劇場公開日 2021年4月9日

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「ボクシングジムに流れる青春の汗、挫折と努力を知っている人への讃歌」BLUE ブルー たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ボクシングジムに流れる青春の汗、挫折と努力を知っている人への讃歌

2021年3月17日
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鑑賞方法:試写会

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想像以上に大人向けというか、挫折と努力を知っている人こそ観て欲しい作品。負け続けても戦う男が、何故に挑み続けるのか…爽やかに汗が飛び散る、これまでにないようなボクシング映画だった。この作品を観た後に、監督からの話も聞けたので、そこを含めながら考えていく。

はじめに、瓜田という人間について。監督は30年もボクシングを続けており、ジムも転々としていたらしいのだが、モデルがいたそう。前座で戦っては負けて、祝勝会でニコニコしているような人。実はそういう人は、努力と挫折を強いのではないか。そういうところから始まっている。実際、瓜田が活躍するようなシーンは少ない。リングで戦う仲間に声を掛け続ける方が上手く、自分が戦えばすぐに負ける。よって、主人公と呼んでいいのかと思うくらい。後輩の小川や樽崎の方が道を走っているので、スポットがあまり当たってなかったように思える。彼自身の心情を内々に描きすぎたのか、監督の意図を聞いて納得するところも多かった。そこが少し残念。
次に、ボクシングシーンについて。これがとにかくスゴい。監督自身が殺陣を指導しているので、本物の試合を観ているかの臨場感とテンポに圧倒される。それだけではない。監督が「ボクシングジム版『トキワ荘の青春』」を目指したと言うように、ジムの魅せる表情が面白い。瓜田がトレーナーとして入る昼のムードと、選手が精を出す夜のムードではまるで違う。そこで生まれるドラマは、決してリングの上だけでは生まれない重厚感を持っている。その過程がリングにのぼる時までに繋がっているため、応援に熱が入る。
最後に、キャストについて。松山ケンイチの真っ直ぐで勝てない役どころは、背中が最もカッコいい。表にしないからこそ、秘めた何かと常に戦い続け、ボクシングに誇りを持っている。ただ、それ以上にカッコいいのが、柄本時生演じる樽崎。気になる子を振り向かせたい一心で始めたボクシングだが、次第に覚悟を持って成長していく姿はグッとくる。同時に、瓜田が戦い続けた意味をもたらすので、なかなかカッコいい。若干食っている気すらする。それくらい、スポットも当たっていたように思う。

ボクシング映画に吹く青い風は、諦めの悪い人や挫折を知っている人への人生讃歌となる。故に、私の人生経験はまだまだ。大人になっても、いい年してもずっと続けられる姿は、誰が言おうと無敵なのだ。そして戦い続ければいい。自分自身に。

たいよーさん。
Yoichi Uenoさんのコメント
2021年4月14日

このレビューにグッと来ました❣️是非観に行きます‼️

Yoichi Ueno
酒呑童滋さんのコメント
2021年4月13日

楽しみです♪

酒呑童滋
たいよーさん。さんのコメント
2021年4月11日

そうなんです!
監督自身ボクシングジムを転々としていた中、出会った人だそうで…。
爽やかで良い映画でしたよね。

たいよーさん。
41 conokiさんのコメント
2021年4月11日

今、観て来ました!
実在する方がいらっしゃったんですね。
グッとくるシーンが多くて、いい映画でした。

41 conoki