ビバリウムのレビュー・感想・評価
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こんな置配はやだ
てっきり、コロナ禍における在宅勤務と置配生活が元ネタなのかと思いきや、本作公開後直後に欧米にコロナが蔓延し始めたというから、まさに予言的作品だったわけである。怪しい不動産屋の案内で“Yonder”と呼ばれる新興住宅地を見学しに訪れた夫婦(イモージェン・プーツ&ジェシー・アイゼンバーグ)が、なぜかNo9の家から抜け出せなくなるシチュエーションスリラー。
なぜ、7でも8でもなく9なのかというと、一度入ったらループから抜け出せなくなる“9”という数字の形状に意味があったらしい。監督さん曰く、この理由なき監禁物語は、安部公房の『砂の女』にヒントを得て創作を加えたものだという。オールド・ファンならばきっとブニュエルの『皆殺しの天使』なんかを思い出されるのかもしれない。
見渡す限り緑色の同じ形をした家が整然と立ち並ぶ光景は、昭和の高度経済成長期に建てられた没個性的な新興住宅街によく似ている。酔っぱらって帰宅して朝起きたら隣の家のかみさんが横に寝ていた、なんて笑い話をよく聞いたことが昔あったが、本作の場合、住んでる人間が自分たち+不気味な子供3人だけという異質空間なのだ。
近所で在宅勤務をしている方を脇から眺めていると、日増しにぶくぶく太りだし、髪や鬚もぼうぼう、身なりをまったく構わなくなってしまう残念な様子をよくお見受けする。本作の夫婦も明らかに人間ではない赤ん坊を押し付けられ、どこにも行けずネットにも繋がらない状態のため、精神的に病んでいってしまうのである。
一度自由主義経済を導入してしまうと国民の意思とは無関係に、二度とそこから離脱することが許されない。このアイルランド人の監督さんは、もしかしたら本スリラーを通してそんなことを言いたかったのではないだろうか。もし仮に離脱しようとしたならば、百舌の赤ちゃんのように、ぬくぬくとした資本主義の巣から排除(経済制裁)されるしか選択肢はないのである。
ゾワゾワ
あ~、こういう何か風刺しているというのはダメですね。ヨーロッパには時々あるからなぁ。
カッコウの託卵は知っていたけど、あのキモい子供を託卵させられてたって事?
ナゼあの2人なんだろうと終始疑問だったが、ブルーカラーだから?(そもそも教師ってブルーカラーなの?)
資本主義社会や人生を風刺しているらしいですね。ナゼわざわざ生きる事を絶望させるような作品を撮るのかね。
どんな立場でも、健康なら出来る範囲で人生楽しめば良いやないと、難病持ちで死ぬしかない私は思ってしまいました。
既視感ある!と思ったのはマグリットでしたか!!絵本の様な雲や積み木の様な家々。マグリットは好きだけど、この映画は二度と見たくないですね。(ミッドサマー程何これ?とは思わなかったけど)
ずーっと救われないだろかと祈リながら、これはファンタジー?ホラー?SF?と考えあぐねていました。比べるのもおかしいけど救われないという意味ではセブンの方が数段良い!(デビット・フィンチャーに失礼?)
まずは不気味。街並みも空も段ボール箱も。とくに幼少期の息子がヤバい...
解放
世にも奇妙な物語(海外版)
楽しい、楽しい新居探しのはずが…。キッチリ七三の不気味な不動産屋に...
【”Yonder あなたの家にようこそ・・” 同じ家並みが続くラビリンスの街の不気味さと、段ボールに入った謎の赤ん坊・・。トワイライトゾーンへようこそ・・。】
ー 今作は、地球侵略モノという触れ込みだったそうであるが、異形のエイリアンは出て来ない。爆撃シーンもない。登場人物も、極小だ。
しかし、正体が分からないナニカの不気味さが、ドンドン増していく。
まるで、段ボールに入っていた赤ん坊が、異様なスピードで、成長していくように・・。ー
◆感想<Caution !内容にやや触れています。>
・異形ワールドの設定が秀逸である。
マイホームが欲しい若夫婦のトム(ジェシー・アイゼンバーグ:今作では、高速台詞は封印し、只管不条理な世界から逃れようと足掻く男を演じる。)とジェマ(イモージェン・ブーツ)は爽やかな笑顔を湛えた不動産屋の男、マーティンから人の気配が全くない”Yonder"という住宅街を紹介される。
ー 薄緑色の、全く同型の家が整然と立っている街。不気味である・・。ー
・マーティンは二人を家に案内した後に、忽然と消え、トムとジェマは帰ろうとするも、ラビリンスに迷い込んでしまい、何度も、元の家に戻ってしまう。
・そこに贈られてきた段ボール。中には、男の赤ちゃんが。
”成長すれば、解放される”と言う張り紙。
ー この赤ちゃんの成長スピードが速い事速い事。あっという間に、少年になるが、この白い顔の髪がキチンと整えられた少年が気持ち悪くって・・。奇声を上げたり、変な画像が映るTVを熱心に見ていたり・・。
・トムは、街から逃げるために庭に穴を掘り始める。だが、徐々に弱って行き、その姿をみた白い顔の髪をキチンと整えた青年になった男が言った言葉。
”そろそろ、解放する時だ”
ー ジェマはトムが亡くなって、青年が変な袋にトムを入れ、穴に放り込む姿を見て、鶴嘴で青年を襲うが・・。
ここからの、展開が視覚的にも奇妙すぎる・・。そして、ジェマも・・。ー
<同じ家並みが続くラビリンスの街に閉じこめられた、若夫婦。そして、爽やかな笑顔を湛えた不動産屋の男、マーティンもいつの間にか、老化していて成長した青年がマーティンのバッジを身に着け、新たな”犠牲者”が店に入ってくる・・。
不可思議テイスト炸裂の、スリラー作品である。>
漫画でありそうな話
#71 人間が托卵されるのか?
冒頭に出てくる自分のヒナの代わりにカッコウの子供を育てる鳥がこの映画のテーマ。
どんなカラクリになっているのかわからないが、人間が郊外のニュータウンに閉じ込められて、かぐや姫みたいに速く成長する子供の世話をさせられる。
私はあなたのママじゃないと言ってもお構いなしに親として慕ってくる子供。
なんだか不気味な世界だけど、不思議と違和感なく見てられる映画。
アイルランドって車は右ハンドル左側通行だっけ?
全てが謎
CUBEやPLATFORM系が好きな人は観よう。
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