劇場公開日 2021年5月12日

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「思い残したことなど、都合よく書き換えてしまえ」くれなずめ R41さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5思い残したことなど、都合よく書き換えてしまえ

2024年5月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

タイトルに込められた様々な意味を一つ一つ感じ取ると、青春時代の終わりを感じ、妙にしんみりした気分になった。
イケていない者同士が集まって彼らなりに過ごした時代。
お互いのダメ出しをしながら一生懸命生きている。
男子にありがちなバカでふざけたトーク。
5年ぶりに集まった理由は、友人の披露宴でする余興のため。
彼らだけに見えるヨシオは、5年前に心臓病で急逝した。
いつまでも続くと思っている青春が、終わらないまま途切れ、動けなくなっていた。
余興は大失敗した。
原因は、当時のままではないこと。ヨシオがいないこと。妙にその事実だけが彼ららしいバカ一直線のパフォーマンスになれず、気恥ずかしさによる曖昧な演技によって余興が盛り上がらなかった。
彼らが感じた心の空白。
二次会までの時間を使い、5年越しの想いを少しずつ話し始める。一つ一つ当時のふざけた行為を再現しながら、お互いその場所まで戻り、しこりの残った思い出を変化させようとする。
ヨシオが生き返ったかのような映像は、おそらく仲間の誰かのしたことだろう。
特にミキエへの告白はミキエの気分を悪くしキレキャラが際立つが、そもそもキレキャラであるが故、彼女の心情が見えない。
そんなトリックを使いながらヨシオの引き出物を畑に埋めようとする。
その畑の持ち主が現れるが、ヨシオにそっくりで皆驚きを隠せない。
彼の幻想が見え「過去なんか都合よく書き換えろ」というヨシオの言葉で皆であの日の出来事を再現した。
最後に見た彼の記憶と当時の状況。皆同じ気持ちで、ようやくヨシオを送り出せた。
あの日以来滞ったままだった時間。
やがて二次会の時間。
もうすぐ日が暮れる時間。
彼らの青春時代もようやく幕を閉じることになる。
下手でもいい。自分なりに一生懸命だった青春時代。
ずっとヨシオの影を引きずっていた5年間の終焉。
ちゃんと自分たちで締めることのできた青春。
ふざけた映画だったが、心のまま楽しんで生きていた彼らの青春の素直さに涙が止まらない。

R41
りかさんのコメント
2024年5月31日

レビューしていませんが、
ほんと、ふざけた作品ですが、
ホワ〜ッとジワ〜ッと来ますね。
だらだらグチャグチャしているのに、悲しさもあり、
好きですね。

りか
琥珀糖さんのコメント
2024年5月31日

好きな映画でした。
ジーンと来ますね。
前田敦子ってなんか良いんですよね。
藤原季節・・・うちの近くの高校の卒業生で、頑張ってて
応援しています。

琥珀糖