1秒先の彼女のレビュー・感想・評価
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牡蠣の匂いのする映画
1秒早い彼女と1秒遅い彼。
前半は郵便局勤務のシャオチー目線、後半はバス運転手のグアタイ目線の2部構成。
シャオチーがタイエビお兄さん(最初はこの人が1秒遅いんだと思っていた)と出会い、恋に落ちる。
明日は七夕バレンタイン!
デートの約束をしていざ!というところで、1日後へ吹っ飛ぶ。
毎日郵便局で手紙を出す変人。
ニヤリ「ありがとう」と不気味な様子。
そう、彼こそがもう一人の主人公グアタイだったのです。
正直、出始めはただの変態ストーカーにしか見えない。
しかし、2人の過去には繋がりがあって…
時空間を絡めた伏線回収系、大好物の作品でした。
実際のところ、1秒早かったり遅かったりしたら、会話も成立しないよなと思いつつ。
多少のアラはあるものの、不思議なバレンタインデーのタネにはなるほど!と感心しました。
ファンタジーなのにどこかあり得そうなファンタジー。
もしかしたら、知らないだけでこういう人身近にいるかも笑
失踪お父さんもガッツリ絡んできて、冒頭のラジオ放送もしっかり回収。
それにしても、あんな優しいラストからの「自分を愛そう」のテロップは最高でした。
台湾いいな。豆花美味しそう。
家守ヤモリにDJモザイク。
主人公含め登場人物みんな魅力的でした。
郵便局の映画なら「海角七号」とこれ
「手紙」「郵便局」「台湾映画」で連想ゲームをしたら、まず思い浮かぶのは魏徳聖監督の「海角七号」(2008年)だろう。しかし、今後はその中に「1秒先の彼女」が加わってくるかもしれない。
何をやっても人よりワンテンポ早い楊曉淇と、逆に何でもワンテンポ遅い阿泰。冴えない30女の楊曉淇は郵便局勤め。ある日出会ったダンス教師の劉文森と恋に落ち、七夕情人節にデートの約束をするが・・・。ここまでが前半。
情人節というのはバレンタインデーのこと。台湾には年に2回バレンタインデーがある。いわゆるバレンタインデー(西洋情人節)とは別に旧暦の七月七日の七夕の日もバレンタインデーだ。そのバレンタインデーのデートを楽しみにしていたが、楊曉淇が目覚めるとバレンタインデーは1日前に終わっていた。
原題は「消失的情人節」。「消えたバレンタインデー」という意味だ。ちなみに私が邦題をつけるなら「バレンタインデーが消えた」にするかな。
映画の後半はその1日が消えた謎にせまっていくラブストーリーだ。
見る前は実は「陳玉勳+ラブストーリー=???」で心配だったが、前半は陳玉勳カラー爆発でぶっ飛んだゆるい笑い(矛盾してるか)満載のコメディだ。台湾映画と言うと侯孝賢と楊徳昌しか知らなかったから、「熱帯魚」(1994年)や「ラブゴーゴー」(1997年)を始めて見た時の衝撃は忘れられない。その期待を裏切らない陳玉勳映画になっている。
ところが、後半は前半ではちょい役だった阿泰が主役に変わる。ここからはラブストーリーのカラーが強くなって、コメディでありながらもしっとりと心に沁みる作品になっている。「陳玉勳+ラブストーリー=???」の心配は杞憂に終わったが、実は「陳玉勳+ラブストーリー」の2本立てだった。
