劇場公開日 2021年4月2日

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「覗き穴を開けよう」ホムンクルス フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

覗き穴を開けよう

2021年4月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

頭蓋骨から脳を開放する話

毒々しさとおどろおどろしさが魅力的な映画でした。

出だしがカッコいいです、色合いも音楽も狂気じみているのにスタイリッシュで惹きつけられる。
頭蓋骨の穴をのぞき込む成田凌、マッドサイエンティスト感最高です。

自分は原作を読破してないが、おおまかな話の筋は知っていたので物語の決着が見れてよかった。
これが原作通りかわからないけれど・・・

山本英夫の「殺し屋1」からして相当攻めてるヤバい漫画でしたが、「ホムンクルス」も内容がぶっ飛びすぎてて読んだ時は衝撃的だった。
当時は学生で本屋でまだ漫画にビニールが無く立ち読みし放題だったなぁとか思い出しました。そしてちょっと大人のマンガも読めてた。

変わった漫画だな位の認識だったけれど、今思い返してみると唯一無二ですよねこんな作品。
すべての漫画が全唯一無二の作品だろうけれど、異色というか奇抜というか、鬼才としか言いようのない内容で昨今そうそう出くわせない漫画ですよね。
ただ自分が読んでいたのは途中までで、女子高生の話のあとまででした。話がなかなか前に進まないくてじれったかった印象があります。
スケールも小さく案外狭い世界の話なので少年漫画ばかり読んでた自分は飽きてしまったんっだったかな。

そんなこんなで十数年ぶりの「ホムンクルス」との再会、ラストも気になるし監督は清水崇だし期待しておりました。

率直な感想、前半はいい感じなのですが、後半から失速した印象。

「怖い間取り」もそうでしたが後半の盛り上がらなさと風呂敷の畳方が雑なのか下手なのか、劇場を後にした時の満足感が少ない。
漫画で読むのやめた部分くらいが展開的に最高潮で映画もそれと同じだったのでそもそも原作もこんな感じなのか?

面白いし刺激的なのに余韻がなくてすぐに忘れてしまいそう。
そして思い出した時に凄い作品だったなってなるんだと思う。
う~ん難しい、現状では最高の映画とは言えない、面白かったけれど。
カルト的人気ってそう言うものなのかも知れない、好きな人はとことん好きだし、評価は後々付いてくる。

時間があれば右目を閉じて左目だけでもう一回見てみようかな。
何か見えてくるかも。トレパネーションしてないから駄目か・・・

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劇中セリフより

「見てほしいばかりで、相手を見てなかったんだよ」

見るのは容易い、見てもらうのも簡単だけど、核心は伝わらないものです。
心の中、本質はいつもどこかに隠れて見つからないように抗うのですから。

フリント