劇場公開日 2021年2月26日

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「今週は見たい映画が多かったがその中でも良かった映画。」ミアとホワイトライオン 奇跡の1300日 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0今週は見たい映画が多かったがその中でも良かった映画。

2021年2月28日
PCから投稿

今年40本目(合計107本目)。

まぁ難を言えば、放送している映画館が妙に少ない点でしょうか…(大阪市でも1つしかない)。今後増えていくのかもしれません。

ここの「特集」はありませんが、公式サイトでは、問題提起されている「缶詰狩り」と「トロフィー・ハンティング」との違い、そしてなぜ「缶詰狩り」が問題なのか、詳しく書いてあります(公式サイトを見たほうが良いので、ここでは省略)。

この手の問題提起は確かに数が少なく(もしかすると初めて?)、日本ではおよそ考えられない類型なので(動物愛護法もあれば、そもそも日本では社会的非難を浴びる)、かなりの新鮮さがありました。
映画内でも触れられている通り、「こういう缶詰狩りは残酷だが、それが今の国を支えている(観光客がそれ目当てでくるので)から」という点は、単にこの類型が動物愛護の精神がどうとかという問題以前に、要は「先進国と発展途上国との考え方の違い」という点に全て帰着できるので(かつ、舞台の南アフリカは、アフリカの中では「比較的」経済的にも恵まれた国でもあるので、そこでそうであるなら、他のもっと貧しい国は語るまでもない)、単に「残酷だから」ということだけではなく、そもそも「なぜこういう類型を黙認せざるをえないような状況が生じているのか」(換言すれば、発展途上国が、このような(トロフィー・ハンティングと比較して)フェアではない「缶詰狩り」に、「わかった上で」手を出すようなことにならなければならないのか)という点も問題提起されており、かなり良かった内容です。

また、日本ではこういう問題は起きないだけであり、「動物の権利」「動物愛護の考え方」といった点、さらには一歩進んで「(理解した上で)なぜそのような産業に従事しなければならなくなtったのか」という点も考えさせる点で良い内容でした。

 ※ なお、このような内容ですが、射殺などのシーンは出ますが、多くの方に見てほしいという理由か、残酷な表現は回避されています。

 採点は下記を踏まえて5.0(満点)としました(4.8を5.0まで切り上げてます)。

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 (減点0.1) この「トロフィー・ハンティング」「缶詰狩り」といった、この映画の訴えたかたったこの2つのキーワードは、中盤から終盤にさしかかるまで一度も出てこず(描写としては出るが、語としては出ない)、事前に公式サイト等見ていないと、何が問題提起なのかわかりづらい(下手をすると、動物もの映画「だけ」と思い込んでしまいかねない)点はあろうかと思います(そのような事情なので、公式サイトを事前に見たほうが良いです。この点について、「缶詰狩り」」が「トロフィー・ハンティング」と比較していかに残酷なのか、という点について専門家の意見も結構載ってます)。

 ※ なので、この映画は公式サイトや関連するウェブサイト、書籍をいかに読み込んでいるか、が理解の大きな差につながります。

 (減点0.1) ラスト(エンディング)、「このような事情によりライオンの生息数は減っていき…」の部分、字幕ではそれらが下側に出るのですが、原文(英語表記)は上側に出る一方、周りの風景(アフリカの大自然)と色が同化して文字が読み取りづらい上に、妙に表示時間が短いので、読み取るのが難しいです(字幕だけ見てりゃいいでしょというのもあると思いますが、字幕も正しいとは限らないので。こういう問題提起型のものは、第一次的には原文をちゃんと読むことが大切なのに、それができない。かなり早く文が切り替わるので、速読の力まで試される)。ここはなぜそこまで読み取りづらくしたのか謎です。

 (減点なし) シネ○ーブルさん…「新作映画には2日間の株主優待券はご利用いただけません」とあるのですが、「したがって、2月29日以降のご利用をお願いします」って、2月29日っていったい…(たぶん単なるミス?)。ちょっと笑っちゃいました(まぁ、意味内容的に理解できるけど、ダブルチェックしないの?)。
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yukispica