阿泰を演じるのは台湾映画ファンなら最近一番気になっている役者劉冠廷だ。「ひとつの太陽」(陽光普照)や「無聲」「同級生マイナス」(同學麥娜絲)での演技が印象的だ。「無聲」ではすごくいい人、「ひとつの太陽」ではどうしようもないワル、「同級生マイナス」では人から少し馬鹿にされる不器用な奴と全く異なる役を演じ分けている。今回の役は「同級生マイナス」の時とよく似ている。彼の演技なくしては阿泰にリアリティを持たすことは不可能だっただろう。
台湾映画のファンには「星空」の林書宇監督や「KANO」の馬志翔監督がゲスト出演しているのも嬉しい。大阪アジアン映画祭あたりで上映したら会場がざわつくこと間違いなしだ。
台湾映画にしては珍しく大手の配給会社がついている。ヒットしてほしいものだ。
【“ウサギと亀””人生は記憶の積み重ね”あんまり、せっかちな日々を送っていると、大切な事を忘れてしまうよ!ホンワカし、じんわりと涙が出てくる、時を巡る、素敵なラブファンタジー作品。】
ー どこか、懐かしい風合の映画だ。台湾の海辺の田舎の風景が、日本の田舎の海辺の田舎の風景に、似ているからだろうか・・。ー
◆人より、何事もワンテンポ速い、シャオチーと、何事もワンテンポ遅いグアタイの物語
◆印象的なシーン
・前半は、消えた”七夕バレンタイン”(ソンナノアルノ、台湾には・・。)を巡る、ややミステリアスだが、可笑しき物語が展開。
- ”モザイクDJ”って、どうなのよ・・。ー
・何といっても、人よりノンビリと生きてきた人に与えられる”人生の利息の時間”と言う設定を可視化したシーンの中で、繰り広げられる物語であろう。
ー そのシーンの中で繰り広げられる、前半の各シーンで描かれた、ワンショット、ワンショットを回収していく物語の秀逸さであろう。
シャオチーの失踪したお父さんと、シャオチーのツーショットを撮る、グアタイの姿は沁みたなあ・・。そして、お父さんがグアタイにお願いした一言も。ー
<全てを思い出したシャオチーが、グアタイの事を思い出し、038の私書箱がある郵便局で、グアタイと再会した時の表情。
ほんわりと、じんわりと、心に響く、素敵な、時を巡るラブストーリーである。>
前半の女性視点の部分は先に期待を持たせてくれたけど、後半の男性視点...
前半の女性視点の部分は先に期待を持たせてくれたけど、後半の男性視点になってからがキャラが魅力的に感じられないので期待はずれだったなぁ。
痛い純愛のようでかなり深い映画
レビューが難しい作品です。
面白いか面白くないかと言われたらかなり前者です。でも素直に納得できず楽しめない部分もありました。
意外性のある純愛映画として見るか痛い男の歪んだ恋愛模様にも見れます。
とにかく普通ではない意外なストーリーはかなり驚くと思います。
個人的に嫌いではないです。フランス映画でリメイクしたらもっとスマートに楽しめる題材かも。
人間世界の業を真剣に考える方には心に響く何かがあるかも。
何故かラストはホロリとしました。
タイトルなし
ベタベタな台湾感満載の映画!
個人的には台湾5年ほど暮らしたので、当時の日常を思い出させてくれ、またコロナで訪台できない中、旅した気分にもしてくれました。
また、やさしめの中国語の内容なので、忘れかけた中国語の復習にもなりました。
しんみりさせつつ小技を効かせた笑いどころが沢山、ストーリーもよくできてて見ごたえあります!
きっとゲラな人が多い台湾の劇場では皆さん爆笑だったんでは!?
さすが金馬奨受賞作!
