーのキュートさと、「彼」であるグアタイのやせ我慢に心を打たれた。
シャオチーのせっかちでちょっとズレた感じは、ずっとユーモラスなのだが、物語が展開するにつれてどんどんキュートに見えてくる。そして、グアタイも、全然いけてないのだけれど、だんだんカッコよく見えてきたりする。
とはいえ、やっていることは、好きな娘が無抵抗状態であることをいいことに、自分の思い通りに連れ回しているので、ちょっとストーカーチックな危うさを感じない訳ではない。
それを救っているのが、キスをためらうシーンだ。あれだけ長い間、迷って迷って、最後におでこにキスしてにっこり笑ってケジメをつける。本当に彼女を好きだからこそのやせ我慢。それが一発で伝わるいいシーンだった。
そして、2人の再会の場面は、こっちも泣けた。
まず彼女が泣いて、それから時間差があって彼が泣いて…。
せっかちな彼女と、ワンテンポ遅れる彼が、ここでも繰り返されるところがニクイ。
しばらく経ったらまた内容を忘れてしまうかもしれないが、その時はまた、新鮮な気持ちで楽しみたい。
ずっと想ってくれていた
父ふらりと、家出?だったのか。
娘ヤン•シャオチーは、
郵便局に勤め窓口業務。
公園で声かけてきた自称ダンス講師のウーに
映画誘われる。弁当迄貰う。
映画を観てヤン•シャオチーは人より先に笑う。
ウーは、施設の子供の為にお金が要ると言う。
ヤンは以心伝心ゲームの練習をして明日の
バレンタイン大会で優勝して賞金ゲットしようと約束。
朝起きてバスに乗って約束場所に向かうが‥。
起きると明日だった。
バレンタインデーは昨日になっていたじゃないか。
ウー来ない。行方不明。
突然ヒューズが飛び、真っ暗。
ヤモリのじいさん登場。長細い舌で蚊をペロリと。
そして、過去の無くし物箱を渡された。
中身は、本人でも覚えていない数々、鍵発見、
何の鍵か。
リウがバスに乗ってウーを尾行していると、
台湾の極道が数人乗って来てウーを脅す。
極道の姉がウーに騙されて金を騙し取られたから
何倍かの金を脅し取りに来たのだった。
ウーという人間の正体を見てしまったリウ。
突然世界が止まったので運転手放り出しリウ運転交代。
ヤン一人乗せて走り出す。
リウ、ヤンに語りかける。
悲惨な過去、励ましてくれたこと、
文通のはずが住所がわからず私書箱止まり。
彼女をおんぶして、海辺まで行き、
砂浜で彼女にポーズさせて写真を撮る。
流木で相合傘作り二人で記念撮影。
だいぶ日焼けして顔が真っ赤になった二人。
期せずしてヤンの父乗って来る。父だけ動く。
ヤンに語りかける父、
出て行った日ビルから飛び降りようとしたが、
今のように世界が止まり、断念せざるを得なかった、
これは生きよ、ということだと解釈して
とにかく生きて来た、と。
なぜ世界が止まりリウや父だけ動けるか、
人より時間が遅い分を長年足すと
神様が一日分返してくれたのさ、
と言い下りて行った。
その前にヤンとのツーショット。
服を着たままベッドに横たわるヤン。
そっとおでこにキスして帰るリウ。
遅刻だぁ〜とバレンタインデー大会会場に行っても、
誰もおらず昨日だった、終わったと言われる。
あの鍵の合う郵便局私書箱を探してあちらこちらへと。やっと見つけると中から大量の手紙。
中にはたくさんの写真が入っていて見て驚く❣️
差し出人を見て昔を思い出した。
363日後、
あの私書箱のある郵便局に移動したヤン。
とうとうお待ちかねのリウがやって来た。
思わず涙を流すヤン、
少し遅れて泣くリウ。
言葉を交わさずとも二人の心は繋がっていた。
エンドロールで種明かしのような写真の数々が映し出されて観客も飲み込めた顛末❣️
ヤモリ
U-NEXTで観賞 オリジナルのほうがシンプルで変に回りくどくなく、しかもリズムが良い やはり中国語のリズミカルな早口に今作は合っているのかもしれない
殆どの人は、動かない女性を連れ回して挙げ句の果てに飛んでもないことを・・・をご立腹されているが、劇中でもこれ以上はってセーブしているので、許容範囲なのでは?なにせ本人以外、世界中の人が記憶にないのだから
勿論、躰を傷付けたのなら許せない行為だけどね
ラストの男の方の涙は、日本版には無かったが、あれで全てが報われたと思うのは自分だけだろうか?
