「【”悲しみは、使い古した喜び・・。一時的に、様々な柵を忘れ、キャンプに行く二人の男の姿を描く。”ヨ・ラ・テンゴの音楽が、二人の男が抱える茫漠たる不安、寂しさ、僅かな喜びを彩っているロードムービー。】」オールド・ジョイ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”悲しみは、使い古した喜び・・。一時的に、様々な柵を忘れ、キャンプに行く二人の男の姿を描く。”ヨ・ラ・テンゴの音楽が、二人の男が抱える茫漠たる不安、寂しさ、僅かな喜びを彩っているロードムービー。】
■もうすぐ父親になるマークは、ヒッピーのような生活を続ける旧友・カートから久しぶりに連絡を受ける。それはキャンプへの誘いだった。
妻に一応、行っても良いかと聞くが、妻の答えはツレナイ。
”どうせ、行くんでしょ”
マークは、カートと一緒にゴーストタウンのような町を出て、古い温泉があるという山へ向かう。
◆感想
・これだけの話なのだが、何故か、良い映画であるなあ、と思ってしまう作品である。
旅に出る際に、カーラジオからは、民主党、共和党の政策に対するニュースが流れているが、車が山中に入ると、そんなニュースは、一切流れなくなる。
・道迷いし、途中の山道でキャンプをするシーンで、二人が交わす会話も、なんという事はない。
・翌日、店で朝食を取った後に、二人は漸く古い温泉に到着する。水で適温にし、一人用の古びた湯舟に浸かるマークとカート。マークの指の結婚指輪にフォーカスするキャメラ。
・そして、一泊二日の僅かな旅は終わり、町に戻る二人。カーラジオからは、経済に対する不安を伝えるニュースが流れている・・。
<日々、生きていると様々な柵が、身を纏う。
それは、家族であったり、会社での諸問題であったり、社会に対する茫漠たる不安であったり・・。
だが、時にはそういった柵を忘れ、古き友と旅をし(出来れば、テントを背負った山旅が良い。)身体に纏わりついた垢を落とす事は、必要であると思った作品である。>
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