「徹頭徹尾、アメリカ目線&マーケティング目線」セガvs.任天堂 Console Wars Minoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0徹頭徹尾、アメリカ目線&マーケティング目線

2022年5月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

アメリカからみた、当時の任天堂vsセガのゲーム戦争をノスタルジックに描いた作品。

メガドライブ(ジェネシス)がアメリカで売れていた、という話はよく聞きますが、
この番組によってその理由がよくわかりました。
また、当時、雑誌で任天堂との過激な比較広告について読んだとき、アメリカというのは
そういう文化なんだな、と納得していましたが、どちらかというと、カリンスキーをはじめとする、
当時のSOAのマーケティングチームの性格によるものだったんですね。
日本人の知らない、当時のアメリカのゲームマーケットについて知ることのできる、
貴重な機会でした。

一方、ドキュメンタリーとしては、視点が非常に一方的で、網羅性や公平性の面で
非常に問題があると思いました。
とにかく、主人公であるセガアメリカのマーケティングチームが絶対善で、すべての手柄は
彼らのもの、失敗はセガジャパンの馬鹿な日本人どものせい、という構成になっているので、
正直、日本人としては、かなりモヤモヤする内容でした。
日本側の人間で出てくるのは、ほぼ(アメリカの足を引っ張る老害として登場する)中山社長のみで、
ソニックをフィーチャーしながら、中裕司氏は申し訳程度に数秒写真が写るだけ、
あとは宮本茂氏がちょっと登場しますが、鈴木裕氏はもちろん登場しませんし、
なんなら任天堂の山内社長すら出てきません。
また、徹頭徹尾、マーケターの視点のみからの語り・インタビューとなっているので、
ゲーム開発者の話が聞けると思って期待して見た自分は、肩透かしを食いました。

あくまで、当時ゲームキッズだったアメリカ人に向けて作られたドキュメンタリーであり、
日本のゲームファンが見て手放しで楽しめる内容とは言い難いと思いました。

TempMan