「モヤモヤが残るのにイヤじゃない」彼女来来 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
モヤモヤが残るのにイヤじゃない
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昔からSF映画やショートショートで扱われてきた、「目の前にいるその人は本当にその人か?」というテーマがある。その人だと思って接していた人が、エイリアンだったり、アンドロイドだったりするってのがありがちなやつ。そんなのを観たり読んだりしていると、本作の設定は少し身構えてしまう。
一緒に住んでいる彼女が失踪し、代わりに同じ名前の別人が部屋に住みつくという話。顔は全く違うし、昔の記憶がない女性だが、恋人しか知らないようなことを知っていたりする。まぁ、エイリアンでもアンドロイドでもなさそうってのはわかるが、奇妙な感じは残る。藤子・F・不二雄先生の少し不思議(SF)な漫画にありそうな設定。
彼女がなんでいなくなったんだろうなんて疑問を持ってしまうとまったく面白くないんじゃないか。むしろ、親が新しいマリと仲良くしているのを見て、彼女を受け入れ始めるのなんて普通の恋愛でもありそうな構造に思える。
最後は予想していた通り、あぁそういうことだったのねとスッキリすることはない。結局何だったんだよ!?と思うこと間違いなし。後輩の女の子の話や恋人のお姉さんの話やカフェのこととか、伏線っぽいやつも何の関連性もなかったりするし。でも、個人的には嫌じゃない。あぁ、まさにショートショートのようなモヤモヤ感!
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