自分の考察として、日本版にも言えるのだが、何故交通事故に遭うのかという件、あれは神様による連れ回しの罰なのではと思う 今作では、彼女のみ日曜日を失った 他の人は単に日曜日が2日設けられているが、実際は初回の1日は記憶がない その1日はずっと貯金をしていた周りよりもテンポの遅い人達の利息だったということ
失った彼女は1日、借りていた時間を返済したということ
ま、そんな講釈はどうでもよく、オリジナルの台湾の風景や南国感溢れるノンビリさと都会の忙しさがキチンと作品に織込まれていて、オリジナルには勝てないという結論である 題名の件も、台湾ならではの気候と生態系故だから違和感ないしね^^
24時間、世界が止まったら?
とっても素敵なラブストーリー。
日常的でユーモラスなのに、もの凄く非日常。
(2020年台湾映画)
監督はかなり妄想癖が強い?
満足度120%付けたいと思いました。
なんともハートウォーミングでロマンティックな映画です。
(本当に観て良かった)
起承転結のすべてが完璧。
中盤の種明かしからラストまで、見事に収まるファンタジー。
台湾のバレンタインデー
(年2回あって2月14より、7月7日が盛り上がるそうです)
1秒先に笑ったり、シャッターを押す前に必ず目を閉じたり、
人よりワンテンポ早いせいで、
モテないシャオチーが、遂に素敵な男性と出会った。
公園でダンスを教えるイケメンで、映画デートにも誘われ、
バレンタインデーを一緒に過ごす約束をする。
ところがその朝目覚めると、世界はバレンタインデーの翌日に
なっていた。
失意のシャオチーは交番へ駆け込んだり大慌て。
なんと近所の写真館に自分の写真が飾られてる。
浜辺でパラソル。一昨日の現像だという。
目はバッチリと開けているとても自然な写真。
停電中にヤモリのお告げがあり、子供の頃の忘れ物の中から
出てきた038の番号の鍵。
それは郵便局の私書箱の鍵だった。
もしかしたら、毎日手紙を出しに来るバスの運転手の彼と
関係があるかも知れない・・・
そう思ったシャオチーはバイクを借りて、付近一帯の郵便局の私書箱を
探しに出かける。
中盤からの種明かしはバスの運転手のグアタイがしてくれます。
世界が1日だけ止まった日に、
グアタイ(バスの運転手)が、動かないし固まったシャオチーを連れて、
海辺へドライブして過ごした1日。
恋人ポーズのツーショットやら、
シャオチーのポートレートやらを撮影するシーン。
マネキンみたいに動かないシャオチーにポーズを付けるシーンが
なんとも美しくて多幸感に満ち溢れています。
(一歩間違えば変態?ストーカー?!そんな危うさも、
(シャオチーの美しさと人形設定でマイルドに)
カメラで撮影するシーンが凄く心に響きました。
写真がホントに素敵。
マネキンみたいにまばたきひとつしないシャオチー。
奇跡のように美しいポーズの幸せそうなシャオチー。
シャオチー役のリー・ベイユー。
よく見ればとても美しい人です。
顔もスタイルも抜群です。
海の中に土で盛られた一本道。
そこをどこまでも走るバス。
水平線が見渡すかぎり広がり海は果てしなく広い。
(天国へ続く道を連想しました)
このシーンがジーンとする。
帰り道。
バスに10数年前に失踪したシャオチーのお父さんが乗り込んでくる。
このエピソードも胸を打つ。
こんな発想が何処から生まれるんだろう?
