返校 言葉が消えた日のレビュー・感想・評価
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何の映画?
“ゲームが原作”ということで、ゲームをプレイしている感覚が楽しめるのかと観に行った。 しかし、その期待は裏切られた。 原作ゲームが1人称なのか3人称なのかは分からないが、いくつかのシーンを除いて、ゲームプレイの感じがなく、“異世界への没入感”を得ることができなかった。 ゲームプレイ感覚が得られない大きな原因は、主人公がはっきりしないことだろう。 ジョンティンなのか、レイシンなのか。この2人の行動が同期していればいいのだが、真逆の行動をとるのである。 “ゲームプレイヤーとしての観客”は、どのキャラクターを動かした気になればいいのか分からない。 別に“ゲーム映画”でなくてもいいのだが、かといって、映画の作りは普通ではない。 ジョンティンのストーリーも、レイシンのストーリーも、“劇映画”というにはあまりにも薄すぎて話にならない。 美術だけ見れば、スプラッター系でないにせよ、はっきりと“ホラー映画”だ。 しかし、この映画で本当に“コワい”のは血まみれ死体ではなく、「思想弾圧」という政治権力であり、「私怨による密告」なのだ。 悪い意味でジャンル不明な、中途半端すぎる作品と言わざるを得ない。 台湾のかつての「白色テロ」をテーマに描いた作品というが、台湾で大人気なのはどういうわけだろう? 現実の“中国の脅威”が潜在意識として影響しているのかもしれないし、あるいは全く逆に、今は“民主主義を謳歌”しているがゆえに、過去の歴史をホラーとして楽しんでいるのかもしれない。 どちらなのか、台湾の事情通に教えて欲しいところである。
日本の平和に感謝
ゲームから興味を持ち、
先にNetflixのドラマを見たが超絶つまらなかった。
ドラマは映画の続編と知り、
この映画を見てからもう一度ドラマを見ると、まあまあ面白かった。
しかし、やはりこの映画ほどの重みはなく安っぽい。
台湾は日本と変わらない現代的な国の印象だったので、
1987年まで戒厳令が続いていたと知り、驚いた。
昨今の情勢や現地人の友人の話を聞くと、
台湾、香港はまだまだ中国的な生き辛さに悩まされていると感じる。
日本も戦争の結果によっては一歩間違えば、こうなっていたかもしれない。
コロナ対策やオリンピックに関して、国民が自由に政府批判できる、日本の平和に感謝。
映画鑑賞の前に、作品内容を確かめましょう。
タイトルは、自己反省を込めて付けました。前評判が高いので、それだけで鑑賞しました。 映画がはじまると、何とホラー映画ではありませんか。私はこの手の作品は生理的に受け付けません。何度も席を立とうとしました。座っていたのは、映画代が勿体ないという気持ちからでした。ホラー、青春もの、独裁国家と3つの要素が絡み合い、時間の前後、幻覚・幻想が入るので錯綜しているかの印象を受けます。が、監督の想像力の豊かさを感じます。そういう意味では秀作です。観てみる価値はあります。
とんでもないものを観てしまった
言論弾圧という負の歴史を、娯楽映画として(しかもホラーで!)制作し、メッセージ性とエンタメ性を両立させています。とんでもないものを観てしまったという感じです。間違いなく台湾映画史に残る作品だと思います。
いつだって怖いのは人間の方
元のゲームを知らないので再現性の具合は分かりませんが、台湾の政治と近代史を題材にしつつ、ホラーとエンタメ性のバランスがよい。 どこまでが現実でどこからが幻想、回想なのかが曖昧になる作り方の妙。 『サイレントヒル』+『華氏451』みたいな。 1960年代を含めた蒋介石政権の悪行(白色テロ時代)の思想取り締まりは知っていたので、さもあらんという内容。 謎のモンスターやゾンビに襲われるより、憲兵に捕まって頭に袋つけられて拷問や射殺の方が怖いという。 そして、その時代に自由を求めた青年たちを見事に演じた、キャストにも目を奪われました。 特に、ファン・レイシンを演じたワン・ジンが魅力的。
とにかく面白かった
文句なしに面白い。ホラー映画ではあるが、生徒と教師、教師と教師、生徒と生徒の微妙な恋愛感情や信頼と疑惑が描かれ、しかもそれらが次々と変化していく。それが権力による言論統制下という極限状況を舞台にしているから、映画は一層緊迫感を増す。誰が本当のことを言い、誰が嘘を吐いているのか、そして一体何が本当なのかを考えてしまう。基本的に誰もが嘘を吐かなければならない言論統制の状況もある。密告したのは誰か。物語はいよいよ複雑になる。 言論統制をしているにも関わらず、朝礼で歌われる歌や看板に自由平等とあるのが笑えた。アベシンゾウが軍国主義を「積極的平和主義」という意味不明の言葉にして演説していたのと似ている。 ご存知の方も多いと思うが、水仙の学名はギリシア神話の美青年ナルキッソスに由来する。モテモテの彼は寄ってくる女たちと次々に関係を持ち、飽きると捨てていた。しかしエコーというニンフと付き合ったことで運命が変わる。エコーはこちらの言葉を繰り返すだけでちっとも面白くないから、早々に求愛を断ったのが女神ネメシスの怒りを買い、自分しか愛せない人間にされてしまった。ある日水に映った自分の姿を見て恋に落ち、焦がれて衰弱して死んだ。その後に咲いたのが水仙の花だ、という話である。 チャン先生が何故水仙の絵ばかり描くのか、なんとも悩ましい謎だが、本作品の中では必ずしも明らかにされていない。ただこのギリシア神話が関係していることは間違いないと思う。チャン先生が態度をはっきりさせないところは、実はチャン先生はナルキッソスで、女生徒と女教師が振り回されていたのかもしれない。 台湾映画はあまり観なかったが、本作品のように奥が深く立体的でサスペンスフルな映画を製作できるレベルにある訳だ。儒教的な考えがどうしても底流にある韓国映画よりも自由度は高そうである。台湾という国家が言論統制へ後退する危険性も常にあることは忘れてはならないと警鐘を鳴らす作品でもあると思う。とにかく面白かった。
今の日本が表現の不自由?
