「人間ドラマが見どころの女性宇宙飛行士物語」約束の宇宙(そら) マスコミ試写さんの映画レビュー(感想・評価)
人間ドラマが見どころの女性宇宙飛行士物語
宇宙飛行士ものではあるが、よくある宇宙空間でのハラハラドキドキ要素がメインではなく、宇宙飛行士の母と地球に残される幼い娘との親子の絆や、他の宇宙飛行士たちとの衝突や葛藤といった人間ドラマが見どころの映画。
悪徳警官顔のマット・ディロン演じる宇宙飛行士マイクの「女に宇宙飛行士が務まるのかよ」的な態度を「宇宙飛行士ってこんな時代遅れなの?」と思いながら観てたけど、主人公サラも娘のためとはいえルール違反を連発するので、悪徳警官顔の言うこともあながち間違いじゃないのかもと思えてきた。ただ、この男が単なるハラスメント野郎というわけでもなくて、それがわかるシーンが個人的には観ていて一番気持ち良かった。
実際に宇宙飛行士という職業と母親であることを両立させようとして起こるトラブルなんてそれこそ星の数ほどあるんだろうなと思いつつ、そこを掘り下げたこの作品に対して「女性監督独自の視点が…」みたいな表現を使うのもまた違うのかな、とか考えさせられるような映画だった。子育てとの両立や男女差別からくる女性宇宙飛行士の苦悩、それを知ってから観るエンドロールは感慨深いものがあった。きっとあの人も、ものすごい苦労したんだろうな…。
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