ファンタジーでちょっとミステリーなラブストーリー💓
パッとしない30歳の郵便局員が主人公で、見るからに怪しいハンサム君と出会い恋に落ちる…な前半なのですが、このハンサム君の素性はいつ暴かれる?とニヤニヤしながら見ていても中々暴かれず、あれ?この人と恋に落ちるの?ウソ?え?1秒遅いカレはいつ出てくる??と思いながら見ていました。お弁当作戦は本当に美味しそうだったし(でもほぼ初対面でお弁当作って持ってくる男性ってどうよw、と思ってたら、伏線でしたねw)
そして後半、いよいよ1秒遅い彼が出てくるのですけど、この彼がまた割と素朴でいい味出してる!!後半、そうだったのか、なんて切ない、そして一途な彼の想いにグッとくる…なんだか写真が沢山出てくるのはこう言うわけだったのね。都会が舞台だった前半に対して後半は素朴な海岸。浅瀬にいくつか家が並ぶ海の道をバスが行く風景は本当に美しかった✨あの場所の名前、知りたいなぁ。
そしていよいよ会える!っていう時に、え?嘘でしょ?な展開…あれで終わったら嫌いになったぞ、この映画ww(セッションのラストがトラウマになってる自分)
でも大丈夫だった✨最後に出てくる牡蠣の干したのを送ろうとするおばあちゃんも大好きになる、とってもいいラストシーンだった✨そして一年後の彼女、とっても綺麗でしたね💓すごくうまい女優さんだったなぁ。そしてカレもだんだん素敵に見えてきて本当に可愛い2人でした✨
映画見終わって、映画の半券持って春水堂さんの豆花もしっかりいただきました!
SFとして稚拙すぎるのでは?
常にワンテンポ早い“彼女”が積もり積もったあげくに1日損して、常にワンテンポ遅い“彼”が1日得する(と理解したのだが、合ってるだろうか?)。
だとすれば、アイデアは面白い。
しかし本作では、“彼女”だけでなく、“彼”以外のすべての人間が1日損してないか?
退屈して居眠りしたので自信はないが、つじつまが合わない気がする。
郵便局の私書箱のところも、理解できなかった。
結末をみれば、あたかも“彼”が、最初から“彼女”の行動も含めて、その後の展開をすべてコントロールしていたかのようだ。
“彼”は、神なのか?
自宅の壁やタンスから出てくるDJやオジさんも、意味不明だ。
「異空間との交信か!」と期待したが、深い意味はなく、ただの挿入ギャグや“夢”のようだ。
SF映画は、なんと言っても、設定や時空のトリックが第一だと思う。
もし、自分の理解に誤りがなければ、本作は稚拙すぎる。現実と非現実が、ルールも無く交錯する。
あるいは、自分が理解できていないとすると、本作のトリックは映画「テネット」みたいに難しすぎる。
どちらにせよ自分としては、“台湾の雰囲気”を楽しんだだけの、つまらない映画だった。
設定は嫌いじゃないが...
その設定
なんでもテンポがひとつ早い女性と
なんでもテンポがひとつ遅い男性
って所があまり効果的でなかった感じがある
あまり煮詰まってない感じがあった
物語全体が明るいトーンで安心して観られる所とか
時のはざまの描写とかは好きだったけどなぁ
どう魅せたいかが定まってない感じがして残念だった
いちいち出てくるDJモザイクとか
意味不明なヤモリの件など
独創的な部分は嫌いじゃないんだけど
最後の時のはざまと言えるシーンとかの設定が後一歩何か欲しくなってしまう感じ
悪くはないけど何か足りない物語だったな
やっぱ、可哀そうだな
すれ違いと言うよりも片思い
やっと実った事になるのですが、これまでの彼が可哀そうでした
良くできた映画と思いますが、恋愛映画としてはあまり感情移入ができなかったです
やはり、俳優さんが自分の好みに合わなくては・・・・
こんな現象、ある程度の確率で、人々に発生するのであれば、怪奇現象に事欠きませんね
日経新聞の評価で満点が付いていたので急いで見に行ったのですが、少し残念
本作品に対する各界の方からのコメントに「マイベスト映画を更...
本作品に対する各界の方からのコメントに「マイベスト映画を更新してしまいました」と寄せられてたのを目にしたんですが・・
うん、うん、自分もそれだーー!
