「バカとエリートは紙一重」映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園 keytonさんの映画レビュー(感想・評価)
バカとエリートは紙一重
久しぶりに映画館でクレヨンしんちゃんを観ました。おそらく「黄金のスパイ大作戦」以来だったので、抵抗がありました。しんちゃんとひろしの声優さんが交代して自分の知っているクレヨンしんちゃんではないと思っていましたが、気になったので視聴しました。
予想よりも面白かったです。子供向けにしてはギャグがシュールだし、青春群像劇を一週間でまとめていることに驚嘆しました。懐かしかったのが粘土のOPでした。二十年以上たっても色あせない演出で、ワクワクしました。
しんのすけ達は天カス学園でエリート教育の体験入学をするわけですが、全員優秀な生徒たちではなかったのが意外でした。カス組の生徒は子供とは思えない見た目をしていて、時々小中一貫校であることを忘れてしまいそうなキャラばかりでした。けれど、そういう子供向けとは思えないクオリティを見せつけるのが劇しんの面白い要素だと思います。
今回の劇しんはかすかべ防衛隊がメインでひろしやみさえの出番はほとんど皆無ですが、時々しんのすけのいない野原一家を映す場面では「しんのすけロス」の状態になったみさえを見ることができます。
見どころとしては、しんのすけと風間君が本気でケンカするシーンは見ていて動揺しました。特に風間君を演じた真柴摩利力がありました。二十年以上積もっていたしんのすけに対する感情を吐露したような演技で、強く印象を持ちました。
クレしんの映画といえば変な秘密結社が出てくるイメージでしたが、今作はシンプルで学校という狭い環境の中で「あなたにとって青春時代とはなにか」と振り返させてくれた良い映画でした。
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