劇場公開日 2021年5月14日

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「女性への偏見と、大川隆法の願望」美しき誘惑 現代の「画皮」 これってどうなのさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0女性への偏見と、大川隆法の願望

2021年5月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

寝られる

(ほんの少しだけネタバレあり)
さて、今作のヒロインは、男をたぶらかす身勝手な美女(妖魔)という設定。
挿入歌の「女だからーお化粧をしてー可愛くなるのよー」みたいな、ステレオタイプも甚だしい歌詞が不快だった。幸福の科学の信者さん、特に女性陣は、これを観てなんとも思わないのだろうか。
しかも歌詞が長ったらしくてメロディと合っていない。お世辞にも良い曲とはいえない。なお作詞作曲は大川隆法。プロに作曲させたほうがいいと思う。

作品のメッセージとしては「見た目の美しさや、肉体の欲望に惑わされてはならない」というもの。
しかし、29歳年下の美女と再婚し、今作の制作総指揮も勤めた大川隆法はどうなのだろうか。自分を棚に上げて、よく偉そうな事を言えたものだと感心する。

ヒロインはとにかく「ナンバーワン」を目指し、総理大臣を目指す「塩村太郎」と結婚を試みる。塩村は、元総理を父に持つ、若手のイケメン衆議院議員。まさか、某進次郎への当て付けか?

塩村とヒロインに見られるナンバーワン志向、権力への欲急...これはいずれも、本気で国政を目指している幸福の科学・大川隆法の深層心理や欲求が投影されているのではないか?そう思うと、ゾッとした。

なお今作に限らず、幸福の科学の映画は脚本から演出、映像に至るまで、稚拙な点が目立つ。そして、霊などのスピリチュアルな要素や、「神様が悪をぶった斬る」という、カルトによく見られる善悪二元思考が特徴だ。
世の中、何が正しくて何が間違っているかなんて、そう簡単には決められないだろう。しかし幸福の科学の手にかかれば、「神=善!欲望を捨てましょう!悪はぶった斬って改心させればOK!」という独善的で単純な話になってしまうので、ストーリーに深みが出ないのだ。そして今作も例外ではなかった。

これってどうなの