となる作品でした。
シャオチーのせっかちで
顔芸のレベルの高さとちょいちょいツッコミ入れる感じとか
グアタイのおっとりだけど
アブナイ人みたいなところ
でもなんだか優男なとことか
シャオチーの隣の席のおばはんとか
シャオチーのママのちょっと高めの声とかなんだか好きがたくさんちりばめられてる
ちっさなエピソードも重要なエピソードもとても楽しくてずっと口角上がってた
気がする
懐かしい感覚も覚えたりするのは台湾作品だからかなぁ
ほっこりして、じんわりして
作品のもつ雰囲気も好きだし
映像も好き。
グアタイが1人奮闘するところの
映像は撮影風景を観てみたいな
うん?!Mr.ノーバディ?!ってなる
とこも好きだなぁ
個人的好感度MAXなので
おかわりは決定です(^o^)v
【なんかスコアを高めにしたくなる映画】
前に、ビートたけしさんが、良いことが続くと、悪いことが起きるように祈ると言っていた。
それで、悪いことが続くと、その後に起こることがとても良いらしいのだ。
なんか分かる気がすると思った。
(以下ネタバレ)
この物語の時間に関するあれやこれやは、たけしさんの話に結びつくものではない。
それに、たけしさんの話しは、個人にプラスマイナスがあって帳尻が合うというのに対して、このグアタイとシャオチーの時間の利子のつくつかないは人によって異なるのだ。
出だしがちょっと早いシャオチーと、遅れ気味なグアタイ。
まあ、作り話なんだから、真剣に考えるなよと笑われそうな気もするけど、二人で時間の帳尻が合うとしたら、それはそれで、運命の二人のようで、ちょっと素敵な話のように感じる…のは、僕だけだろうか。
まあ、ファンタジック・アイデア賞ということで。
朝一番の回を観に行ったら、お年寄りの人がかなり来ていた。
これ、恋人同士向けの映画って思ってたけど、若い頃を思い出すのも良いかも。
ああ、あの時の恋は良かったとか。
ああしとけば、良かったとか。
見方は色々。
不謹慎と言われそうだけど、僕は躊躇わずにチューはしますね、きっと。
軽やかで工夫や仕掛けがあって泣けました
出だしのテンポについていけるかどうか─仮において行かれても、次のテンポまで我慢すれば、もしかしたら感動できるかも─仕掛けや工夫があって、それが最たる醍醐味で、ある程度ネタが分かればスッキリしてしまう作品かもしれないけれど、個人的にはもう一回、じっくりと見返してみたいと思いました。
ポップなエンタメだと思って見出した作品は、その軽さが存分に生かされた、感動的なファンタジックラブロマンスでした。
マネキンの演技はなかなか大変そうだな
1秒のズレが結果そうなるのかと感心。ラストは久しぶりに鳥肌が立ってしまった。ある種のお伽話なので、一々説明するのは野暮かもしれませんが、それにしてもお父さんに関してはもう少し説明欲しかったかな。
不思議なラブコメディ
郵便局で働くシャオチーは、仕事も恋もパッとしない日々を送っていた。ある日、彼女は公園で見かけたイケメンのダンス講師ウェンソンと、“七夕バレンタイン”にデートの約束をした。しかし彼女が目を覚ますと、既にバレンタインの翌日になっていた。シャオチーは消えた1日を取り戻そうと謎を追うが・・・という話。
人よりワンテンポ早い人や遅い人が居るけど、その積み重ねが消えたり追加されたりするという発想は面白かった。
小さい時に同じ事故に遭ったシャオチーをずっと思ってたバスの運転手が良かった。
シャオチー役のリー・ペイユーは可愛くて面白かった。
爽やか、なファンタジックラブストーリー。
一歩間違うと超ストーカーな話だけど主役3人の憎めない役柄と妙に納得させられた時間軸の話が見事にファンタジックな展開にまとめられている。自分を信じて進めば良いこともあるさ、と。海道を走るバスのシーンがなんとも幻想的、ロケ地に行ってみたい。
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