最高に素敵なファンタジー。
グオタイが初恋の女性シャオチーへの愛を貫く強さ。
それが感動的なのです。
2人は10歳の時に出会いがあったんです。
グオタイのシャオチーは初恋の人でした。
手紙交換の約束もあった。
シャオチーは忘れている。
グオタイの純情が胸に沁みます。
なんと来年(2023年)
日本版のリメイク「1秒先の彼」が
岡田将生と清原伽耶の主演で公開されるそうです。
山下敦弘監督、脚本は宮藤官九郎。
どんな素敵なファンタジーに生まれ変わるでしょう。
彼の方が1秒先の設定だそうです。
キャラクターが魅力的だった
・登場するキャラがとても魅力的で明るくて楽しかった。家にDJモザイクが現れたりヤモリのおじさんなど、あの主人公ならありだと思わせられる。お母さんも失踪されてるのに明るくてとても良かった。
・豆花っていう料理がどんなのか食べてみたくなった。
・単純な話かと思ったら、時間の利息?による誰も動いていない映像のSF的というのか、そういった状況になる理屈もあって、深みが良かった。後半に、青年の他にお父さんと連れも動いていて驚いた。改めて思ったのは世間と合わない人たちが、あの時、動けるのかもしれない。そう思うと、ささやかなご褒美を受け取ることのできる人とそうでない人、自分はどっちだろう。青年が時間を止めて彼女との思い出を作っていたのが良かった。きっかけも、数日間、入院中に励まされたからっていうだけなのも良かった。私書箱の鍵や手紙を送っても届かなくないか?と思ってたら、すぐにその誤りに気づいたっていう感じも子供っぽい感じも良かった。
・スクーターがとにかく多くて驚いた。警察もスクーターだったし。バスも手を上げて停めてたり、日本との違いが面白かった。
急がなくても大丈夫、愛はゆっくりやってくる。
1秒先を生きるヤンシャオチー
郵便局で働く独身の彼女、性質はそのままに周りとうまく付き合いながらも将来に対して漠然とした不安を抱える。
仕事帰りに公園で出会ったダンスのインストラクターを名乗る男。
数日のうちに急接近する2人だが、約束のバレンタインの日と共に男は消えてしまう。
少ない手掛かりから失った人と一日を探し始める。
1秒後を生きるウーグアタイ
幼い頃の交通事故で両親を亡くし、入院先の病院でシャオチーと出会い、彼女に忘れられながら約束の文通を続ける。
何度か再開のチャンスはあったものの名乗ることはできずにいた。
毎日の1秒はまるで利息のように20年に一度、世界の停止した24時間として還元される。
その一日の中で2人は共に過ごし、それぞれの生活に戻ることを決意したグアタイだが、失踪したシャオチーの父の言葉を思い出し、トウファを買いに動くが交通事故にあう。
一年の時を経て再開する2人、
「自分を愛そう、誰も愛してくれないのだから」
「自分を愛そう、愛してくれる人がいるのだから」
消失的情人節の原題にも遊び心が加えられる。
ほんのり感動できる台湾映画
ストーリー後半に話がつながり始めてからが面白い。
最初はよくあるタイムリープ系か!?と思ったが、そうではなくて時が早く進む人もいれば遅く進む人もいて、その’清算’のしかたは人それぞれ、という設定がとても斬新だと思った。
郵便局に勤めて30代になりまわりから結婚をせかされる主人公の日常に、本作品の核となる時間のズレの要素が加わり、時に笑えるシーンもあればほんわかとして気持ちにさせてくれるシーンもあり、感動を与えてくれるシーンもある。
初めて台湾映画を鑑賞したが、風景は日本の田舎と似た部分があるし、人々の表情の作り方も他の洋画と比べて日本人と似ていると感じ、とても親近感を感じられる作品であった。
台北の茜色の夕陽に胸を焼かれる
本当に素敵な映画。
何度でもまた観たくなる。
台北の茜色の夕陽に胸を焼かれてしまいました。
日焼けしたシャオチーの顔
目覚まし時計
ラジオ番組のDJ
ヤモリのおじさん
郵便局の私書箱のカギ
アナログカメラ
天然木の三脚
乾燥春雨
惣菜店
路線バス
メロンパン
お坊さんの運転する2人乗りスクーター
海水浴場
シャオチーが全く表情を変えないまま、身体を少しずつ動かされて写真を撮られるクレイアニメのようなシーンが秀逸。
リゥ・グワンティンが好青年でとても良かった。寝ているシャオチーにとうとうキスできなかった。
うるう年の1日のような彼の復活。
原題は消失的情人節 My Missing Valentine 七夕なんですね。ワンテンポ遅い男の誠実さ。切ない純愛。子役の子も良かった。人目を気にせず、泣きたい。
豆花って、沖縄のジーマミ豆腐みたいなものかと想像しました。暑い日が続くので、ついビールのつまみかと思ってしまいました。緑豆をトッピング?豆腐の上にまた豆?
