明日の食卓のレビュー・感想・評価
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母子3組の幸福な日常が、次第に暗く重く変調する
重いテーマを度々扱ってきた瀬々敬久監督のフィルモグラフィの中でも、これは群を抜いてヘビーなヒューマンサスペンスだ。菅野美穂がカメラマンの夫を持つフリーライターを、高畑充希がパートやバイトを掛け持ちして子育てするシングルマザーを、尾野真千子が裕福な義理親の実家の隣に建てた一軒家で遠距離通勤の夫と暮らす専業主婦をそれぞれ演じる。3人はいずれも石橋ユウという名の10歳の息子を育てている。仕事の苦労や姑への気遣いはあっても、息子に愛情を注いで幸せそうに見えた彼女たちの日常はやがて、育児に非協力的な夫の態度や、子供が学校で起こした問題などをきっかけに、徐々に壊れていく。 「夫は仕事、妻は家事育児」という古い価値観、育児ノイローゼ、シングルマザーの困窮、家庭内暴力など、本作で扱われる問題が今の日本で当たり前に存在するという悲しい現実。椰月美智子が原作の同名小説で投げかけたテーマを、菅野、高畑、尾野が渾身の演技で血肉化した。瀬々監督も3家族のストーリーラインを手際よく編み上げ、一体感のある群像劇として結実させている。 本作より1週間早く公開された尾野真千子主演作「茜色に焼かれて」もやはりシングルマザーと息子の物語であり、この共時性も興味深い。「茜色に~」がコロナの時代を描いているのに対し、「明日の食卓」の原作は2016年発表なので当然コロナ前の話なのだが、この国で数十年のスパンで続いている少子高齢化、経済の衰退、ジェンダー平等の意識の高まりと現実の乖離といった互いに絡み合う大きな問題が、両作品の背景に共通している。少し前の報道でも、世界の男女平等ランキングで日本は153カ国中の120位という猛省すべき事実が突きつけられた。日本の男性は女性に対し、とりわけ母という存在に対し感謝と敬意の念をもっと強めなければならないし、女性の立場向上にできる限り協力すべきだと本作を観て思う人が増えることを願う。
子供はいつだって親のエゴの犠牲者
殴り書き感想
尾野真千子と菅野美穂のところの
ゆうくんが顔整ってるし演技うまくてとても良かった
菅野美穂宅のシーン。
「いない方がよかったなんて言わないで」
子供がそんなこと言わなくていいようにしろよ。
大人のエゴだらけだ。
すごくつらくなった。
父親は何も言わずに出ていくし。は?
そんなこと言わせてごめん、
がなにより初めに出てこないところが、本当に。
あの場面ですら一人称が「お母さん」でなく、
「私」なところとかに、
仕事が好きで自立した母親みたいなを描いていて、
子供を汚いものみたいに見るところとか含め
すごくリアルだったのかもしれないけど。
しんどかった。
結局子供は母親の愛を求めている、
それにすがっていいふうに話まとめてるだけで
親たちがこれまでを振り返って
子供にちゃんと謝るシーンとかはなくて
本当に大人は都合が良い、
なにもかも大人目線だな結局、と思った。
菅野美穂のところと、尾野真千子のところは、
子供が問題起こすようになっても
仕方ないなと思うけど、
高畑充希のところに関しては
ほか2人と比べるとなんかあまりに。
いや、経済的困窮とか母親が常に居ないとかが
子供の精神にどれだけ影響を与えるかは当然だけど
あの生活において、
あれだけ親のこと心配して親を見れてる子が
「自分は愛されてない、嫌われてる」ってなるのは
なんかすごく違和感だった
どこにでもいる普通の母親だ、
みんなこういった悩みを抱えながら子育てをしてる、
母親からしたら救われるような映画なのかもしれない
実際こういった悩みや問題は
本当に当たり前にあるのかもしれない
けどこれをどの家庭でも起こりうるもの、
なんかで済ませてほしくない、
くらい子供の心の発育に大きく影響することだらけ
親の些細な言動たった一つが
どれだけ子供にとって大きいか、
その辺りの認識、描かれ方が軽い感じがして
すごく嫌な気持ちになった
けどこれはまともに大人になれている人は
感じない嫌悪感なのかもしれない
親に向いてない人は居る
いくら本人が子に愛情を注いでるつもりでも
それが子供の欲しい形でないことは往々にしてあって
子供が助けを求めてるとき、傷ついてるとき、
それに寄り添えず子供は心を閉じるしかない、ような
そういう親は確かにいて、きっと少なくなくいて
この映画に出てきた親子もそれで
それなのに具体的な改善策とかは講じられなくて
本当に子供の親を求める心を利用した和解で
もう最悪
ママって一寸先は死も不幸もある紙一重。日本のリアル。
10歳の男の子とそのママ3組。
息子の名前が同じ石橋ゆうという共通点以外、地域も暮らしも生活水準も全部違う。
つまり名前以外は接点のないママ達。
でも、10歳の男の子のママという大きな共通点。
体力も知恵もそれぞれの人格もできてきて、全く違う性格でも、ママに話さないことや話せないことが増えてくる年頃。
どのママも、ただ平穏な日常生活を守るために、
子供の暮らしを守るために、形が違えど奮闘中。
ただその我慢や葛藤は、全ては子供への愛情があるからできるものなのに、子供達にはなかなか伝わらない。
「お母さんが無理をしている、無理させているのは自分、僕がいなければ良いんでしょ」
この方向で伝わってしまう。
でも、子供はママをよく見ている。
ただただ頑張っているママを、無理しているママをよく知っている。
じゃあ父親は何をしているの?