台湾初の同名のゲームが原作のホラーサスペンス
なんか気になってたんですが
たまたま近場でやってたのもあり
思い出したように観てきました
と言っても原作はしらんのですが
まあバイオハザード等はほぼ全シリーズ遊んでる
くらいなのでなんとなく原作の雰囲気はわかります
作品のテーマにある言論統制下の社会というところ
これ結構世界の色んな国が経験がある部分です
主に1900年前半に生まれた共産主義思想の
蔓延を防ぐもので
アメリカもレッドパージ
日本も普通選挙法制定に伴った特高など
それに比べると台湾はそもそも中国本土で
共産党との戦いに敗れた国民党の蒋介石が
逃げ込んで作った地域という背景がありました
まあそういう政治的な話はともかく
言論統制下という舞台でこの映画における
ポイントは密告であれば証拠がなくとも
しょっ引いて拷問して即処刑出来てしまう
という簡単に恐ろし事が行われる恐怖
なんかこの映画のレビューの頭でProとか付けてる
人が今の日本の表現の不自由さを連想すると書いてますが
は?何言ってんの?
って思います
日本ほど言いたい放題出来る国ないでしょう
こういう的外れな事書いて生きづらい社会とか
勝手に言いふらしてる時点で日本の思想の表現は自由です
少なくとも処刑されたりはしないでしょう
自分は自分の映画の感想の覚書感覚で
このサイトを利用しているだけで
映画評論家って名乗るヤツこういうトンチンカン
なのばっかなんでまともに読んだことないですが
今後もないでしょう
まあそんな文句はいいとして
この作品ホラーとしても一級品に怖いです
台湾独特の学校の閉鎖空間のおどろおどろしさは
雰囲気満点ですしここ最近の日本のホラー映画より
はるかに怖いです
悪夢の中で延々と同じ展開がループ
している中で徐々に何を意味するのかに
気が付いていく展開は惹きこまれます
映画としての完成度は高いと思うので
おすすめしたいです
パラレルワールドは心の歪みから産まれる。
台湾にも厳しい時代あったんだなぁ。 自由はやっぱり代償を払って自分で掴み取らないと価値がわからないものなのかも、、、、。 パラレルワールドから出られない2人の自分探しの過酷な旅(学校の中)。構造的に「パンズラビリンス」や「エンジェルウォーズ」思い出した。元々ゲームが原作だから前半キモいキャラクターの登場がまさに安いゲームっぽくて映画としてハズレかなと思ったが、、、後半それぞれが背負った物がわかり始めてグイグイ引き摺り込まれ、愛情、裏切り、贖罪、自由、生命、、絡まりまくった色んなテーマを一気に昇華する感じがカタルシスあって見事だと思った。 主人公の2人が良い味出してる。 現実とパラレルワールド行ったり来たりだから、世界観理解出来ないと話について行けないだろうなぁ、わかりやすいの好きな人には無理かも。 私は男子の顔が皆似てて見分けるのに苦労しました。
終盤の整合性がちょっと
Wikiを見るとゲームは男の子が主人公なんですね。映画は女の子の視点で物語が進行するので、終盤で「これは誰が見ている悪夢(または回想)なのか」がゲーム未体験者にはわかりにくかったです。これがもっと整理されるとラストシーンがより生きるように思いました。 それにしてもこの舞台になった1960年代は、日本以外の東アジアはみんな軍事独裁国家だったのですよね。中国、北朝鮮はいまだにそうですし、韓国も民主的な法治国家として正しく発展しているとは言えない。それに比べて台湾はこの映画の状態から半世紀も経たずに日本と並ぶ民主主義国家になったのはすごいと思いました。
大好きなゲームが映画化と聞いて
すっ、ごい良かったです。
ゲーム未プレイで政治云々またはホラー云々を期待して観た方はよくわからないかもしれない。仕方ない。
いやしかしゲームの世界観そのまんま。このゲームが好きな人は是非観に行ってほしい。
ゲームのシーンをこれでもかってくらい大切にしてそれを違和感なくシナリオ化してて感動しました。
個人的にゲーム内で大好きなサイコロが歯になるシーン、どうくるかなーカットされるかなーと期待と不安でドキドキしてたら…「そこに持って来たか!」と脳内で大興奮。ゲームでは印象的なシーンなのに映画ではさらっと流されるのもよかった。わかる人にはわかるという感じが。
校長室のセーブポイントがチラっと見えたのも高評価。本当にゲームの世界観を大事にしてる。
映画オリジナルのストーリーも個人的には良かったです。映画のウェイくんは本当ヒーローでした!ゲームの中のレイちゃんも映画みたいに救いがあればな…と。
セットも本当に素敵だったけど俳優さん達も雰囲気に合う方々ばかりで素敵でした。
もう一度観に行く予定です。
ホラー…?
