「色褪せてゆくから書き換えよう。」くれなずめ はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)
色褪せてゆくから書き換えよう。
映画館休館に伴うストレス。更に隣の県では開いているという不条理さも相まって私の中でくれなずめの期待値はもはやMAXまで跳ね上がっていました。そう、上げすぎてしまった(笑)
高校卒業から12年。友人の結婚式に出席するため5年振りに集まった6人の仲間達。二次会までの持て余した数時間に起こる会話劇を軸に物語が進んでゆきます。
5年前に死んだ友人。そいつの好きだったお菓子、ウルフルズ、箱みたいな鞄、演劇、カラオケ、女の子。ふとしたきっかけでそれぞれが馳せる友人への想い。きっと今日も一緒に踊っていたであろう余興の赤フンダンス。
いつも通り再会し、いつも通り別れたあの日の後悔と心残り。納得できない、受け入れられない。いつまでも張り付いて消えてくれない面影。グッとくるシーンや笑えるシーンが散りばめられて本当に中盤までは面白かったのに、ラストが突然とっ散らかります。SFかっ!なんでやねん!あ~なんか消化不良。
キャストは全く不満なし。高良健吾が霞んでしまうほど実力者で構成されている赤フンメンバーが強い。特に大仏の被り物をしているにも関わらずしっかり哀愁を滲ませた藤原季節が見事だった。そしてなにより前田敦子が良い!ミキエの放った「死んだら偉いのかよ!」は間違いなく名ゼリフだった。
くれなずめは造語らしいけど響きも良くタイトルにピッタリ。ラストカットはまさにくれなずんでいた。
コメントする