戸籍上、いてもいなくても、
存在としていてもいなくても、
大して何もしない。
母親が無理しなくて良いように、負担を分け合えたら良いだけなのに、協力しようとなぜならないの?と聞かれても、責められているようにしか感じないようだ。
子供を見てと言われても、俺の事は見てくれないのかと疎外感しか感じない。
女性から見たら子持ちで何その発想?とクズにしか見えないが、よほど現代化された進化済遺伝子の持ち主でなければ、男性のほぼ100%がそのような思考回路だろう。
つまり日本の母親のほぼ100%が育児を一手に抱え、仕事をするならそれものしかかる。
そこに更に経済力まで担うかどうかは家庭次第。
そんなところ。
作中3組のうち、2組は、子供が1人だからまだ良い。
男2人を1人で見ている菅野美穂は本当に戦場だし、怪獣相手という台詞、そうだろうなと思う。
まだ、あんな夫でも時間の自由のきく職種だから、あれでも恵まれている方だと思う。
尾野真千子演じる母親のところにも、これから2人目が産まれてくるとさ。
兄になる子はお腹の子に言い放つ。
「可哀想」とね。
優しい子だったはずだが、母親があと一歩、息子が何を考えているか踏み込めないうちに、いつしか人の心の痛みがわからないモンスターになっていた。身体ごとは暴れない、違うタイプの怪獣。
でもよく見て、わかってる。
生活に余裕があっても、本音が通わないあの夫婦で、もう1人産まれても母親の我慢が増えるだけ。
隣に住む義母の認知症の介護も始まるだろう。
子供達は本当に、お母さんの事をよく見ている。
母親達も、子供達の心をいつまでも守りたい。
それだけだけど、だんだん距離は遠くなる。
大人にはまだ遠い10歳の子供達の大人びてきた視点と、ついてきた体力で加害や被害や怪我や死もすぐそこで起こりうる危うさと、まだまだ体力勝負な子育て真っ盛りの母親達の苦悩は、一瞬のバランス崩壊で不幸になる紙一重ギリギリのところにあること。
何もかもリアルに描いてあり、
わかるわかるしかない作品。
普段の暮らしぶりは色々でもどのママも、
走る走る。
未来の使えない父親を創り上げないために、
思春期直前の10歳男児育児、ここは踏ん張りどころの正念場。
作中のブログではないが、
日本には奮闘しながらなんとか生きているママが沢山います!
今日もなんとか乗り切って、明日の食卓を守ろう!
愛が伝わる余裕を、少しだけ残せるように、離れていても奮闘中の仲間がいることを覚えていて、自分だけ追い詰められている感覚は捨てよう。
ワーママは、
誠実な対応 誠実な仕事 何事も疎かにしないこと
そうしないとワーママのワーの側面は守れないが、
そのために家庭での裏側は手が回らずはちゃめちゃになりやすい。
この作品で色んな家庭を覗いてみて、
2人目が欲しいって、どれだけの人が思えるのだろう。
それがこの国のリアル。
高畑充希が、
困窮を気遣いデリヘルに誘う同級生の母に、
見下してるわけではないけどそういう事はできない!
ときっぱり断る場面、かっこよかった!