台湾のスイーツなんですね。
これからはやりそうですね。
豆花を食べてこの映画を思い出す。
アリだと思います!
アメリが好きな人に観て欲しい。
後半のロケーションの美しさ、
彼の撮った写真にも、うっとりしました。
主人公のバレンタインデーが丸一日無かったのは、人より早く生きていた彼女だったからなのかな。
なぜか、最後に泣きそうになった。
あの日からあの時からの想いが通じたことの奇跡。
どうしてもキス出来ない彼が可愛かった。
最後の最後の写真は、あの後の2人で撮ったのかな?
心がほっこりとする恋愛ファンタジーでした。
ツッコミどころが多い
これ日本の映画だったらクレームくるだろうなー、ってことがいくつかあった。
(切手舐めて貼ったり、駅の階段に座り込んだり)
まさか、主役の男性が後で出てくるとは思わなかった。
時止めシーンはツッコミどころ満載。
風なびいてるのと、海の波と、日が沈むのに違和感があった。
日が沈むのは、ワンテンポ遅い人がみんな1日分を多く体験してるからってことかな?
遅い人が1日分の利子をもらい、早い人は1日分の利息を払ってるって解釈。
日曜日とはいえ、一緒に住んでた人はどうしたんだろ、食事で顔合わせることくらいあるだろうに。
お父さん、なんでも遅いのに早○なのがおかしい。
それと、受精が早いのはみんなだし、受精がワンテンポ遅かったら産まれなくない?
(知識が間違っているのかもしれないけど)
謎なのは、最後の方に男性が車にひかれるシーン。
なんの伏線にもなってる気がしない。
あと、お父さんが帰ってこない設定にした理由がピンとこない。
私の理解力が足りないのは確かだけど、疑問が生まれそうなシーンは減らしてもよかった。
とはいえ、自分が製作側だったら色眼鏡で見てしまって気づけないだろう。
これだけ批判したが、ツッコミどころなしにしたら、ストーリーよくできてるし感動する。
映画の中は、細かいところまで現実とは違うのかもしれない。
現実のツッコミどころは、映画の中の世界では常識、との感覚で映画を見るべきだと思った。
これではただの変態では
主人公もてそうだよね。これだけ明るく前向きにいく人が、彼氏がいないっていう設定が『無理あるなあ』と思ったの。
その主人公のバレンタインの一日が、なぜか、消えてしまった。どうしてだ?
てことなんだけど、答えは一日寝てたからだよね。良く一日寝ていられるな。
それで主人公のことをずっと思っていた男の人がいて、その人は他人の時間が止まっている間も動くことができて、それで主人公を海岸に連れてったんだよね。
主人公の時間は止まってて動けないから、ポーズをとらせてやたら写真撮るんだよね。
これ、僕は、もしやられたら結構イヤだよ。時間止められてる間に連れてかれて、それで勝手にポーズとらされて、写真に撮られるって。
しかしなぜか『これが純愛だ』みたいになってハッピーエンドだったね。
突然、主人公が男の人になびくのも、良く分からないんだよね。自分のことをずっと思っててくれたからかな。
色々と整合性がないところが気になったんだけど、そこを気にしなければ、面白いと思うよ。
SF(少し不思議)なラブストーリー
楽しみにしていたバレンタインデーがなくなってしまったという設定。ラブストーリーだけど、少し不思議な話。なくなったというよりバレンタインデーの記憶が全くなくなってしまったという方が正しいのかも。
なくなってしまった1日の謎を解いていくミステリーっぽいところがあるのだが、グアタイ以外の人の時間が止まっていたという結局はSF(少し不思議)な話だった。こういう話は好きなのだが、車も全て止まっているのにグアタイが運転するバスが普通に動いたり、海では普通に波が起きていて混乱してしまう。さらに、あの話だとみんながバレンタインデーの記憶がなくなってしまったということになるのだが、参加しようとした大会がなくなっていたことや、バレンタインデーの記憶がないことを他の人が普通に受け入れていることとか、辻褄が合わない気がする。それに父親のエピソードも能力関係なく疾走してしまったってことなので少し残念な気分になる。そしてグアタイが時間が止まっているシャオチーを連れ回して好き放題するという展開に若干の違和感が。あの程度ですんでよかった。
