劇場公開日 2021年3月5日

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「素直な心で見られる映画。今週お勧め。」野球少女 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0素直な心で見られる映画。今週お勧め。

2021年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年45本目(合計111本目)。

タイトルからもう、何がどうなるのかという展開は90%以上わかってしまうので、あまり詳しく書くとネタバレありでもなしでもネタバレありと同じ扱いになるので短めに。

タイトル通り、一般には男性向けとされプロも男性の世界しかいない野球(日本も韓国も。韓国は本映画自体は史実に基づかなくても、ある程度チャンスは与えられているようです)で少女が挑んでいく、という内容です。
ただ、それだけ書くと単に「男女同権」という単語が思いつきます。確かにその点が7割くらいで描かれていますが、逆に言えば3割は「男女に関係せず実力に不足しているものはプロになれない」という描き方がされており、その点では男女に関係しないことです(すなわち、身障者野球や聴覚障害の野球等でも趣旨は当てはまる)。
要は、「プロでやっていく以上(=プロでお金をもらって、また、それを見に来るお客さんがお金を払って球場にやってくる以上)、最高峰のプロ野球の門をたたくなら、言い訳にはならない」ということであり、それはその通りでしょう(さもないと、「逆差別」が発生してしまうため)。

私自身は大阪市に住んでいることもあり、プロ野球を楽しめる場所も少ないし(コロナ事情…)、一方で大阪市という事情がら、嫌でも野球のニュースは毎日(シーズン中は)触れられる程度ですが、逆に野球のルールに詳しくないと何がなんだかわからない、というところはほぼほぼ存在しないので(おそらく全くない?)、その点の知識は不要かな…。

今週(3/5の週)はなぜか公開数が妙に少ないのですが、その中でもお勧めかな…と思える一作でした。

それにしても、「藁にもすがる~」「KCIA」とともに、韓国映画は本当に日本を超えてしまいましたね。アクションものでもこの手の映画でも。とはいえ、日本映画も「花束みたいな恋をした」が今でも大人気(3か月)、「ヴァイオレット~」も超ロングラン(6か月)と、すみわけは違っても、日本は日本の映画の良さを出していければ、と思うし、日韓は仲が悪いとは言われるけど、こういうエンターテインメントの中ではお互いに切磋琢磨してもらえれば、といつもいつも思っています。

採点は下記で5.0にしています(4.9→5.0)。参考にどうぞ。

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(減点0.1) 序盤に写真をみんなで取るシーンで「はい、キムチ!」と話すところがあります。なぜ「キムチ」なのかというと、日本で写真を撮るときに、「はい、チーズ!」というときのそれと同じです(「チ」の音を発音すると、そのメカニズム上、笑顔になるから)。このことは韓国映画に何度か行っているとほぼ常識ラインですが、かといって全員が全員そうでもないので、やや若干の補足があっても良かったのでは…と思いました。しかも…

(減点なし) 多くの方が触れているように「ドラマパートの、父親のとある描写」(とある試験を受ける関係)は不要かな…とも思えました。しかも、受けているのは日本でいう宅建なのですが(資格制度自体は日本とほぼ同じ模様。国家資格にもなっている)、実は宅建でも何でもこの映画には何ら関係がなく(そのあと、家を建てるだの何だのという話は一切出てこない)、妙なミスリードが発生する部分が結構あります(意識はしていないと思いますが…)。

 ※ 私が詳しくないだけで、日本でいう宅建は韓国では合格すれば弁護士並みに食べていける超有望資格だったりする??

キムチの件もそうで、韓国映画がわかる方なら、「ここは写真を撮るときの合言葉、だから特に意味はない」ことはわかりますが、宅建らしき試験を受けるシーンは何ら関係してこないので、全体として理解が混乱しかねないかな…と思いました。
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yukispica