ただ浮気され離婚しただけで、
理不尽な生活費困窮に陥っているが、
31歳の立派な女性。
仕事を選ぶ権利まで捨てる必要ない。
おかしいよねそんなの。
いったい日本の母親達は、どうしてこんなに頑張らないといけないんだろう。
その子供達にしわ寄せがいくこの社会構造。
大変だけど高望みではなくただ食卓を守るため、生き抜くしかない。
3人とも好きな女優さんなんですが
3つの出来事がもっと複雑に絡み合って 一本の道に繋がっていく。 そんな期待もあったが あまり交差することなく あーそうですか、で終わってしまった。 主演3女優はいい味だしていたのにね。 60点 アレックスシネマ大津 20210706
母は守る
高畑充希の子の勇については、学校の対応が最悪。給食費集金当日に仕事中の親を呼び出すかな?ダラーとした担任や主任か教頭みたいなのが「(デリヘルの息子に)仕込まれてます。」とデリヘルの親(山田真歩)以外にはっきり言うのなら、学校できちんと対処すべきところ。高畑充希が職場のコンビニで山田真歩に言いがかりつけられたり、デリヘルに勧誘されるなど論外。この勇が生まれて来なければ良かった、と思い込む訳が不明。高畑充希がしっかり背中を見せているのだから。
尾野真千子の子優も謎。父は何かの拍子に見境なく母に当たり、それを見て育った子は両親を騙そうとし、祖母にまで暴力的になるのか。いい子いい子と言われてはいるが、かと言って過度な期待もされていないのにあんな風になるのか?普通母の味方になるかと。ストーリーに合わせた人物像にしたのではと感じた。子役は上手いけど。
余談だが、佐伯という担任が子供の名前にさん付けし、母親側の君付けと噛み合わなかった。多方面への忖度で男子にもさん付けしているが、観ていてやはり違和感を感じる。学校•教師自体が確かな理論を持たずに事なかれを選んだ実態に思う。
菅野美穂、あの昔からのギャーという叫び声はやめて欲しい。あの声を出していたら熱演と言えるのだろうか。ここの悠宇が、自分たちが生まれて来なければ良かった、という思考に入る理由もよくわからない。ややもすれば、父と弟の男三人でプールの時のように仲間になっているのだから。ま、父は捨てられたけど。
ある程度は親子と言えど意思の疎通が上手くいかず揉める事もあるかと思うが三人のユウの卑屈な気持ちになるほどと肯ける根拠が不十分に感じた。
また、ユウ君殺しの犯人役を三人の主役の母の誰かにせず大島優子に押し付けるのは何なのか。ブログの読者だからと無理無理こじつけたが、ここでドッと関心が薄れた。この人、誰?と。
それぞれの母なりに子供を守ろうとしているのは伝わった。
迫真
母親役の白身の演技。
予告で観て、ずっと気になってた。
菅野美穂の絶叫系母。
オノマチのねっとり系母。
高畑充希の一見サバサバ系母。
三人三様。
子育ては常に進行形。
今をなんとか乗り切っても、次々と波はやってくる。
今回は乗り越えた。
でも次はどうだろう。
今回リセットされ、落ち着いたようにみえる。
でも、まだ解決されてない問題が山積み。
一旦休憩という形で息をついた。
子を持たなくても、生きるって大変だよね、としみじみ。
オノマチ家の旦那の「お前の育て方が…!」というセリフ。
定番過ぎてちょっと笑ってしまった。
こんなこという人、今時まだいるのか?
現実味がない
全体的に何を伝えたいのかわからない映画だった。子役のセリフや、終盤のひこうき雲を見上げ、荒んだ登場人物らの心に希望が芽生えるシーンなど、全てが嘘臭く、ストーリーに入り込むことができなかった。
もう一度観返したい
子育てって本当にキッッツいなぁあああ 子育てした事ないけどマジでキッッツいわ 子供欲しくなくなる 自分に子供が出来てまたこれを観たら違う視点から観て、今抱いた気持ちとはまた違う気持ちになるんだろうな..... あ〜〜、大変だあ〜人生
重たいテーマ
母、子供、家族、人間の話です。
とてもハッピーな家族3組の話から
徐々にどんどん重たくなっていきます。
出ている役者さんたちの演技力が素晴らしいため
とても入り込んでみることができます。
ごく普通の人々が子供に手をあげてしまう。
それ以外でも、人の心の変化や感情が
すごく見える作品でした。
みんなそれぞれ違う悩みがあって
それは親も子どもも同じで、悩んだり考えてたり。
まさか子供がサイコパスだなんて、想像してなくて驚きました。
最後抱き合って泣いているのすらサイコパスの演技にみえてしまうくらいでした。
