「哀愁…命懸けで今日も生きてるんだよ」浅草キッド しゅうへいさんの映画レビュー(感想・評価)
哀愁…命懸けで今日も生きてるんだよ
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Netflixで鑑賞(Netflixオリジナル映画)。
原作は未読です。
ビートたけしの誕生秘話を、彼の師匠である幻の浅草芸人・深見千三郎との関係を軸に描き出した感動作。
開始間も無くで目を見張りました。柳楽優弥がたけしにしか見えなかったからです。左目の瞬きや首の動きなど、完全トレース。それはまさに「ボヘミアン・ラプソディ」のラミ・マレックが如く。演技指導が松村邦洋と知ってびっくり!
深見千三郎役の大泉洋も素晴らしい演技でした。
序盤のたけしを教え導く「バカヤロー」。中盤でのフランス座から出て行くことを決めたたけし―師匠から旅立とうとしている弟子を送った「バカヤロー」。終盤の弟子の活躍を誇らしく思う「バカヤロー」。状況によって変わる「バカヤロー」の意味合いを表現する繊細な演技が心に沁みました。これからバカヤローって言葉聞くだけで涙腺緩んでしまうかも…
居酒屋でたけしと共に客をさんざん笑わせた後、タクシーで帰るたけしを見送るその佇まいには溢れんばかりの哀愁が漂っており、その後の結末も含めて涙を禁じ得ませんでした。
成功した者と、夢破れた者―
その対比に心揺さぶられました。
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