「死者0人 ヴァンガードって暖かい♪」プロジェクトV pipiさんの映画レビュー(感想・評価)
死者0人 ヴァンガードって暖かい♪
死者0人 負傷者15人
これがこの映画のポリシーを雄弁に物語っていると思う。
ご都合主義結構♪
「そんなリアリズムよりも甘っちょろい戯言の方が好きでござるよ」って事じゃないか。
スタイリッシュなだけの大量殺戮映画よりよっぽどいい。
チョン社長から北極狼に狙われる理由を聞くジャッキー(トン司令官)。
ファリダ救出は約束するが、差し出された握手は拒む。汚れた商売に手を染めかけたチョンに対して嫌悪の色を隠さない。
直後、カメラはホイシュンへと切り替わる。パパの誕生日の為に息子が手作りのプレゼントを届けに来たのだ。
パパをモデルにした坊やの創作、キャプテン・チャイナの絵とエンブレム。パパのお仕事が命がけで悪と戦う危険なものだと知っているのだろう。
「パパは、あのキャプテンアメリカより強いんだい!」という幼い少年の素直な願いと希望、大好きなパパへの憧れがなんとも可愛いではないか。
その後、ジャッキーとミヤちゃんがケーキを携えて登場。隊員達も総出でホイシュンを祝ってくれる。
このシーンでジャッキーの創った「ヴァンガード」という組織がどんな体質であるかわかるというものだ。
本当になんて暖かいんだろう!
ファリダ&ロイ救出は非常に危険な作戦だ。任から外そうとするジャッキーだが、志願するホイシュン。
信頼してくれる息子に恥じない生き様を選ぶ事が彼の正義だ。
現地協力者のアバティーは過去に息子を殺されている。「大切な者を失う痛み」との言葉に潜入手引きを引き受けてくれるところもグッときた。
ロイの「言語は学んでも文化は学ばなかったようだな」の台詞も良い。
吾唯知足の精神は世界に誇れる東洋文化だ。金で動くような奴はヴァンガードにはいないのだ。
細工は流々、安心感に裏打ちされて気持ち良く観ていられるが、このまま無事救出成功では尺が保たない。何か一波乱あると思ったら、窮地に陥るのはホイシュン。
ここでチョン社長が漢(おとこ)を見せる!
この心意気にはトン司令官もすっかりわだかまりを解く。
アクション面は流石である。CGや早回しは使っているが、元のカンフーアクションがしっかりしているのといないのでは結構な差が出るものだ、と改めて感心した。ジャッキー始め、男性陣は綺麗なサブミッションを次々と極めてくれる。
ミヤちゃんのシーンにはワイヤーや早回しが多用されがちだが、女の子は「身の軽さ」と「スピード」を身上にしたいから許容範囲だ。何より柔軟性が素晴らしい!
カンフー使いの女の子がたまに見せてくれる、バレエのアラベスクのような姿勢からそのまま前方の敵に片足キックするヤツ。初めて見た時には非常に驚かされた。雑技団の娘達はみんな出来るものなのかな?男性はあんまり出来ないのだろうな。
ジャッキーは無理しなくていい。彼の育てた若手達が充分頑張ってくれている。しかし、それだけでは済ませないのが、やはりジャッキー。
ダイナミックな水上バイクのアクションはジャッキー自ら挑んでいる!
ザンビア、ジンバブエ間の大瀑布、ヴィクトリアの滝ですね。
ロケするにしても本当に恐ろしい立地なんだけど、実はこの場所、映画以上に恐ろしい「名物観光アトラクション」がある。
興味ある人は「Devil's Pool」で検索だwww
ドバイでは、銃の携帯が許されないヴァンガード隊員。しかし、黄金車追跡シーンでは一般警察の度肝を抜くアクションで次々と追撃していく。
唖然とする警察署長に、その都度「私の部下です」と繰り返すジャッキーが痛快だw
主役は「ヴァンガードチーム」ではあるが、今回のストーリーは「ロイ&ファリダ」が主役だ。アフリカで初対面のシーン、ロイを見るファリダの視線がすぐに恋する乙女モードになるのも微笑ましい。若い2人を応援したくなる。
ウププと笑えるコミカルシーンも適宜、挿入されている。ショッピング・モールと言えばもちろんポリス・ストーリーの「あのシーン」が脳裏をよぎり「どうなる?どうなる?」と思ってしまうが、オチには観客もジャッキーも安堵(笑)
愉快、痛快、爽快にしてハート・ウォーミング。
今の時代には懐古趣味な作風かもしれないが、エンタメ界はこういう作品を失ってはいけないと思う。
大変、面白かった!
”漢気のある魅力的な青年でいらっしゃる事でしょう。”
親ばか全開ですが、幼き頃は泣き虫でしたが、心優しき少年でした。
で、10年経って、今では”ジーパンの裾直し、全く必要なし!”(私は、多分生涯で10M位、カットしています・・)で、成人式の時に撮った写真は、”韓国イケメン俳優より、君、いけてるじゃない!”と言う程で、全てはロシアン系クォーターの家人に似ているお陰です。
漢気はあるのかなあ・・。あるなあ・・。
ホント、すいません・・。又、叱られるなあ・・。
今晩は
ジャッキーさんの映画って、仰るように”愉快、痛快、爽快にしてハート・ウォーミング”で、もう一つ加えるなら、”漢気がある”のが魅力なのだと思います。
息子が幼き頃(から少し最近まで)、たまに映画に連れて行きましたが、「ベスト・キッド」を一緒に見た際には、彼は鳴き声を必死に押し殺し、涙をシャツで拭きながら見ていたのが、父としてはなんか嬉しかったですね。
ジャッキーさんの数々の映画って、万民が響くモノがあると思います。飾らぬ大スターですよね。