あの過程は解決に導かれるのか。
すごく重たいテーマだけど、自分や友達も同じ環境にならないとは言い切れないわけで、誰にでもあり得るお話だなと思いました。
生まれてこなければよかった、や、僕なんていらないんだ、なんて子供に言われたら苦しいですね。
高畑充希さんが息子に駆け寄って抱きしめるシーンは言葉がないのに、伝わります。胸がグゥーって締め付けられる。
人と人の感情のシーンが多いので
感情移入しやすくなり、涙がでました。
誰があの冒頭シーンの人なのか。
ラストでわかります。
息子を殺めてしまった母親。
同じ名前の同じ息子を持つ石橋ユウくんのお母さん。
大島優子さんでした。
誰があの立場になってもおかしくないほど
頭を抱えるシーンがたくさんあります。
虐待の可能性は誰にでもあるものだと思いました。
そこに至るまで一体何があったのか。
見てよかったと思いますが、予定を超える重たいテーマでした。
虐待の可能性は誰にでもある。
2020年。監督:瀬々敬久。原作:椰月美智子の同名小説。
3人の母親の共通点は小学生の息子の名前が、
《石橋ゆう》なのです。
3人の母親の日常を淡々と描く前半1時間はやや退屈。
後半はそれぞれの問題点が噴出してきて、驚く展開です。
石橋留美子(菅野美穂)=神奈川県在住。
…………………2人の小学生の男の子の母だが、フリーライターの仕事を生き甲斐としてる。
石橋加奈(高畑充希)=大阪在住。
…………………離婚して一人息子のゆうを育てる働き詰めのシングルマザー。明るい。
石橋あすみ(尾野真千子)=静岡在住。
…………………地元の名家に生まれた年下の夫と、小5の息子と実家の敷地に住む専業主婦。
3人の母親が交差することはありません。
(3つのエピソードのアンソロジーをまとめた感じです)
椰月美智子さんの同名原作では、
菅野美穂演じる瑠美子が子供を叱りつけて、
激しく殴る虐待シーンから始まっているそうです。
前半を3人の母親の紹介に当てていますので、退屈などこにでもいそうな母親の日常に、
私は共感も特に持てずにいました。
高畑充希さんが演じる加奈が寝る間も惜しんで働くシングルマザーで、
明るく健気で他人にも母親にも頼らず頑張ってて、
一番応援してみてました。
加奈には次々と金銭的苦境が襲ってきます。
みていて辛いです。
加奈が健気で明るいので余計に、いたたまれない気持ちでした。
あすみの息子は、友達を利用してイジメのターゲットを殴らせる。
それを見てる自分は手を下さない。
実はイジメの黒幕です。
「人を動かすのは面白い」とうそぶく性悪ぶりを現して、モンスター化して行きます。
そして、母家に住む姑(真行寺君枝)は、庭で用を足す・・・
それを知るのは息子のゆうだけなのです。
姑は認知症が進行しています。
あすみは普通にみても、かなり鈍いですね。
嫌いな姑でも、日々のゴミ出しをしてるか?してないか?
それを、知らないなんて、到底理解できません。
あすみの夫が、母家へ全く出入りしてない・・・これもあり得ないですね。
だったら家族揃ってボンクラですね。
そして、息子の異変にも気付かない《あすみ》です。
留美子は野心家だと思います。
ともかくライターとして頭角を現したい。
本音は家庭(夫より子供)より、仕事が大事・・・。
ヤンチャな息子2人に手を焼いて、怒鳴りまくりますし、カメラマンの夫が失職すると、
カメラを壊してしまう程、抑制のきかないところがあります。
「あなただって、もしかしたら子供を虐待死させるかもしれない!!」
これが隠れテーマ・・・なのですが、
モンスター予備軍のあすみの息子も、結局、なんの解決もつかないですし、
加奈の貧しさも、この先ずっとずっと続くのでしょうし・・・
(加奈さん、切ないですね。)
子供の靴は来年には、もう履けないのです。
日々の成長。すべてお金が掛かります。
加奈さんに幸多かれ!!・・・そう願わずにはいられませんでした。
ラストはライターの留美子が、虐待死をさせた母親を取材して、ルポルタージュを
書いています。
取材対象の女性は本当にどこにでもいる平凡な人でした。
でもたしかに、
留美子が子供の悪戯に激昂した時、沸点を超えたら?
あすみがモンスター化する息子に、手をかけたら?
加奈が貧困のあまりに、無理心中を考えたら?
これが「明日の食卓」ならぬ「明日の現実」
映画はなんの解決策も示さないけれど、解決しないからこそ、現実を映してるのかもしれません。
たしかな《警鐘》
どこの母親にも「虐待死」の可能性はある?!