原作ゲームはホラーなのかしらん。なんとも形容しがたい。ちょっとホラーでミステリーでサスペンス。統制下で自由のない人たちの人間模様でもあるし。誰の選択が正解だったか考えさせられる結末だったな。人間の強欲が招いた悲劇と思うが…。
ゲーム「サイレントヒル」ぽいなと思っていたら
内容をあまり知らずに観たので、韓国の日本人による言葉狩りの話かと思ったら台湾の1960年代の話で、国家の気に入らない本を読んだだけで簡単に殺される古代中国時代みたいな事をやっていた時代の学生達の話が始まりました。日本がその頃高度成長期真っ只中な事を考えるとひどい話だなと思います。 だからってホラー展開始まるか?夢の話だって最初にはっきり言うので恐怖感はないし、登場人物の心証風景を現すだけなら嫌に長いし、現実と悪夢を行き来するゲーム「サイレントヒル」っぽいなと思って後で解説みたらゲームの映画化らしいです。日本の太平洋戦争中をゲーム化したようなもので、日本じゃ絶対売れないと思うのですがお国柄なのでしょうか・・・。ホラーに寄るならもっと極端に、そうでないならしっかり現実に沿って描いた方がいいのかなと。自分にはちょっと中途半端に感じました。
セットは良し!怪物はナシ…
国民党独裁政権時代の台湾を舞台に、禁書を巡る学園ホラーサスペンス。 正直、途中まで「これホラーにする必要あったか?」なんて思ったりしたけど、あの不気味な雰囲気が当時の暗黒感を上手く反映できていたのかも。 校内セットなど美術系は、横溝正史作品の様な世界観で良かったのだけど、時折出てくる〝あの怪物〟は何とかならなかったのかなぁ… 急にバイオハザードみたいになっちゃって…苦笑 ドラマパートも濃くて、ホラーテイストのサスペンスものっていう感じなので、怖いの苦手な方でも大丈夫かと。
期待値高めだったけど若干眠気が…
ホワイトテロ時代をホラーゲームにし、それを映画化したという…当時に興味をもつとっかかりにはイイかも。どんな時も恋愛要素は必要なのね。
ゲームの攻略になりそう?
1962年、独裁政権下の台湾で政府から禁止された本を隠れて読んでいる読書会メンバーの男子学生ウェイが深夜の学校に迷い込み、そこにいた先輩のファンと共に学校脱出しようとする話。
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ホラー部分と現実シーンが混ざりあって話が進行していくのだけど、夜の校舎シーンは、主人公達が現実で経験した恐怖やトラウマがホラー描写となって表れてるのが面白かった。
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例えば、警官に見えるモンスターの顔が鏡になっているのは密告してしまった自分の罪への恐怖で、モンスターの足に鎖がついてるのは自分が密告したことで死んだ先生が恨んでいるではという恐怖なのかな。
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厳しい言論統制下で恐ろしいのは警官だけではなく、その下で疑心暗鬼になり壊れていく人間関係でもあるのが悲しい。
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こういう歴史的なテーマを扱いながら元々はホラーゲームで日本でも結構話題になってたし、映画も台湾本国でちゃんと興行的に成功していると思うと、日本のコンテンツがいかにポップになりすぎてるか分かる。
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日本のゲームやアニメのポップさが、世界の誰にでも受け入れやすいものだから世界中にファンがいるのだとは思うけど、日本は政治的な触れたくないものに触れてなさすぎる気がする。
#63 ホラーのようでホラーじゃない
幽霊よりも本当に怖いのは人間の心という、人の心理をついたストーリー。 先生と生徒の秘密の恋の部分は、少女漫画が大好きな日本人ならキュンキュンしちゃう。特に見た目はイケてない先生だけどどこまでも紳士的な態度を見てると、こんな先生なら好きになっちゃうかもと思わせる。 楽しいのはここまでで恋心はやがて妖怪へと化していく。 言論の自由がないのは戦時中の日本も同様だったと思うが、処刑までしちゃうなんて酷すぎる。 いつか手に入れる自由を夢みて戦う同志達。この頃の彼らが今の香港を見たら泣いちゃうだろうな。
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