ただ、そこらへんの辻褄を気にしなければ、ラブストーリーとして観終わった印象も悪くはない。もったいない。
弾丸特急ジェット・バス
愛らしい映画だと思う。
タイトル(原題「消失的情人節」)の仕掛けも面白いし、スーパーインポーズの入れ方も洒落ている。最初はこの娘が主演?とちょっと微妙だったけど、くるくる変わる表情を見ているうちにどんどん愛らしくなってくる。
ただのせっかちな女とのんびりな男の話が、無理筋なファンタジーに転化する。例の現象はどう見ても“時間”が止まったのではなく、“動き”が止まっているだけだ。波は寄せたり返したりしているし、風もそよいでいる。何なら人物を移動できるのもおかしいし、バスを走らせているのも同様。のんびり君の余禄が積もり積もってという説明もよくわからないが、彼女を送り届けた朝に、もう一度バレンタインデーを迎えるとか独白していたので、彼以外の停止していた人々にとっては消えた一日はなかったことになる。主人公だけバレンタインデーが消えたのは、彼の逆で時間感覚が速かったせいということなのかもしれないが、そのへんがあいまいだ。
彼女の失った一日を見せる後半は物語が停滞してしまい、片思いの彼の暴走を延々と見せられているだけなのがつらかった。
ラストのカウンター越しの涙の輪唱には、こちらもつられて号泣。それでも全体的には相殺して辛めの評価になった。
ビージーズの“I started a joke”は心に沁みるいい曲だ。
女性連れ去り
始まって早々は、ヒロインのシャオチーをあんまり可愛くないと思ったんですよね。
だけど映画が進むに連れ、仕草が可愛いなと思う様になり、笑顔も可愛く見えてくるんです。
特に時間が止まってる時の穏やかな微笑みは、絵になる美しさだったな。
さて、話は変わるのですが、男だったら人生で一度くらいは女の子を連れ去ってみたいと思うじゃないですか。
勿論、犯罪的な意味じゃなくて。
違う言い方だと「ダスティンホフマンしてみたい」ですかね。
ちなみに私は人生で一度も連れ去った事は有りません。
最近見た理想的な連れ去りは、back numberさんの『怪盗』のMV。
連れ去られる鈴木ゆうかさんの表情が良いから美しいんです。
それで、この映画の連れ去りシーンなのですが、女性の意思を無視して連れ去ります。
時間が止まっているので、仕方がないのですが。
しかも、女性を使ってやりたい事をかなえます。
普通に考えたらアウトです。
でも、グアタイの想いが純粋なのと、連れ去られるシャオチーの表情が良い事(止まってるけど)、そして事実を知ったシャオチーが受け入れてグアタイを待つ事を考えると、ギリギリセーフかな。
そんな感じで迎えたラストシーン、良かったです。
二人の泣くタイミングが絶妙なんですよね。
ラストシーンが良かったから、良いファンタスティックラブストーリーと思えました。
ギリギリ愛せるヘンタイ
時間がねじれる系のラブストーリーは好きで、よく見るけど、これはそうくるか!と新鮮だった。
ワンテンポ遅い彼がやっていたことは、よくよく考えるとストーカーだし、無抵抗の彼女をあっちこっち連れ回して写真撮るのもヘンタイだし…
でも『アメリ』を思わせるようなシュールで可愛らしい演出、台湾の海辺の街の美しさ、そしてキスしようとしてもできず一晩中もじもじしてる彼の不器用さ…なとが相まって、ギリギリ許せる、愛せる、絶妙なバランスが成立しているなあ。
人より遅くて、普段ちょっと損をしている人が利息として奇跡の時間を与えられるという優しい世界観もいいなあ。
全31件中、1~20件目を表示