「シリアスだけど最後は非現実的展開作品」美しき誘惑 現代の「画皮」 ゆうのすけさんの映画レビュー(感想・評価)
シリアスだけど最後は非現実的展開作品
日本の昔の伝説には妖魔や妖怪が登場しますし、漫画などでも妖魔や妖怪を題材にした作品はありますね。
さてこの作品では現代劇としてのリアルな展開で物語は進むが
真面目にゆくゆくは総理大臣になりたい
と考える主人公は若い政治家であり、
片やヒロインの女は優秀な男を利用し、自分の若さと自分の物欲や他人の生気を奪い、欲望を満足させたいと考える女。
その女は男の生気を吸い取る不思議な能力を持つ。
今までいったい何人の男のエキスを奪ってきたのか?美貌があるが正体は悪女である。
男はその女の美貌に惹かれ打算に騙されてしまい、女は男を見事に騙し結婚式まで持ち込むが
男はその直前に女の正体を知る事となる。
普通ならその時点でそんな女との結婚は男のほうから破談である。
そしてその見かけはハッピーなはずの結婚式では男から仕掛けるとんでもない2人の対決シーンとなる。
結婚式はいきなり坊主と変化した花婿と、化け狐パワーを持つ花嫁の対決で大パニックである。
お互いが武器ではなく、魔法か魔術のような戦いであり、常人に反省理解不可能なまるで異次元の戦いである。
しかし男の魔術名の掛け声とともにいとも簡単に大狐は消え去り、女は悲鳴と共にブッ倒れたのである。
まるで、漫画の北斗の拳か、聖闘士星矢の世界である。
こちらとしては何が起きたのかわからず唖然とするしかない。
いつの間にこの男はそんな不思議な技と能力を身につけたのか?
最初からその技を出せば勝負は簡単だったはずだ。
男はその戦いには勝つには勝つが
さらに単純に物語はそれで終わりではない。
その花嫁は負け、本当の正体の老婆の姿と成り果て、死のうとするが
なんと!この男は女が自ら死のうとするのを止めさせて、自分の若さをその女に吸い取らせて女を若返らせてしまう。
まあその男からしたらチョチョイのチョチョイくらいの朝飯前くらいの技なんだろうけど。
おそらくそれはその女を死なせず改心させたいが為であろうが
そこまでする自己犠牲的な男の姿に女は心が打たれたのか、心に何らか変化が表れたかのようには見えた。
そこはあくまで演技ではそう見えたが。
しかしそこで映画は終わり。
ストーリーとしてはその後日談も描いて欲しかった。
結婚式ははちゃめちゃになり
ご両親やご家族、その参列者達が心配である。
女と対決するつもりだったならば
結婚式は中止にすべきだったし
対決するなら相手と巌流島にでも行って無観客で対決すべきだったと思う。
観客にケガを負わせたり迷惑をかけてはならない。
しかしあれでは男は勝ってもその後は政治家を続けられるどころではないだろう。
そして妖魔の大狐は撃退されたように見えたが、果たして本当に消滅したのか?
女と男のその後の人生ははいかに?
我々普通の人間には魔術は使えないから
この主人公みたいなマネはとうてい出来ない。
つまり人間がこの手の女に勝つ事は不可能。
マジに考えればなんだか府に落ちない。
解決のやり方は荒唐無稽ではある。
ところで脇役のベテラン俳優さん達は程良いキャスティングで、ドラマ部分のリアリティを出していたと思う。
妖魔に取り憑かれたヒロインの女優さんの演技も熱演だった。
しかし女は古今東西を問わずやはり計算高く、基本的に魔物であり、信用出来ない。それなのに多くの男は特に美女には弱いし甘い。つまり女の見た目の美貌に騙されてはいけないという教訓か?
見る者にいろいろな解釈はあるとは思います。考えさせられました。
幸福の科学の映画は魔術系の荒唐無稽路線作品が続いていますが
どうせやるなら徹底的に荒唐無稽路線でやってもらうならそれもそれで面白いかも。