劇場公開日 2021年2月20日

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「寄せ鍋か闇鍋か」短篇集 さりゆくもの Bacchusさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5寄せ鍋か闇鍋か

2021年2月27日
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悲しい

怖い

寝られる

映画監督兼女優のほたるという方の呼びかけにより集まった監督達による、特にテーマも繫がりもない(多分)5つのオムニバス。

いつか忘れさられる
両親と長女と婆ちゃんの食卓から始まるサイレント。
「光ちゃんはまだ帰らないのかい…」
家を離れた長男の帰宅で、改めて突きつけられる現実ですね。
劇場では生ギターでBGMがつけられていたけれど、その意図やサイレントにした意図を読み取ることが出来ず。
まあ、悪くはないけど、あまり刺さらなかった。

八十八ヶ所巡礼
2011年夏、徒歩で八十八ヶ所巡りをする男性に付いて廻ったドキュメンタリー。
2011年であることを前に出して話を始め、それとは異なる男性や、職業御遍路さんに取材をしたり。御遍路さんを追うドキュメンタリーとしては特に何もモンクはないし、信仰や信心を否定することも肯定することも、ここでは避けますが、どんな意図で作られたのか、何がしたかったのか理解出来なかった。

ノブ江の痣
顔に大きな痣を持つ妻が行方不明になり、捜す夫と、殴られて家を出た妻を救った男の話。
明らかにおかしな出掛ける時に装着する服の上からの脚ギプス。そして彼の起こす怪しい行動からの結末と、感情的に全てが釈然とする訳ではないけれど、壊れっぷりがとても面白かった。

泥酔して死ぬる
演技とやめられない酒談義のコメディ。
棒をネタにしているのは面白かったけれど、ぶっ壊せば良いというものでもないし…「KUSO」的なヤツですか?内輪でやって下さい。という感じ。

もっとも小さい光
彼女と同棲する家に北海道からやって来た母親と、母親に冷たい息子の話。
何しに来たのか判らないまま1ヶ月、今更の母親面と反発する息子というストーリーで、言いたいことはわかるけれど、自分だったら、住所すら教えて無いだろうな…と共感まではでかなかった。

ショートとはいえ、あまり深みを感じるものが無く、ノブ江の痣以外は残念な印象だった。

Bacchus