劇場公開日 2021年7月30日

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「大切にしたい民主主義」返校 言葉が消えた日 あっさり醤油ラーメンが好きさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大切にしたい民主主義

2023年8月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

難しい

主役のファン・レイシンを演じたワン・ジンさんはリアル美女JKに見えますが、撮影は台湾公開よりも結構前だったのでしょうか。

察しのいい人やこの映画の元になった大ヒットゲームをプレイ済みの人は、何が虚構で何が現実なのかが分かったのかも知れません。あまり察しの良くない私は分からないまま鑑賞していましたが、だからといって話に付いて行けないということはありませんでした。元になったゲームの世界観をこの映画が再現しているのだとすると、ゲームも相当面白そうです。映画とは違う結末にもなるでしょうし、色々な結末を楽しめることを期待しますが、ゲームらしくクリアやコンプリートもあるのでしょうか。

この映画を見たらここで描かれている1962年の戒厳令下から台湾がどの様に民主化を実現したのかを知りたくなりました。私なりに調べたところ、或る文献に「時の総統・蒋経国(蒋介石の息子)が1970年代初めの米中接近により生じた対外危機への対応として漸進的な民主化を始めざるを得なかった。」とありました。それ以上のことは分かりませんでしたが、一つの中国思想に傾倒しそうなアメリカを、民主主義陣営の一員になることで繋ぎ止めようとしたのかも知れないと推測します。

最近ではニジェールで軍事クーデターが起こるなど民主主義の国は減少傾向にあるとのことで、民主主義の維持は口で言うほど簡単なことではなさそうです。普通選挙を行ってはいてもその実野党を弾圧してせっかくの選挙が出来レースと化しているエセ民主主義の国もたくさんありますし。日本もちょっと心配です。空気を読みがちと言われる日本人の国民性は、言論の弾圧に対して抗しがたい性質と言えないでしょうか。いつぞやの放送法の解釈変更は、自由で開かれた言論への圧力がひたひたと迫っている兆しではないでしょうか。

あっさり醤油ラーメンが好き