そう言ってるように思えました。
瀬々敬久、何十年振りの快打。
いつの何が良かったか最早分からぬ瀬々敬久、何十年振りの快打。 一つ一つは凡庸な母子悲劇を三色盛ってやっと一本成立させる算段は成功。 ホラー(真行寺君枝降臨!)の塩梅良し。 三様の母の美しさに救われるからこそ、実際にはそうではないだろう事態の世への充満が怖い。 支持。
子育てに王道なし 社会の歪を描いた
近くの映画館で公開しなかったので、DVDを待っていました。 3人の”石橋ユウ”というから、何か絡みがあるのかと思っていたら、オムニバスのような、それぞれの事情を並行して描いていたのは、期待通りではありませんが、現代社会の子育て事情には、色んな困難があることがよくわかります。 楽して稼ぐこと、貧富の差が大きなこと、経済と幸せは必ずしも比例しない、、、などなど考えさせられました。
母の肖像
TELASAで鑑賞。
原作は未読です。
果たして、どのユウが殺されてしまうのか―
ずっとハラハラしながら観ていました。3つの家族の模様を映し、母親の視点だけでなく子の視点も交えながら展開されていくストーリーは、始めから終わりまでひりつく雰囲気を持続させ、とてもサスペンスフルで引きつけられました。
結局ユウ殺害はミスリードでしたが、どこにでもいる母親が犯したその罪は、3人の母たちにもふとしたはずみで起こり得たものであり、その身近さに戦慄しました。
崩壊してしまった3つの家族でしたが、一縷の希望が提示され、タイトルにある"明日の食卓"を迎えられるだろうことを予感させるラストがとても印象的でした。
男の子2人の母なので
映画の感想の星だけではないのかもです どの母親にも共感しました 生活と愛情と成長と… だって自分もまだ子供の時に人間産むのだもの 男の子の母親にしかわからない もどかしさ焦り苛立ち深い愛 最後は号泣でした。 母親を求めるかばう息子ちゃん達の愛に 物語というコンセプトではないのですが 子を育てることの難しさの母親愛の映画ですね 共感で感動しました
自分の母?それとも私?
Amazon primeに入ったので早速鑑賞。 子を育てる母には身につまされる物語で心を抉られそうになった。 暮らす土地、家族構成、生活水準が異なる3組の親子は実際に居るような雰囲気であると同時にそこに登場するお父さん2人ががっかりするほどに頼りない……それもまたリアルだろうと思いつつもこれを観た異なるタイプのお父さん方はこれを世のお父さんの雛形にしてくれるなと憤るんじゃないかと言うほどの頼りなさ…。 ストーリー展開のテンポが良く観ていて飽きなかった。 菅野美穂さん演じる家庭は子供さんが2人いる設定のせいか掛け合いが難しそうに見えて時々現実に引き戻される。 尾野さんは"茜色に焼かれる"と2作連続で観たこともありとんでもない女優さんだなと感動した。 高畑さん親子の置かれている状況も重く心にのしかかってくる。ここに来て高畑さんの演技を見飽きてしまったかもしれない。しぐさ表情とまた違った一面が見たい! 子供の洞察力に心抉られるのは、かつて自分も大人をそう見ていたことを思い出したのと同時に、現在子どもを育てる中であっけらかんとした純真さが大人(私)の失敗を受け流してくれる点に助けられることの両方が同時に浮かんで来たからだと思う。 矛盾点も少し浮かびつつも観て良かった。
頑張る母親を描いているが…
瀬々敬久監督作品だから観たのだが……微妙な映画だった。 静岡・神奈川・大阪で、同じ名前の10歳の子供=石橋ユウ(名前の漢字は異なる)を育てる3人の母親(尾野真千子、菅野美穂、高畑充希)が様々な問題にぶつかりながら生きていく姿を描いたドラマ。 3つの家庭環境は異なり、専業主婦だが子供間のイジメ問題に翻弄されたり、人気ブロガーで夫の浮気・失業などはあるものの仕事に没頭しようしたり、働きづくめのシングルマザーだったり……とそれぞれが問題を抱えていく。 ただ、ここで違和感をおぼえるのは、「子育てに生活に頑張る母親3人」は交互に描かれているのだが、「父親の不在」もしくは「父親が不在でなくてもダメ親父」という風景を見ると「それは無いんじゃないか!」と思ってしまう。 世の中には、そんなダメ親父ばかりではなく、懸命に働いたり活動したりしている父親はたくさん居る。 なんか、母親頑張る姿を強調したいためか、父親軽視の描写が個人的に共感することは難しかった映画。 <映倫No.122650>
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